表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ビーティングビット  作者: Wolfぽん
1/3

プロローグ

週一投稿でいきたいと思います。

よろしくお願いします。

プロローグ


人に将来の夢はなんですか、と聞いて帰ってくる答えは、なんだろうか。

僕の将来の夢は、言うまでもない。

死ぬことだ。

人間の目的、最終的なゴールは死。この事実はいくら倫理観を超越しようとも覆すことのできないトゥルーだ。


だが、それも終わりを迎えようとしていた。


数年前に起こったある一連の事件。これが全てのことの元凶である。

僕の考えを少しだけ話すと、なんだって今回の件には国が関わっていることがまず間違いなかった。

その根拠は、きちんとある。だが、その根拠を証明するためのまた根拠が確信に迫るほどのものではなくて困っているのだった。


……少々ややこしいが。


今年、地球は西暦年で数えて4700年を迎える。

ちまたではあと20年の期間をもって、ポアンカレ予想における宇宙構造モデルの変動が起こるらしい。これには僕も驚いた。

素晴らしいロマンを感じずにはいられない。なんといっても、宇宙の形が変わるのだ。


偶然にも、この貴重な体験をすることが可能な時代に生まれてこられたことは、それだけで幸せなことだった。

あと、20年。


その日、その時まで、僕らの地球は、ユラユラと太陽系を回り続ける。環境の枯渇にも耐え抜き、極度の温度変化にもうまく適応してこられた、僕ら人類ならば。


そう、人類ならば。なんでもできないことはなかった。

あの事件を境に、人間の寿命はポーンと跳ね上がり、一気に人口爆発のフレアを引き起こしたのだ。


これは通称「ビーティングビットフレア」と呼ばれる、社会現象の一つとして大きく地球史に名を残すこととになった。


我が国ジャポンアイランドは、2000年前の国連による一括政策によって、国名を「日本」から横文字のジャポンアイランドに変更した。これは世界から漢字などの文字、言語などの文化をなるべく減らしていき、より簡易的な世界システムを実現しようという国連の意向の一つだった。

ここから時代は激動の嵐を巻き起こす。

様々な組織団体とが国境を超えて争い合い、文化的な面での戦争が勃発する。

これが俗にいう第三次世界大戦だ。これまでの一次や二次と異なる点と言えば、戦火を交えながらの死闘というよりは、ある意味世界を舞台とした超大スケールの裁判が行われた、ということ。

悔しくもここで敗れてしまった日本は、様々な権利を他国に放棄し、文化的支配の渦に埋もれていくことになった。


だが、その代わりに発展していった事業が存在する。

それは文化と対をなすサイエンスだ。

科学や物理、そのほとんどで世界の最先端を突っ走っていった。その応用は、自国を豊かにしていくのに直接役に立っていくことになった。

例えば、瞬間時空転移装置を初めて開発成功させたのも日本。これは一瞬で月や火星までの移動を可能にした。今ではコロニーとして次世代の居住区をこの2つの星に開拓されているところである。


まあ、例を挙げればキリがないのでやめておくが、ほんとうに日本はある意味で世界のトップに君臨することになった。その影響は大きく、政府の活動にも徐々に活気が現れてくる。

それが今から約1000年ほど前のこと。


現実はそんなに甘くはないもので、ついに太陽の膨張が無視できない程まで膨れ上がり、とうとう人類という一種の生物に、生態系の遺伝子変移が現れ出した。これにより、長い年月をかけ、ヒト種から様々な新種族が誕生していく。


現在ジャポンアイランド国内は、多種多様な生物種で溢れかえっている。

強力な紫外線に耐えうるために、皮膚の大部分が獣のようなもので覆われるようになった「プロト種」。

太陽の熱による水の干上がりを抑えるため、金属成分を豊富に含むようになった海水にも適応できるよう進化した「ベータ種」。

はたまた、見かけはただの人間と変わらなくとも、平均寿命と子孫繁栄能力が急激に上昇した「アルファ種」。

この他にも更に多くのヒト種が存在する。


その混沌とした、まるで神話のような世界で。


僕、アラスマ アラタは、今日も普通に学生をしている。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ