愛故に罪を犯す。
「マリス……会いたかった」
「アルス……来ないで!!私はもう貴方に会えないわ」
「知ってるよ、今雪人さんから情報をもらった」
いつの間にか雪人はアルスに光の球を渡している。
「情報の魔術結晶……!?」
「嬢ちゃん、あんたは引いちゃいけねえ、愛した男のために罪を犯したならな」
「……そんで太一さんは皆が出来ない事をしているんだろ?」
ネクサスの言葉に太一は煙草に火をつけると
「……出来うる限りの蘇生と罪の免罪の申請、骨が折れた」
「……どんだけ神に伝手があるんですか」
「……まあそれなりに?」
二人の言葉を横目に雪人は黙って傍を離れると
「嬢ちゃんあんたの罪は免罪されてる、後はどうにかすればいい、ルイゼさん、あんたはどうせこっちに来るんだろ?」
「そうだな、ここまで来たならば国は破壊せねばならんし、マリス、お前は愛しい男と共に大地へと戻れ、魂の残滓でしかないだろう?他の研究員は」
「……ええ、彼女達は生命の残りカスで生きる哀れな生命」
「……話は後にしよう、マイクを連れて消えるぞ」
天上国の爆発音と共に太一が告げた。
「君がどんな罪を持とうとも僕をよみがえらせるために行おうとしたなら共に罪滅ぼしをしよう」
「清廉な貴方の傍にいてもいいの?」
アルスは静かに抱きしめながら頷いた。
「ちょっ!!なんで爆発してんの!!」
国が崩落する5分前に救出されたマークは生きた心地がしなかったらしい。




