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第25話 防衛の意地


C組 防衛 白線前



 防衛は10人程度。

神藤からE9までB組の王様が迫っていると連絡を受け、

全員でE12で待ち構えている。



「もうすぐB組の王様が来るらしい!みんな準備を!」



C組の防衛に指示を出しているのは”煙”の能力者の薄井煙霧。



「よし、やるぞ」



 C組の主力の鳴神と仙撃は王様と護衛。

他に強い能力を持ってる白川たちは陽動隊。

はっきり言って防衛は俺含め、寄せ集めな部分が大きい。

俺の”煙”の能力でどうにか時間を稼げるだろうか。


 不安が大きいが鳴神は「頭を使って勝とう」と言っていた。

一人一人の能力で勝てなくてもみんなの能力を合わせればなんとかなるかもしれない。

なら、俺は王様を信じるだけだ。



「準備できたよ」



 ”音操作”の能力の音無が話しかけてくる。

その時、遠くからこちらに向かってきている人影が見えた。

B組の王様の凶獄たちだ!



「みんな!B組の王様の姿が見えた!作戦通りにやろう!」



 みんなを鼓舞する。

王様の凶獄は護衛を連れてどんどんこちらに向かってきている。

すぐに俺たち防衛とぶつかる。



「よ、よし!俺の番だな!」



 そう前に出たのは”幻像”の能力の虚寺だ。

こいつは幻像だがあらゆるものを作り出せる。


 虚寺が地面に手を当てると地面からムクムクと透明なオーラが出現し、

そのオーラは色がついて形を変え、大きなティラノサウルスになった。

グオオオとティラノサウルスの激しい咆哮が響き渡る。



「どうだ!一見本物のティラノサウルスに見えるだろ!まあ何もできないけどな!」



 そう、このティラノサウルスが相手に噛み付いてもすり抜けるだけだ。

本当に見せかけの幻像。

ティラノサウルスを前にしたB組の護衛たちが迫力に押されて後ずさりをしている。

しかしティラノサウルスは威嚇するだけで噛み付く気配はない。

そろそろバレるか!?



「き、凶獄!どうする!?」



 B組の護衛が王様の凶獄に話しかける。

途端、凶獄が右手を大きく広げて伸ばした。


 すると巨大な黒い鎌が現れた。

鋭く禍々しい鎌だ。

凶獄の体と同じぐらいの大きさ。


 凶獄はその鎌を握り、ティラノサウルスに向かって振った。

瞬く間にティラノサウルスが横に真っ二つになる。

切られたティラノサウルスは地面に落ち、白いオーラになって消えていく。



「ただの見せかけだ」


「な、なんだ!そういうことかよ!」



 バレたか!

まあいい!十分時間は稼げている!


 凶獄が鎌を握って向かってくる。

いよいよ本格的に俺たちC組の防衛と真っ向勝負になる!

次の作戦だ!



 凶獄は休むことなく迫ってくる。

その距離はどんどんと縮まる。

30m、20m、



「今だ!」



 俺が合図した瞬間、

凶獄たちのいる場所に網目のような影ができる。

それは大きな網で凶獄たちに覆いかぶさった。



「や、やった!上手くいった」



 ”網”の能力の生天目が歓喜の声を上げる。

生天目は網を出せる能力の持ち主だ!


 そして間髪入れずに俺が煙を放出する。

これで凶獄たちは網で動きづらい上に煙で何も見えなくなった!



「やった!」「よっしゃ!」



 C組の防衛から喜びの声が漏れる。

よし!これで動きは抑えた!


 そう思った瞬間、煙の中から凶獄が飛び出してきた。

そして勢いよく目の前に現れ、俺の胸ぐらを掴んだ。



「こんなので俺を止められたと思ったか?」



 煙が晴れると、B組の護衛が網に引っかかっている姿が見えた。

どうやら網を出れたのは凶獄だけのようだ。


 胸ぐらを掴んでいる凶獄の手が形を変えていく。

ど、どうなってるんだ!?

そもそも凶獄は何の能力の持ち主なんだ!?


 凶獄の手はみるみるうちに黒く大きく鋭い爪を持った手に変化していく。

ギチギチと腕が軋む音が聞こえる。

これじゃあ人間の頭なんて一瞬で握りつぶせる。

サーッと背中に冷や汗が流れる。



「怖いか?でも本当の恐怖はこれからだ」



 凶獄がそう言った瞬間、俺はその大きく禍々しい手で地面に叩きつけられた。

そしてそのまま俺を地面に引きずり、C組の白線を超えてゴールした。

ピーッとゴールしたことを表す音が鳴り響く。

守りきれなかった・・・


 ゴールした後、

俺にトドメをさすように再度地面に叩きつけられた。


 朦朧とする意識の中、

C組の防衛たちがB組の護衛に押さえつけられている姿が見えた。

だめだ、完敗だ。


 でも十分時間は稼いだ。

俺たちが今いる場所はF12、王様の鳴神がいるのは大体D5ぐらいか。


 凶獄はこのままクールタイムが終わるまで逃げるつもりだろう。

すると凶獄が近づいてきた。

そしてそのまま俺の腹を思いっきり踏みつけた。



「ぐぁ!な、なにしやがる!」


「お前たちの王様の居場所を教えろ」


「そ、そんなの教えないね!」


「そうか、じゃあ地獄を見てもらおうか」



凶獄が呟いた。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



ー 日向くん!1点取られちゃった! ー



神藤さんからの連絡が入る。



ー そっか!でも防衛はよく頑張ってくれた! ー


ー うん!B組の王様と護衛は次に得点できる時間まで逃げるみたい! ー



 クールタイムは3分。

その間は王様は得点できない。



「護衛のみんな!次は俺たちの番だ!こっちも点をとってやろう!」



そう言ってスピードを上げようとした時、



ー 日向くん何かおかしい! ー



神藤さんから焦った連絡が入る。



ー B組の王様たちがそっちに向かってる! ー



なんだって!?


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