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9話 調査団の監視


金色の剣が胸に突き刺され倒れているアヤトの前で、マルファスは魔力を込めてメアに連絡を送った。


「(メア様どうやら行ったようです。)」


「(分かったわ。メフィーに取ってきてもらった分の時空間結晶もあとわずかね……)」


「(そうですか、調査団が来るまでにアヤト様が目覚めなければ全てが……)」


「(信じるわ。アヤトは魔法は使えなくてもあの魔力量とセンスならきっと扱えるはず……)」


「(そうですね……。では私は念の為術式を張って警戒をしておきます。)」


「(頼んだわ。もし調査団が早かった時はメフィから連絡が来ると思うわ。その時はすぐに来て)」


「(分かりました。)」


マルファスはそう言ってメアとの連絡を終えて術式の準備始めた。


「アヤト様、この術式は時空間結晶を利用して歪めた空間を元に戻すもの、修行を終えて戻る時に発動するでしょう。出来るだけ早く頼みます」


勇者ファイムの死は恐らく聖霊都市サイドに連絡が入いるでしょう。となると1週間以内には新たな調査団が来ることは間違いはないはずです。

この30日の修行も貴重な魔力結晶を使ってメア様が時空を歪めているから出来る特殊な方法。

時間内に間に合うかどうかはアヤト様の運しだいですな。

マルファスは祈り願う様に術式を展開した。




「警戒しているな」


「あぁ、数は5人いるはずだが少ないな」


遠く視界に映るのは二人だった。城から遠く離れた大岩の上で男二人が話し合っていた。


1人は教会の神父の使いで魔界に来たオルト。もう一人は金で雇われた傭兵ジョーカーだった。


「なぁオルト、あんた教会の神父にいいように使われてるらしいが何でだ?風の噂では今まで教会とは敵対的だったはずだが」


ジョーカーは少し探るように聞いてきた。

俺は思ってる通りに答えた。


「別に教会を敵対視はしていない、懐疑的なだけだ。軍という力があるのに、わざわざ教会が騎士団なんて持つのはおかしい気がしてな。」


聖霊都市には軍と教会の騎士団、二つの勢力が存在している。

俺は元々軍の方に繋がりがある人間だった。ジョーカーは恐らく俺の事を少し探ったのだろう。勢力が二つあって元軍側が教会側にわざわざ移る理由は何か、そこに疑問が生まれるのは普通か。


「しかし、傭兵がただの平民の動向が気になるのか?」


「気になるっと言っても答えてはくれなさそうだな。まぁいい、それより軍の調査団だけど囮程度にはなるのだろうか……」


ジョーカーはつまらなそうに遠く城内に入っていく二人を眺めていた。


「流石に勇者相手に調査団が持つかどうか、そもそも召喚の書物を書き換えたなら勇者じゃなさそうだが、それに報告書には勇者ファイムと仲間数名が死亡した可能性が高いと書いてある。やったのがソイツだとするなら本物だろうな」


「出来れば対峙したくはないね。ソイツと魔王の娘は特に」


「おい、目的を忘れるな、お前の仕事は魔王の娘メアを攫うことだ。」


「もちろん、報酬が掛かってるからな。やるさ」


ジョーカーは冗談混じりに笑って返す。

そういって二人は調査団がくるまで崖の上で監視を続けていた。


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