1:尽きぬ蝋燭のように。
第1話。
自己紹介の回です。
ま、まああの声がなんであれ自分がおかれている状況はまずいということはわかる。
───私は落ち着いて、一度周りを見ることにした。
真っ白だ。
どこまでも真っ白な部屋だった。
部屋には同じ色の机、同じ色の小さな本棚。ドア。
自分と同じ状況であろう人たちが3人。
カメラの類がないことから、誘拐はないだろうな。ということがわかった。
「さて...まずは他の人を起こそうかな」
とりあえず私は全員を揺すり起こすことにした。
「で?ここはどこなんだ?」
「それがわからないからこうなっているんだろうに」
「おなかすいたなぁ」
「えぇ...」
頼りなかった。
「と、とりあえずここがどこかは置いておいて、自己紹介しませんか...?」
「まあ、そうだな。名前くらいは知っておいたほうがいいか」
「一理ある」
「りょーかい」
「えっと、私は"辻之宮 ゆうき"です。19歳で大学生です」
「大学生なのか」
「はい?そうですけど?」
「いや、なんだ...身長的に中学生かと」
「怒りますよ?」
「もう怒っているだろう」
「怒ってません!」
「怒ってるねぇ...」
「じゃあ次は俺だな。俺は"星呼 未来"。26で自衛隊に所属してる」
「自衛官だったんですか?」
「おう」
「その頭でよくなれたな」
「なんだとぉ?」
「ケンカはだめだよぉ」
「...私は"白鳥 岬"。23で医者だ」
「お医者さんですか...ケガをしても安心ですね」
「払えるのか?」
「金を取るのか!?」
「もちろんだが?」
「この状況では払えないかなぁ」
「ぼくが最後かぁ。えっと、"巣鴨 新"ですぅ。17歳で高校生です」
「のんびりしてるねぇ」
「マイペースってよく言われますぅ」
「のんびりしすぎもどうかと思うがな」
「そうですかねぇ」
「俺はたまにはいいと思うがなぁ」
「とりあえず自己紹介は終わりですね」
「そうだな」
「次は何をするべきかだな」
「あ、じゃあぼくはせっかく机があるので見てきますぅ」
「なら俺は本棚に」
「私は部屋に異常がないか見てくるとしよう」
「じゃあ私は一緒に机かな」
「では各自行動開始だ」
誤字報告、感想等募集中です。
気軽にどうぞ。