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龍の翁オウケン
「ふむ、随分と栄えた町だな」
中華服をきたスキンヘッドに顎鬚を蓄えたどこか格闘家風の穏やかな老人はにこやかに共和国内を歩く。
「昔は大分治安の悪い国という印象だったが、風の噂通りらしい」
肩をまわしながら老人はにこやかに歩く。
「さてと可愛い孫の顔でも見にいくかの、その前に蕎麦でも啜るとするか、ウラノスの店に聞いたら本家はこちらのようだしな」
そういうと老人はのんびりと街中を歩く。
「……なんだか妙な予感がするな」
「アギエルさん、何がっす?」
ネクサスの言葉に首を振り
「この懐かしいなんか意味がわからんそんな感じだ」
「客待たせるなよー、アギエル」
雪人は味を確かめながらアギエルに声をかける。
「すいません、主……!?」
「こりゃびっくりだ、噂の蕎麦屋にきたら孫がいるとはな」
目の前に現れたスキンヘッドの老人はにこやかにほほ笑む。
「オ、オウケンじいさん!?」
アギエルは驚愕に顔をゆがませる。




