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第32話 変装組 


 遠くに見える大きな壁を見つめる。

このままじゃ正面突破する作戦もできない。



「おい、鳴神!あれって!」



 仙撃が壁の方を指差している。

そこにはこちらに向かって飛んできている龍がいた。

こいつはA組の!



「みんな隠れろ!」



 俺の呼びかけを聞いてすぐにみんながビルの屋上の壁沿いに寄って隠れる。

バサッバサッと翼がはためく音がどんどん近づいてくる。


 龍は俺たちの存在に気づかず、

ビルの上を通り過ぎていった。


 ジェスチャーでビルの中に移動しよう、と指示を出す。

すぐにビルの中に駆け込み、先ほどのフロアに戻ってきた。



「どうする日向くん。これじゃあ、壁に阻まれてでA組の陣地まで行けないよ」



流星が悩んだように言う。



「それもそうだけど、これで小人を介しての変装組との連絡が取れなくなった」



 小人たちにA組の生徒を街の端まで誘導できたか教えてもらうつもりだったが、

これじゃわからない。



「変装組が上手くA組を誘導できてるって信じるしかない。みんな!ちょっと早いけどいつでも出発できるように準備しておこう!」




◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



変装組 分断された壁付近 



「おい!あの壁で鳴神たちと連絡がとれないぞ!」「どうする?」



 変装組のリーダーの英田にみんなが声をかける。

俺たちは奇跡的に壁のA組の陣地側にいる。

俺たちの役目はA組の生徒のフリをしてA組を街の端まで誘導すること。

なら鳴神たちがあの壁を超えてくれることを願うしかない!



「やろう!鳴神たちを信じて俺たちのやるべきことを!じゃあ俺は左側、そっちは右側を頼んだ!」



 変装組のメンバーそれぞれが分かれて走り出す。

俺は一人でA組の生徒を探して街を走る。


 今回は一人一人が単独行動。

チームで動くとA組じゃないってバレるかもしれないしな。


 やることは簡単だ。

A組の生徒のフリをしてA組を街の端まで誘導する。


 鳴神によるとA組の生徒はお互いの顔と名前もまだ覚えてないらしい。

まあ、入学したばっかだししょうがないか。


 お前A組にいたか?とか言われたらどうしよう・・・

なんとか誤魔化すしかないな。


 頑張れ俺!せっかく変装組のリーダーを任せてもらったんだ!俺が頑張らないと!

最悪何かあったら俺の”部分硬化”の能力でぶっ飛ばしてやる!


 そんなことを考えて走っていると、

目の前の交差点を小学生ぐらいの小さな女の子が歩いていた。


 白髪ロングで腕にクマの人形を抱えてトコトコ歩いている。

こいつ、A組の生徒だよな?C組で見たことないし・・・

なんか高校生とは思えないほど背が小さいぞ?

と、とにかくA組の生徒のふりをして近づく!



「お、おーい!」



 そう呼びかけると女の子は声に気づき、こちらを振り向いた。

敵意を出さずにそーっと近づいていく。


 目の前に立つと女の子は俺の腰ぐらいの身長の高さだった。

女の子は俺のことを上目遣いで見つめている。



「あなた、Aくみのひと?」



 よし!向こうからA組だって聞いてきた!

それに全然警戒してない!



「そ、そうだよ!」



 俺がそう言うと女の子がパァ!と明るく笑う、

おお!多分認めてもらえたぞ!



「わたしもAくみ!でもこれがあるからもうやることない」



女の子が遠くの街が盛り上がってできた壁を指差す。



「そ、そうだね。でも向こうの方でC組の生徒が攻めてきてるらしいよ!」



作戦通り、誘導するため街の端の方を指差す。



「え!そうなの!?それはたいへん!いそいでいかないと!」



 女の子は俺の指差した方へトコトコ走り出した。

よしよし!上手くいった!このまま街の端まで行くぞ!

女の子の後ろについて走る。


 しかし少し進むと女の子が急に立ち止まった。

一向に動こうとせず、俯いてしょぼくれている。



「ど、どうしたの?」



 まさかバレたのか!?

後ずさりをして逃げる準備をする。



「・・・つかれた」


「え?」


「はしるのつかれた。もううごきたくない!」



 すると女の子はその場にへたり込んでしまった。

半べそをかいて今にも泣き出しそうだ。

まずい、このままじゃ誘導できない!

無理矢理にでも移動してもらわないと!


 でもこいつもA組、とんでもない能力を持ってるはずだ。

慎重にいかないと。


 地面に膝をついて目線を合わせる。

っていうかこの子小学生みたいな体だけど高校生だよな?



「大丈夫?よかったらおんぶしてあげようか?」



 へたり込む女の子に優しく、刺激しないように話しかける。

なんか小学校の先生になった気分だ。



「ほんとに?」



 さっき泣いてたのが嘘のように嬉しそうな顔をする。

そしてバッ!と立ち上がって俺に飛びついてくる。



数秒後。



「いけー!」


「いや、なんで肩車?」



 女の子は俺の頭を掴んでコントローラーのようにグラグラ動かしている。

まあいい、A組のこいつを街の端まで誘導するのが俺の目的だ!



「しゅっぱつしんこー!」



 頭を小さな手でバシバシ叩かれ、

俺は女の子を肩車して走り出した。




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