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  作者: 売れない小説家
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waltz

町の路地裏に血だらけの青年が倒れていた。

明らかに致死量の血液が流れていた。青年はなんとか芋虫のように這いずり回る。

「くそ、俺としたことが油断しちまった」

頭のなかにカマキリ顔のじいさんの詞葉が羅列する。

「おい、蝉 聞こえてるか」

なんとも腹立つ耳障りな言葉である。

青年は死期に近づきすぎたために今世紀最悪期の幻聴を聞かなくてはいけないはめになった。

「うるせえ、黙ってろよ岩西 俺だって仕事こなせるんだよ。プロ意識なんてくそくらえだとわからせてあるよ」

血を地面に乱暴に塗りたくり 必死に立ち上がる。

青年はふらふらしながらネオンの明かりににじむように溶け込んでいく。

青年は携帯電話を受け取り口を開いた。頭がぼうっとしているため会話が成り立つかは微妙なラインである。

岩西の声が聞こえる。

「もしもし、生きてるか」

まるで爬虫類のようなねっとりした声である。

「生きてるよ、軽く刺されちまっただけだ」


岩西はタバコを吸いながら指を机にリズミカルに叩く。

「お前の生き死に興味はないが刺されたのは大問題だよ。わかるか蝉、お前のミスだ。仕事を舐めすぎたんだよ」

「面目ないな」

岩西は舌をならし言った。

「なあ蝉、俺たちならいいコンビになれると思ったんだがな。俺はしばらく身を隠す、お前も身を隠してどうにか生き延びてくれ」


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