神と龍
「まさか、創造神に会えるとは思わなかったな」
「創造神?」
「ラグナ……その事はここだけの話にしておかねばならない、神というものは秘密主義だからね、余り存在を告げられても面白くない話になるだろう」
「やはり見破られるか、もっとも賢き闇の龍王には」
最後の決戦の場でリンネはにこりと笑う。
「……太一君との関連が?」
「私の[御兄ちゃん]だからね」
「やれやれ、また太一君も大変な事だな」
アギエルはにこりと笑う。
「さて提案なのだが、そちらの司書のお嬢さんは俺よりも強くはないし、ラグナと同じような力量に見える、俺としてはラグナを傷付けたくないので、個人で相対させてもらいたいんだが」
「それは紳士的でいいわね、のったわ」
「最初の言葉は何か聞こえませんでしたがあの美女と闇の龍王は個人戦にするようです」
「大会の規定には触れていないからな」
「……はてさてそちらのアドバンテージは遥かに上どう戦うか」
「少なくとも世界崩壊させないくらいの出力に抑えるわよ」
そういうと真っ白い杖を召喚して白い魔法陣を展開する。
「……やれやれ反属性の光と聖の重複魔法陣とは恐れ入る」
「心配しないでも私達以外は障壁ははったわよ、じゃあ逝ってみる?」
「無邪気な事だ!!」
光の閃光と共にアギエルが呑みこまれると同時に黒い光が侵食し、光を破壊する。
「やはりすごいわね、瞬時に反属性の障壁破壊だなんて」
「それはどうも、だが貴女は本気じゃあるまい?」
「そうね、まだ序の口かしら」
ラグナが心配そうな瞳でこちらを見る、そしてアザゼルだったか別な意味で心配そうだ。やれやれとアギエルは呟き、静かに眼を向ける。
「……これはまだ誰にも見せた事がないのだがな……」
そういうと暗い暗い深淵の魔力が渦巻く。




