南浦会談
満州共和国南浦
柊昇一が大統領に返り咲く前までいた
民間警備会社海上警備部門の拠点である
その一角に、柊の個人のプライベート別邸がある
「ようこそ、ジョーカー大統領、プライベートハウスへ」
「柊、まさかこの様な家を持っていたとは」
「休みや親友が泊まりたいと事前に連絡があれば、ここで休んでますよ」
「そうなのか、うちのビルとは」
「大違いですよね、こんな小さな犬小屋みたいなもので」
「あっ、いや」
「かまいませんよ、別に、日本をバカにしなければいいだけなので」
「しかしだね、日本は常に経済成長を」
「ジョーカー大統領、気づいていないのですか」
柊は、ジョーカー大統領に怖い声で言った
「どう言うことだ」
「2011年3月11日の震災で、日本は大打撃を受けたのを忘れられたのですか」
「しかそ、傷跡は癒えているのでは」
「多くの外国の投資家が早とちりか日本に嫌がらせしたのかわかりませんが、震災の後、普通なら円安になって対外日本資産は日本円で高くついて復興計画に使えるはずが、円高になってしまって、お金が少なくなってしまって、復興予算が確保できなかったために経済は厳しく、少子高齢化で社会医療が厳しくなっていて、在日米軍基地の駐屯費用割合も他国と比べて結構高いんですよ」
「しかし、今の対米貿易はインドと日本が1,2位を争っているんだぞ、しかも為替操作をしやがって」
ps この世界の中国はカオス状態のため
「でも、割合で見ると、30年前と比べると、7割から3割程度に下がっているんですよ、プラザとか何やらしでかしたから、それに日本自体は、金利政策以外だと為替操作をしていませんし」
「しかし、日本の豊畑とかは、我が国に大量の車を」
「確かに売ってましたけど、大分アメリカに製造拠点を」
「だが、メキシコに部品工場を」
「ですね、アメリカがメキシコからの輸入品の関税を上げると言ったら日本の多くの自動車業界が嘆いていましたよ」
「嘆くなら、アメリカに工場を造れ」
「その分コストがかかるからだと思いますけどね」
「貴様何様のつもりだ」
「昨年11月のある国の国家元首選出選挙で当選した人に満州共和国の大統領に復帰しろと言われて、今年三月に満州共和国大統領に復帰した柊昇一ですが何か」
柊は冷たい声で言ってやった
「流石、資本主義と社会主義を巧みに使いぬいた男だな」
ジョーカーは苦笑いした
「そろそろ、日本の話はおいておいて、我が国を含めた大陸情勢について話し合いましょう」
「そうだな」
二人は、中華人民共和国、ロシア連邦、インド、中東の件で話し合った
話は、長時間におよび
一時はジョーカーのシークレットサービスがノックして状況を定期的に確認するほどだった
「それにしても、柊」
「何だね」
「さっきから、貴方はフライドポテトかドライベジタブルしか食べていないようだが」
「あまり、肉は食べる気がしないんだ」
「そうか」
そう話し合ううちに、
ジョーカーも少し丸くなった
「とりあえず、入国規制の期間延長の見直しも考えてみるか」
「ええ、とりあえずそうした方がいいかと」
「但し、税関の規制を厳しくするがな」
(本末転倒だがしょうがないな)
「柊、本音を言っていいか」
「何でしょうか」
「中華人民共和国が倒したら、新世界通貨の設定準備に入らないか」
「新世界通貨ですか」
「これ以上、米ドルが中心だと困る、それよりなら」
「世界銀行発行の新通貨を国際通貨としたいと」
柊は、色々とジョーカーの心が読めてきた
だが、幾つかは行きすぎていた
為替を自国経済再建に優先しようとしていること
無論、日本も震災直後一時的に円高から円安にするために為替操作をしたのもやりすぎだが
「ああ、アメリカは第二次世界大戦で活躍しすぎた」
そして少しの間が空き
ジョーカーは、柊にあることを持ち出してきた
「柊、旧高麗民国時代に日本と問題があった、慰安婦問題はどうなった」
「………少女像設置は高等裁判所に申告して許可がとれない場合は、社会秩序破壊防止法で撤去させてますよ、設置する団体には、三回も違法設置する場合は、逮捕としていますが、団体名を変えたり、高等裁判所に大量の書類を持ち込んだり、嫌がらせ行為ですよ」
「まるで、こっちの入国規制と同じだな」
二人は大爆笑し
会談は終わった
続く