Episode 3-1 梅雨 (6月)
しとしとと雨が降る季節、少女は全力でびしょ濡れで外で一人かけっこしていた。
「ふぅー、いい汗かいた、やっぱり雨の中走るのは気持ちいいな」
「汗じゃないし、ずぶ濡れだから、風邪引く前に着替えさせるから、保健室行こ!」
『世話焼き』が無理矢理彼女を引っ張っていく。
当然男子は眼を逸らしている、彼らは思春期なのだ。
ピンク体操着が帰ってきた、借り物万歳!! 彼女の本物の戦闘服はお家で洗濯中だ、サブも含めてな。
そうして、やって来たぜ! 放課後。
「外で遊ぼう、今なら泥だらけさっかーができるぞ、私は泥すらいでぃんぐしてみたい」
(あなたのそれ借り物でしょー? 彼女凄い困った顔してるんだけど)
「あー、雨の中遊ぶのは禁止な、他の生徒が真似して怪我すると困るから、今後は自粛してくれ」
『先生』はいつも教室で魔法少女だ。
「じゃあ、とらんぷかーどぶーめらん、忍者の様にシュシュと連射したい」
「いや、それよりも消しゴム飛ばしだろ、俺最近これに嵌まってるんだ、誰にも負けないぜ! それに、一人遊びは飽きた」
こうして雨の日にやることが決まった!
出でよ! 縦六連式机号!
最奥近くで止まれば勝ちというルールだ。
消しゴムを指で弾く強さ、角度、またはカバーを付けるか否か、コースが長いからたくさんの工夫が必要だ、さぁ、スタート。
『ぬわぁー、俺の消しゴMAXが谷底に…』『私の消しゴン全然進まない…』「痛っ!? 誰だ、消しゴムぶつけたの、許さんぞー」
かなり盛り上がり、最終的に最初に自信満々だった彼に初代『ケゴシム』という称号が送られた。わー、(*’ω’ノノ゛☆パチパチ
彼はこの勝負をしかけた事を深く後悔したのだった…
このあと少女は傘を回転させながらそれに合わせて自分も回転するという遊びをしながら帰って行った、とても危険な行為である、真似をしてはいけない。
To Be Continued
登場人物(あだ名) 『先生』(1/1)
『姫(主人公)』『メガオタ』『読書家』『天使』『UFO』『隠密』『ギャル』『エース』『セッター』『リベロ』『職人』『世話焼き』『ケゴシム』(13/30)
登場人物は徐々に開示されていきます。
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