少年達の大暴れ。
「撹乱するっていってもどうあっても見つかっちゃうみたいだね、索敵魔法かな?」
目の前の白い鎧を着たフルフェイスの女性騎士を見ながらマークはふうとため息をつく。
「本当はばあちゃんにはなるべく使うなって言われてるんだけど、木刀しかないし」
マークの身体が紫色に発光する。
「……[罪]の力使わせてもらうよ」
そう言った瞬間、白騎士達の防具がはじけ飛んだ!!
「さてと、こいつあ面倒だな」
目の前には管につながれ生命と思われるエネルギーを吸いとれらている男達、眠らされている男達は夜伽用の男達だろう、地下の研究所をみるなりネクサスはふうとため息をつく。
「構造を見る限り、ここにボスっぽいのが来るのは一時間弱、転移させて親方に増援も頼んで、まあいけるか」
そう言うと同時にネクサスは作業を開始した。
「よし、色々はしょったがここの男共は転移させた、なんでパンツ一丁の男を見なきゃいけないんだか……そうおもわねえ?おねえさん」
「嫌な少年ね、折角の生命エネルギーの研究が半端に終わったわ、まあいいわ、賢い少年は嫌いじゃないし、実験に付き合って下さる?」
優雅な笑みの黒髪に金色の瞳の白衣をきた女性はネクサスを見る。
「……冗談じゃないね、この国の内側を見たらまともな神経を持つ奴ならばいないさ、人体実験が主に自分達の不死性を保っている、しかも自分達の恩恵だけのために、技術ってのは周りに提供するから成長するもんだぜ?」
「私達の考えを理解してもらおうとは思わないよ、全てを産むのは女、それを支えるのは男、何が悪い?」
「両側面を支え合うからこそ男女だと思うがね、少なくとも俺の師匠はそれを実践してる人だよ」
そう言うとネクサスは肩を竦める。
「さて相棒が無茶な力を使ってるんでね、俺もすぐにでも追いつかせてもらうぜ」
拳を構え雷鳴がネクサスの身体を突き抜ける。
「やれやれ」
追手の全てを倒したあとにマークは静かにため息をつく。
「……堕ちた力は使い勝手がわるいな」
そう言うと同時に無力化した街中を歩きだす。
「嘘でしょ?」
最新鋭の機械兵器群を眼にも止まらぬ速さで破壊し目の前に降り立つ少年に目の前の女性は愕然とした。
「はっはっ実に愉快な事だな、マリスよ、その名の通り悪意は朽ちたようだな」
「……センセイ、久しぶり、相変わらず愉快そうだ」
「……ふむ、私には数日だが、君とは10年程の年月を経ていたのだな、久しぶりだ」
ルイゼはにこやかにネクサスに声をかけ、マリスを見るとやれやれと肩を竦める。
「何故、貴女が!?幽閉したのに!!」
「あの程度の拘束で私を繋げられるとは思うな、マリス、世界を見ずに進化したものの力などさして脅威なこともない、お前の野望は今潰えたのだ、それほどまでにお前の奪われた愛しき男が憎いか」
「……!?」
「愛した男がお前の為にその生命を投げ捨てたのが憎らしく、清廉な彼を取り戻すために男、特に罪人の魂をかき集めたのは禁忌の呪法をためすためだな。女性至上を隠れ蓑として……だがその呪法はお前に呪いを残すぞ?」
「……それでも、私は……!!」
「あ、それ多分、うちの師匠と孫の太一さんが出来るわ」
空気が一瞬の内に死んだ。




