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REAL WITCH ~EXODUS~  作者: 山極由磨
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衝撃の展開です

ご注意を。

今度慧の脳裏に流れ込んできたのは虎鉄の断末魔、思念の先を辿って目をやると、三本の爆炎がグランドゴルフ場を照らす。

 周囲には弾頭を発射し終えたRPG-7を担う白丁の仮面たち。


 屋上の淵まで歩みを進め、手すりに手をかける慧。スマホにベリスのペンタクル呼び出すと、手すりは見る見るうちに姿を変え、一振りの巨大な戦斧に変化した。

 星明りに煌めく鋭利な刃を一振るいし、手ごたえを確かめると、柳瀬に向き直り。


「ゴメン、油断してた。今から使い魔たちとあなたのキメラの敵を討ちに行ってくる。あなたは大浴場に姿を隠していて!」


 言い放つなり全力で駆け出し、屋上から地上めがけて飛び降りる。


 


 猛烈なスピードでホテルからグランドゴルフ場へ突入する慧。

 そこにはバオガイとダーハイズに止めをさす白丁仮面達。

 突如現れた新たな敵にカラシニコフを向けるが、引き金を引く前に戦斧の一撃を喰らう。笑い顔の仮面が土台の頭ごと宙を舞う。

 別の一人が銃口を慧にむけ引き金を絞る。

 しかしその場に彼女は居らず、いつの間にか傍らまで接近していた的から重い刃の一撃。わき腹を描き捌かれ腸と鮮血を芝生にバラ撒く。

 背後に迫る白丁仮面の存在に気が付いた慧。しかも眼前にもカラシニコフを構える白丁仮面。

 エンジニアリングブーツの踵で足元の小石を後ろ向きに蹴り上げつつ、前方へ突進する。

 蹴られた石は、物理的衝撃を撥ね退けるハルファスのペンタクルが持つ効能により、強烈な加速度を加えられ、慧の背後に居た白丁仮面の眉間を砕く。

 一瞬で前方の白丁仮面の胸元に飛び込んだ慧、戦斧の柄の石突で相手の鳩尾に一撃を加え、のけぞった所で喉元に刃を叩きこむ。

 白い仮面が夜空に飛ぶ。


 目の前の敵を薙ぎ払った後、返り血が目に飛び込んでぼやけた視界には、松林から沁み出す様に現れる白丁仮面の集団が移りこむ。

 姿勢を落とし、戦斧で周囲の芝を刈りと取ると、ザガンのペンタクルで芝の細胞内のセルロースを硬化。次にクローセルのペンタクルで内部の水分を爆発的に沸騰させ、推進力に変える。

 ダーツの様になった芝の葉が、白丁仮面の群れに殺到する。

 仮面を、衣服を、皮膚を貫いた芝の葉は、その細胞壁のセルロースを今度は的の体内の硝酸と瞬時に反応させ綿火薬に変貌させる。

 血肉を爆音とともに飛び散らせ四散する白丁仮面達。

 しかし、次から次へと林の中から彼らは現れ、一斉にカラシニコフを構え7.62ミリ弾を放つ。

 ハルファスのペンタクルをスマホに呼び出し、鉛の嵐をしのぐ慧。

 が、うちの一発が手元のスマホを指ごと砕いた。


 砕け散り鮮血がほとばしる右手を残った手で握りしめ、止血しながらその場を駆け出す慧。

 右の腿、左の肩、容赦なく飛来する銃弾は彼女の体に次々とめり込んでいく。

 腰の脊椎を砕く一発が、彼女を前のめりに吹き飛ばす。

 地面に叩きつけられてもなお、左腕を伸ばし芝を掴んで自由の利かなくなった体を引きずる様に前進する。

 

 その手を、何者かが踏みつけた。

 真っ赤なピンヒールが慧の手の甲を刺し貫く。

 痛みに顔を歪めながらも脚の主を見上げる。

 真っ赤な唇と髪、えらの張った輪郭。

 女は愉快気に笑い。


「こんばんわ、武本慧。私の名は座間沙羅沙」


 手から足をあげたと思うと、今度は慧の後頭部を思い切り踏みつける。そして座間は。


「楽しんでもらえたかしら?お嬢ちゃん、私一流の幻術を?『新世界の魔女』に失礼があっちゃ困ると思って趣向を凝らしてみたのだけれど・・・・・・」


 そこで言葉を切り、渾身の力を込めて慧の頭を踏みつけ。


「調子こいてる割には大したことないじゃない!ねぇ!アナタ、どこからどこまでが現実でどこからどこまでが幻想か理解できてる?出来ないでしょ?出来る訳ないわよねぇ!」


 無反応な慧に飽きたのか、座間は足を引っ込めその場を離れる。

 周囲にいる白丁仮面に目配せを送ると、彼らはゆっくり進み出て伏臥する慧にカラシニコフの銃口を向けた。


「あの武本東洋の娘も、所詮は小娘だったって事よね、相手が悪かったわ。ま、精々あの世で反省する事ね」


 白丁仮面らが同時に引き金を引き、一斉に銃弾が体に叩きこまれる。

 音速の鉛の豪雨が少女の体を容赦なく叩き壊す。

 座間は鳴り響く銃声に負けない高笑いを夜空に放つ。

次回、さらに衝撃が続きます

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