奇跡の少女
「……あの子に許可を貰って身体を検査してみたが異常だね」
アーケードは眉間に皺をよせながら呟く。
「……本来あるはずの通常の魔力回路が倍あんだろ?」
「……ギレムあんた、気づいてたのか?」
「ああ、ありゃ特異種族特有の魔力回路だ、あの小さい体に巨大な魔力炉を搭載してるもんだ、そりゃ安定のために他のとこからエネルギーを取るにきまるわな」
「……一応能力の制御措置は施した、彼女は恐らくネオだな」
「……じゃあどうするかね、ミレニアは少なくとも今は動けん」
雪人の言葉に太一は告げる。
「俺が行こう、先生、ギレムさんはじいさんとミレニアとあの子を頼む、こちらからはロクスウェルとバルバトイを連れていく」
「妥当な連れだな、大地のスペシャリストと風のスペシャリスト、ついでに叩き潰してこい、面倒だ、そうすれば奴らも話を聞く気になるだろう」
「了解」
太一はそういうと同時に姿を消した。
「……やれやれ、ミラージュさん、僕に何か御用かな?」
「あら?貴方は私に近い思想の持ち主だとおもうけど?」
目の前の異形の同胞を見ながら矢崎はやれやれとため息をつく。
「そんなに貴女は自分の研究が大事?いつか死ぬよ?」
「こんな楽しい研究やめられないじゃない」
「……最古の女神の復活をさせるなんてね」
矢崎はやれやれと艶めいた微笑みをミラージュに向けた。




