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僕自身の罪
ーーー目を開くと僕は独りだった。
あれはいつの事だったか…
肌の焼けるような日差しの強い夏、凍てつくような風の吹く冬、仄かに暖かい空を頰杖つきながら仰いでいた春…
いろんな記憶の中であの日のことを思い出そうとしても、頭の奥に靄がかかるように何かが邪魔をする。
忘れてはいけないはずの記憶、忘れたくない記憶。
そんな記憶の中で唯一断片的に覚えていたのは、大好きだったあの人…今はもう名前すら忘れてしまった人、ずっとそばに居たかった人、、、その身体を無残にも貫いて深く地面に突き刺さった鉄骨……骸となったあの人の身体。
唯一記憶の中で覚えていたのが何故それだけだったのかーーーー。
これはきっと僕が僕自身に対する無秩序な罪だ。
許しを乞うことも許されない僕自身の罪。
それは愚かだった僕自身の成れの果ての結果だろう。
ーーー続ーーーー