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とある異世界にて狩人は笑う  作者: 作者不明
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火のラギエル。



今日は珍しくアギエルとラグナは二人きりでテレビを見ていた。朝の家事を終え自宅のソファーで寛ぎながら珈琲を啜りながらニュースを見ている。




「最近はこうやって様々な情報がわかるからよいな」



「ああ、紛争地域の被害状況もわかるし、何より世界の危機もわかりやすくなったから、安心材料は増えた事だろう」





事実、情報伝達力の発達により今まで明るみにでなかった犯罪や国家の暗部というものが晒され解決されやすくなっている。またコメディ等人々の娯楽を満たし楽しめる要素も増えてきた。勿論まだ格差もありそういった高額な家電が手に入らない場所では村や町ぐるみで購入し公共施設等で見る事が多くある。





「……問題も出てきたがな」



「……身内話ね」




連日ニュースを賑わすのは海賊……[火龍の鉤爪]……この海賊は所謂義賊という奴で悪党達からしか金品を強奪せず、ある時は小国を救い、ある時は国家事件も解決する事から、ある意味英雄視されている。最近発見され[鉄]の技術を復活させた冒険者に飛空挺を作らせ空を駆る空賊にもクラスチェンジした。頭は女海賊火のラギエル……名の通り七天龍が内、火を司る龍王、火のラギエルである。家族序列は長女であり極度のブラコンとシスコン、先日久々に会ったと思ったらばそれはひどかった。




「ふはは!!皆のもの私は帰ってきたぞ!!」



燃えるような紅い髪にサイリスやロクスウェルをも越える巨乳、アギエルと同じ身長に、海賊の船長服を纏った長身の美女、彼女の名は火のラギエル、長女にして強大な火を司る龍王。




「マジギブ、寝起きなんだけど、ラギエル姉」




「ふははは!!そういうな!バルバトイ!!弟エキスが足りてないのだ!!」




「……ちょっと昨日夜ふかしでメールしてたんだからねさせてよ」




「そういうな!ラクシャーナ!!妹エキスが足りてないのだ!!」





「……ラギエル姉、まだ午前5時でござるよ」




「ロクスウェル、この迸る愛故に許せ!!ふははは!!」




「……彼氏と電話してたのに」




「それはすまぬな、サイリス!!ふはは!!」




「……ニコも起きてしまった、しかしいきなりだな」



「アギエルも息災だな!!なんだその可愛らしい生き物は!!」




「……一応義妹か」




「うむ!!神妹か!!それはそれでよし!!」




ニコはよくわからないままラギエルに抱えられこねくりまわされた。





「あの後、すごかったね」




「まあな」



ひとしきり抱きしめられたあと、起きてきたラグナを見るなりまた顔をほころばせ




「おお!!君がうちの弟の嫁か!!」




どこでそんな情報を知ったのかしらないが再びラグナを抱きしめ、ニコを愛でると同時に、久しぶりなんだからとバルバトイとラクシャーナを風呂に連れ込み洗いまわし、ロクスウェルに化粧の手ほどきをし、サイリスには彼氏と電話越しで挨拶させてくれと頼んだり、ニコにはお土産だといって金貨をあげたり、アギエルには抱きしめようとするがアームロックをかけられたりでなんだかんだ三日ほど滞在し海が呼んでいると叫ぶと同時に遥か彼方へ旅立っていった。散らかった我が家にアギエルは意気消沈していた。





「……でも私は好きだな、あのお姉さん」




「……悪党という獲物を嬉々として吹き飛ばす姉がか」




「……貴方の兄弟は退屈しないから好きよ」




「……そうだね、退屈はしないからな」




くすりと笑いながらアギエルとラグナは仲間達と名高い海賊と嬉々としながら闘う映像を見て一番上の事を想った。









「御頭!!機嫌いいですねえい!!」





「家族に会ったら嬉しいに決まってるだろう!!」




「そりゃそうっすねえ!!」




「よし、頑張った褒美だ!!皆で仲間達の国をまわろう!!」



「御頭はそれだからいいですねえ!!」




「美味い物を喰わせろよ!!まあ弟の料理が一番だがな!!」




「はは!!お頭の兄弟好きには一本とられる!!」




「私の生涯の宝は妹と弟だからな!!」





七天龍……火のラギエル、義賊にしてもっとも家族を愛する火の龍王は家族の次に愛する仲間と共に世界の海をまたにかける。



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