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常闇の龍王
「……すごいわね」
アギエルの瞳が金色に染まり人の身のまま龍本来の力を溢れださせている。
「第二層解放と言った所かな、人化状態で龍の力を扱う場合、どこか一部に力を突出させる必要がある、まだ家族達では俺しか扱えない解放だ、人化状態のまま龍そのものの力を扱う……弱点を限りなくなくしたといってもいいだろう、だが魔力は著しく消耗するのでね、瞬時に戦わせてもらうぞ」
アギエルは黒の魔力を纏わせて両手に刀を形成する。
「これだから下界は楽しいわね、進化に出会えるもの」
リンネはクスクス笑う。
「でもまだ足りないわ、私も御兄ちゃんをとりたいからごめんね?」
アギエルが動き出す前に白剣を浮かび上がらせ斬ると同時にアギエルは倒れ伏す。
「見事……まさか奥の手が瞬時に終らせられるとは」
「私は特別だもの、彼女泣かせたくないから加減はしたわ」
「それは礼をいおう」
歓声と共にリンネの勝利に終わった。
 




