grin【動】【にこっと笑う】であいうえお小説別バージョン
同じ英単語ですが、別のお話も浮かんたので書いてみました。
grin【動】【にこっと笑う】であいうえお小説別バージョン
guise【名】【変装】:変装と言っても、今、オレは彼女に女装の為のメイクを施されている。誤解されない様に言っておくが、これはオレの趣味じゃないし、オレにこんな趣味はない。だからと言って、彼女の趣味でもない。これには、理由がある。
「ちょっと動かないでよ」
そういって、彼女はオレにメイクを施す。その表情は真剣そのもの。その表情を見ていると、彼女がしている事を認めてしまいそうになる。だけど、これだけは認めるわけにいかない。認めてしまったら、いつの日かこんなことを彼女が言い出しそうだ。
“女装ででかけよう”
こんな事を言われた日には、オレは全力で拒否らなければならなくなる。できれば、彼女が言う事は拒否したくない。だけど、それだけは、認められない。でも、こんな
risk【名】【危険】:危険、リスクを考えてしまうのは元はといえばオレのせいでもある。だって、彼女と付き合い始めた時の彼女の言葉を聞いて、オレがこんな
idea【名】【提案】:提案をしてしまったからだ。
“じゃあ、オレの顔をメイクで女装っぽくすればいいんじゃないか? それに、メイクの練習にもなる”
今思い出しても、ため息しか出ない。でも、あの時はこういうしかなかった。だって、オレだって彼女の顔を見たかったから。あの時の彼女はオレの顔を見てくれなかった。その理由も可愛くて、男のオレの胸がキュンっとなったのがわかった。
それは、オレだけの秘密にしておきたいからここでは言わないが、とにかくそんなことがあり、こんな事になっている。
(あんなこと言わなければよかった。でも、こうして、彼女の真剣な表情を見られるんだからいいか……)
「口、軽く開けて、口紅塗るから……」
淡々とオレに指示を出してくる彼女。それに大人しく従うオレ。だから、静かなものだ。聞こえる
noise【名】【音】:音はメイク道具をいじる音ぐらい。あとはオレの思考がうるさいぐらいだ。
「できた。まだ、口閉じないでね。あっ、目は閉じててね」
これも、いつもの事。しばらくすると、「お礼」と言ってチョコが口の中に放り込まれた。
「……サンキュー」
これもいつもの流れ。なんだか、つまらない。だから、オレはこんな事を口にしてみた。
「お礼ってこれだけ? 他は?」
そういって、彼女をジトっと見つめると、彼女は小さなため息をついて、オレの望み通りの行動をしてくれた。
「あっ、……口紅」
彼女はそれを拭うためにティッシュを手にとっている所だ。それを見て、オレは頭の片隅で思う。
(逆のシチュエーションがいいんだけど……)
オレは心の中で、小さなため息をついた。
ここまで読んで頂きありがとうございました。