表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
32/92

第31話 VS A組 2日目



「それでは今から10分の作戦タイムです」



スピーカーからB組の担任の先生の声が聞こえる。



「一点突破?」



仙撃が聞いてくる。



「一点突破って正面から突撃するってこと?」



流星も同じように聞き返す。



「そう、でもむやみやたらに突っ込むってわけじゃない。まず今回は1点だけでも取ればいい。だから先にA組に大量得点させて、C組はゲームを諦めたんだと油断させる」


「A組は俺たちC組を舐めてるもんな」


「そう、そこを利用する。ある程度得点させてA組が油断したら・・・」



B組とのゲームの前に天使と出会い、言っていたことを思い出す。



”私たちなんてクラスメイトの顔も名前も曖昧なぐらいなんだから”



「A組のやつから聞いたんだが、A組は互いの顔と名前もまだはっきり覚えてないらしい」



 みんなが驚きの表情を見せる。

それほどA組は仲が深まっていないってことだ。



「だからC組の何人かにA組と接触してもらってA組の生徒のフリをしてもらう。そしてA組の生徒を街の端に誘導する。そうすれば街の真ん中が開くはずだ。そこを正面突破する」



 少し荒削りで無謀な作戦かもしれないが、

試してみる価値はある。



「A組は全員が個人で動いてて連携が取れてない。だから情報が回るのも遅いはず。うまくいけばA組を混乱させられる。あとA組の防衛には七罪がいる。七罪とぶつかるのは避けられないと思うが、そこは王様の俺がなんとかする。みんな!」



最後に呼びかける。



「1点、1点でいい。A組に一矢報いることができれば。単純な能力では勝てないけど、みんなの能力を合わせれば絶対に得点できるはずだ!やるぞ!」


「うぉぉぉ!」



気合のこもった声がC組の陣地に響いた。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



 スタート位置に並ぶ。

王様の俺がちゃんとしないと。

責任も大きいしな。



「日向くん、あまり背負いすぎちゃダメだよ」



隣の流星が言う。



「うん、日向くんだけじゃない、みんなでC組だから」


「・・・そうだな。一人じゃないしな」


「そう、一人じゃないよ」



 神藤さんが俺を向いて微笑みかける。

神藤さんはB組との対戦で能力を使いすぎて十分な状態じゃない。



「大丈夫!神藤さんはもう十分頑張ってくれたから、無理しないでね!」


「うん、ありがとう。でももうちょっとだけ頑張りたい」



神藤さんが笑顔で言う。



「それでは、合宿最終試合A組対C組、スタートです」



ピーっとスタートの合図が聞こえる。



「さあ、始まった!みんな、見つからないように!」



俺がそう声をかけるとそれぞれが役割の場所に向かっていった。



「よーし、俺たちは時間まで隠れるぞ!」



 仙撃が言い、みんなで近くのビルに入る。

ビルの階段を登って広いフロアに出ると、

窓から外の様子を確認する。


 俺と仙撃や流星を含む数人のメンバーは正面突破する突撃隊だ。

俺たちの役目は簡単、

A組の生徒が街の端に誘導されて空いている真ん中の道から、

B組のゴールまで突き進むだけだ。



「しばらくはここで待機だな」



 本当は神藤さんの”交信”の能力でみんなとすぐに連絡を取れるようにしたいが、

神藤さんが消耗してるから今回は安寧の小人召喚の能力で連絡を取るようにした。


 昨日初めてA組と対戦した時のように、

小人を町中に配置してバケツリレー的に連絡を取る。

時間がかかるが今はこの方法しかない。

フロアに小人がトコトコと入ってくる。



「負傷者組も変装組も隠れ終わったらしいぞ!」



 そう伝えると小人は戻っていった。

負傷者組は神藤さんのような怪我や能力の使いすぎでまともにゲームに参加できない生徒で今回は隠れておいてもらうことにした。

A組は王様じゃなくても無差別に攻撃してくるからそんな状態で戦わせるのは危険すぎるしな。


 そして変装組はA組の生徒のフリをして、

A組を街の端に誘導するメンバーだ。



「よし、順調だな!」



 そうしてしばらく窓を見ていると、

遠くから天使が空を飛んでいる姿が見えた。



「みんなA組の王様がきた!隠れて!」



 すぐに窓の下に身を隠し、

こっそりと外の様子を伺う。


 天使の腕には王様の腕章がある。

やっぱりあいつが王様か。


 天使はいとも簡単にC組の白線を超えて得点した。

得点の笛の音とともに電光掲示板に点が加えられ、

1対0と表記される。



「くそー、1点取られたな」



仙撃が悔しそうに言う。



「まあこれも作戦だし、どんどん点を取ってもらおう」



 その時、

地響きと共に遠くの方でゴゴゴゴゴ、という音がした。



「なんだ?」



 こんな音、作戦にないぞ。

地響きがここまで伝わってくる。

するとさっき降りていった小人が急いで戻ってきた。



「緊急事態!街の真ん中に大きな壁発生!」



 街の真ん中に壁!?

突撃隊全員で急いでビルの屋上にあがる。


 屋上にあがると風がビューッと体に吹き付けた。

そして奥を見ると、ビルよりも高い壁が街を横に分断するように広がっていた。

その壁の側面は土でできていて、上にはビルなどの建物がある。

まるでこの街を地面ごとそのまま持ち上げたみたいだ。


 その壁のてっぺんには人がいるように見える。

あいつがこの壁の能力者か。



「おい、これが能力かよ・・・」



 突撃隊の1人が呟いた。

目の前の規格外な能力に、ただ絶望を抱くしかなかった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ