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目的探しの玄人学生  作者: 黒猫侍
2/2

大人びた高校生-1-

「いらっしゃいませ」


ある日のこと。いつものようにバイトのひと時を過ごしている私の前に3人の高校生が現れた。


彼らは街の界隈で知らない人があまりいないくらいとあることで有名な高校生達だった。


ちなみに私は彼らの噂は聞いたことがあったが、実際に出会ったのはこれが初めてだ。


学ランの上にバンカラマントを羽織った3人組。靴はそれぞれ思い思いの有名メーカー製


ランニングシューズを履いている。


棚の前であれこれと打ち合わせをした後彼らは


ゴミ袋と手袋を買っていった。


彼らが帰った後。私はちょうどバイトの勤務時間が終わりとなったので倉庫に下がり


エプロンを外してカバンに入れていたパーカーを取り出し羽織って倉庫から出る。


「お疲れ様です」


小声でささやき軽く店長に会釈したあとお客様と同じ正面入り口からおいとました。


軒に並ぶショップを通り過ぎて駅に繋がるスロープに差し掛かったその時。


私は件の3人組を見つけてしまった。


「いつもありがとうね。君たちのおかげで街の風紀がよくなってきているよ」


「いえ。一市民として当然のことをしているまでですよ」


3人組の1人がささやくような声でそっと返答し塵取りやゴミ取りトングそして竹ぼうきを受け取り


商業ビルを後にする。


別段意味はないが見学程度に興味半分に私は彼らの後をつけることにした。


----


彼らは手始めに駅前のロータリーにてパトロールもとい清掃活動を始めだした。


シュッとしたイメージのクールで真面目な学生の彼らに道行く人たちの反応は様々だった。


ある人は噂に名高い彼らを有名人でも見かけたようなあっとした顔をした。


またある人は若いのに社会貢献に熱心な彼らに尊敬の念を抱いていた。


世間一般的には高校生が三人集まれば必ず談笑や遊びで盛り上がるのが通常だと思われるけど。


彼らに関してはもはや公務員の様な淡々とした冷静沈着さしか感じられなかった。


私語もなくただただ掃き掃除・ゴミ拾いを行っていく。


私はこそこそと建物や物陰・そして彼らにより接近する為彼らが清掃している付近にあるベンチに


わざとらしくスマホ片手に腰を降ろしてメールのやり取りをしているかの様な雰囲気を出しながら


ちらちらと彼らを見学もとい尾行していることが悟られないように自然に振る舞っている。


ちなみに私はメールをしているのではなく付箋型テキストアプリを起動させて彼ら一人一人の細かな


行動やわずかな言動を見聞きして箇条書きに入力している。


何のためなのか。それは私にもわからない。ただただ彼らが私にとって興味深かった。ただそれだけだ。


時折、黙々と清掃活動をしているそんな彼らに話しかける人々もちらほら出始めていた。


「よかったらこれ受け取ってくれ」


「いえいえ。お気遣いなく。僕らはただ自分たちにできることしかやっていないので」


「まぁ。そう言わずに。今度ちょっとした地域イベントをしようと思っているんだが。年々マンネリ化


が進んでいてね。よかったらなんだが運営の手伝いをお願いしたいと思っていてね。これはそのお願い


の手付だと思ってくれよ」


「それは有難いお話ですね。せっかくなので好意を受け取らせていただきますね」


3人組の真ん中の少年が差し出された3本の缶コーヒーを受け取り左右のメンバーに手渡した。


3人はそれぞれ声を揃えて「頂きます」と言い深々と会釈した。


----

その後も彼らは市内巡回を続けて言った。


夕日が沈みそうになった頃。


3人はそれぞれに山盛りになったゴミ袋をまるでサンタクロースのプレゼントの様に肩にかついで


駅近のロータリーにたどりついた。


そんな彼らの耳にふと人の声が聞こえてきた。


「誰か。助けてくれー」


3人はその声を聞きつけるや否やどこから声が聞こえているのか。


まるで映画に出てくるSPの様な俊敏な動きで索敵ならぬ索人を始めた。


間もなく一人が駅の近くにある大きな公園の広場の方を指さし「あそこだ」


とささやいた。


広場に向かって陸上選手顔負けの脚力で走り去っていく彼ら。


私は駅付近の駐輪場に向かってそそくさと向かい停めておいた自転車に乗って遅ればせながら彼らの後を


追った。


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