天空での争乱
「やあ、君はあれだな、まっすぐな瞳をしている」
とあるスラム街幼い少年は白衣をきた一人の眼鏡の女性に会う。
「……ふむ、この時代の調査もしたいし、そうだ、君は勉強が好きかね?」
少年はにこやかに頷く。
「それはいい、ではお姉さんが君に学術を教えよう、その代わり宿を提供してくれるかね」
私はセンセイとでもよんでくれたまえと言った女性をその当時の少年ネクサスは何の疑いもなく受け入れていた。
「間違いねえ、センセイが絡んでやがる」
追手をかわしながら盗んだバイク系統の乗り物を乗り回しながらネクサスは頭を抱える。後ろの追手に奪った拳銃で牽制しながらマイクは声をかける!!
「センセイって誰さ!!」
「俺に学術全般を教えた女がいんだよ!ちくしょう!![これは画期的だ]とかいってたのはそのせいか!通りで昔流行ったアップリケとか持ってたとおもってたよ!」
「アップリケの時点で気付こうよ!!」
「当時7歳の俺に無茶いうなあ!!」
「ふむ、騒がしくなってきたようだね、実に彼との生活は刺激的で愉快であった、弟というものはああいうものなのかもしれないと思ったものだよ、娘は弟にあげるのが一番良い、さて愛しい弟に会いにいくとしようか、軟禁も飽きるというものだ」
眼鏡の女性……天上国ヴァルキリアの筆頭賢者の一人、ルイゼは牢屋を破壊すると同時にスペアの眼鏡をかけ直した。
「やれやれ、常に能力の更新は必須だというのに、これは皆には罰が必要かな?」
ルイゼはそう言いながら襲いかかる看守の女性達の群れを指先一つで吹き飛ばす。
「可愛い少年からカッコいい男子になっているだろうねえ、ネクサス君は」
「……てかさ、俺らこの天上国送られたけど何したらいいんじゃらほい?」
「まあ雪人さんの事だから、とりあえず殴ってあぶりだせじゃないの?ほら女の人しかいないって変じゃない?」
「しかも、老人や子供はいないときてる」
ネクサスとマークはバイクもどきから飛び降りると研究所っぽい場所へと走り込む。
「……マーク、お前の属性は水と火だよな?」
「うん、そうだね、ネクサスは雷と光だろ?」
「OK、それだけわかれば十分だ、これから俺はこの国の情報をハックする、多分そこらで警報系等が鳴る仕組みになってんだろ、撹乱頼むわ」
「うあーすげえ大雑把、でも了解、伊達に鍛えられてないしね」
「とりあえずあそこの一番デカイ塔で集合な」
窓から見える白い塔を指差すとマイクは頷きその場から外れる。
「さてと、太一さん仕込みのハッキングの腕を見せますか」
ネクサスのネット系の技術は太一からの受け売りで、それを更に進化させた技法が[ライジング]……直接雷の魔術と光の粒子の魔術を重ねがけし、直接コードから情報をダイレクトに抜き取るネクサスの特殊スキルである。
「……手くせがわりいのがここでも出るなんてね、大分旧式だな、機械のプロトタイプっぽい……うあー女性至上主義とか男子家畜とかマジやばくね?んで、あの子の名前はルネ、制作者はルイゼ、マジセンセイじゃねえの」
ネクサスはため息をつくと同時にこの国の目的を知るや否や行動を開始することにした。




