恋煩いは、つま先立ちしてあなたに見合う私になる!
私が好きになった男性は、職場の上司だった。
彼は49歳、バツイチ。別れた妻との間に25歳の男の子が
一人いるらしい。
私の好きになった上司は? どんな事でも仕事を最後までやり
抜く人で諦めない人。頼れる良き上司なのです。
私の名前は、村上 志乃 24歳。私の職場の上司に恋をしている。
以前、その上司の家に職場の女の子達と一緒に遊びに行った時に
息子さんが、家に遊びに来ていたみたいで1度会っているのだけど?
上司の息子さんも、またイケメンで。どちらかというと私と息子さん
が付き合っている方が、周りの人たちから見てもしっくりくるのかも
しれないとふと、思ってしまった。
・・・現に、上司の家に遊びに行ってから数日後。
私は、上司にこっそり呼ばれて、こう言われる。
『村上! 君は今付き合っている男性とかいるのか?
好きな人とか、もしいるなら仕方が無いんだが、俺の息子がな君の事を
凄く気に入ったらしいんだ! もしよければ? もう1回ぐらいアイツ
と会ってやってくれないか? 親の俺が言うのもなんだが、アイツは
シャイで奥手な奴だから、一途に想ってくれると俺は思うんだがな!
取り合えず、1度だけでいいんだ! ふたりきりで会ってやってくれ!』
『・・・あっ、ははい、』
私の好きな上司に、あんな風に言われて...。
私は、断ることも出来ずに、上司の息子さんと二人きっりで会う事に
なってしまった。
彼は、私より1つ上で背も高くオシャレで爽やかな男性だった。
・・・正直な、私の本音を言えば?
上司の息子さんじゃなく! 私の好きな上司と二人きっりでデートが
したかったと心の中でこっそり想っていた。
『・・・あぁ、ごめんね! 親父が君に無理言って! 君ともう一度逢い
たいって僕から親父に頼んだんだ! どうしても、君に会いたくて。
最初に会った時も思ったけど? やっぱり実物の方が可愛いと僕は思うな!』
『・・・あ、ありがとう。』
彼は、凄くステキな男性だった。
日本人男性には珍しく、レディファーストで私の事を優先して
くれるカッコイイ男性だったの。
・・・でも?
1つ思ったのは? これほどカッコよく女性に優しければ?
彼は、モテると思うのだけど?
それに、何故? 私なのかな?
私は、上司と付き合えないのなら、、、?
上司の息子さんと付き合って、できるだけ近くで上司を見ていたい
とふと考えてしまった。
それほど、私は上司の事が好きなのに、、、。
自分の想いを、上司に直接伝える事が出来ないでいる。
『・・・うーん? どうしたの、志乃ちゃん? ボーっとして
僕の事でも、考えてくれていたら嬉しいのになぁ~』
『・・・ごめんね、違う事考えてたわ!』
『うん? そうだよね! じゃあ~今度はあそこに行こうか!』
『うん!』
私は、やっぱり彼と付き合うのは無理かもとこの時、思ったわ。
彼が傍に居ながら、彼のお父さんの事をずっと考えているんですもの。
私が好きなのは、彼じゃなく彼のお父さんなんだもん!
その事実は、変えられない。
彼には、ちゃんと私の口から断ろうと心に決めて!
彼の家の前で、車が止まる!
『・・・中に少しだけ! 寄って行って行きなよ! 親父もいるからさ~』
『うん!』
私は迷わず、即答で答えた。
家の中に入ると?
彼が言っていた通り私の好きな上司がいて、まるで私たちを待ってて
くれたかのように、お酒と簡単な料理が並んでいた。
『・・・えぇ!? これ? 一人で作ったんですか?』
『以外かな? 俺は一人暮らしが長いから簡単な料理ぐらいは作れる
んだよね! まさか? 俺の部下の女の子に俺の作った料理を食べて
もらうんなんて! 不思議だよ。』
『私もです!』
『じゃあ~ここに志乃ちゃん、座って!』
『うん!』
料理と少しお酒を飲んで酔っ払った私は、つい本音を言ってしまった。
『私が好きなのは? あなたですよ! 私の上司の昇さんです! ずっと
ずっと好きでした。なのに、どうして? あなたの息子さんとデートする
事になったんでしょうねぇ~』
『・・・志乃ちゃん、』
『・・・村上、』
・・・私は、そのまま眠ってしまう。
朝起きると? 上司の部屋のベットで眠っていた。
頭がガンガンする、元々お酒が強くない私が少しの量のお酒を飲んで
酔ってあんな事を言ってしまうなんて!
私は、薄っすらと記憶が残っていた。
そこに、私の好きな上司が入ってきて昨日、私が言った言葉を
聞かされる。私は、顔が真っ赤になり、取り繕ってみたものの。
本音で自分の気持ちを上司に伝えれた事が嬉しかった。
『・・・ごめんな! 俺さ~何にも村上の事、気づいてあげれなくて。』
『別にいいんです。私も言わなかったからいけなかったんです。』
『でも? 俺はもう誰とも結婚しないし! 彼女も作らない事に決めて
んだよ! アイツの為にも、だから、すまん! 村上の期待には応えら
れない!』
『そんな、どうしてもダメですか?』
『・・・すまない、』
『私! 頑張りますから! 努力します!』
『・・・い、いや? そういう事じゃないんだよ。』
『スミマセン、どうしても私! 諦めきれません!』
『・・・村上、』
私は、急いで自分のカバンを手に取って上司の家を出ていった。
上司から、あんな風に言われてもやっぱり諦めきれない。
だって! 私がずっと好きだった人だから!
どんなに背伸びしても、彼に私の事を好きにさせてみせるわ!
最後までお読みいただきありがとうございます。