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とある異世界にて狩人は笑う  作者: 作者不明
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アザゼルと太一。(前篇)




「よろしくお願いします」




消え入りそうな顔で目の前の司書服の女性は縮こまる。

彼女の名はアザゼル……シムナーク世界での知識を司る神でリンネの直属の部下である。




「リンネから有能な部下と聞いているよ、よろしく」



「はいい」




ちなみにこのアザゼル……美女の類ではあるのだが、所謂知識オタクという奴で現実の男性に対しての免疫は皆無に等しい。それというのも産まれた時から知識収集に精を出し、男を知る前に男の事を知識で知ってしまったが故に恐れを抱いているといってもいい。それも大分コアな鬼畜な分類の知識をはじめに手に入れてしまったので、普通の男性の知識を入れたあともどことなく恐怖心が拭えないでいるのだ。だが上司であるリンネは姉のように慕っているため、上司には想い人と結ばれてほしいが故にこの太一とのデートを希望したのだ。勿論太一も事前にリンネに事情を聞いてあるのである程度プランは立てている。



「……事情は知っている、恐ろしいなら離れてても構わない」



「……はい」



「無理に慣れろともいわない、とりあえず君が好きそうな所にいこう」



「す、すいません」



太一の微笑みににこりと微笑み返す。







「……すごい」



「じいさんの趣味でいつの間にか世界中の蔵書がはいるような図書館になってしまった」




共和国大図書館。




知識の増強を目的と立てられた図書館の一つで、読書が趣味な雪人とマルコキアスの企ても多く含まれてはいるが、世界中から集められた本はこの世界の知識の半分を有していると思っても過言ではない。禁書の類も保管されているが、ギルドランクオーバークラスでないと閲覧はできない。





「ここなら静かにデートできるだろ、珈琲は無料で飲める、ゆっくりのもう」



「あ、ありがとうございます」



太一の気配りに思わず笑みをこぼす。





魔術書エリア。




「………(すごい、神界でも滅多にみないホムンクルスと作成の優位性の書)」



アザゼルは眼を輝かせながら神界でもあまりみない本を好きにとり机の方に向かっていく。




「とても多く持ってきたね、はい珈琲」



「ありがとうございます、太一さんは珍しいですね」



「ああ、錬金術の本か、なかなか居ないからね、最近ではこの技能を持つ人は、魔導具の方がメジャーだから、だが意外と便利なんだけどね、魔力使わないし」



太一はそういうと珈琲を啜りながら本を読み始めた、アザゼルも静かに読み更ける。










「……3時間も経過したのか」



「至福でした」




アザゼルはいつの間にか警戒を解きにこにこと笑っている。




「ではもっと楽しい場所へとご案内しよう」



太一はそう言うとにこりと微笑む。

本を元の位置に戻すとアザゼルの肩を叩き転移をした。


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