ペア戦1アギエルとラグナ
「さあ、個人戦優勝はルーラン選手に決まりました」
「はじめの大会にしては実に面白い一戦だったね」
マルコキアスの言葉にクドウは頷くと同時に次のペア戦の組み合わせを言った。
「……連戦か疲れるな」
「まあ、そう言うな、出たからには優勝を目指すぞ」
ラグナは少し興奮しながらアギエルに声をかける。先ほど消失した上着はすでにきている。
「……まあペア戦はすぐにでも終るか」
そう呟くと同時に目の前の選手が名を告げた瞬間二人を気絶させた。
「瞬殺!!アギエル選手瞬殺です!!相手選手は名のある流派の師弟であったと聞きますが!!」
「個人戦のレベルが高かったという所だな、アギエル君も連戦はさすがに疲れたのだろう」
マルコキアスはふうとため息をつきながら担架で運ばれる相手選手を見た。
「……私の見せ場がないな」
「……そう言うな、気づいているのだろう?」
「そうだね、無邪気で大きな力だ」
「ああ、まるで太一君のようなな、波乱はくる、それまでご飯でも食べようか」
「そうだな、近場で和食を食べれる場所を見つけたのだが」
「それはいいな、主のおかげで和食文化は浸透しつつある、俺はあの味が好みだ」
「なんでしょう、この負けた感は」
「……若い奴らは皆そい遂げればいいだろうに、なかなかうまくいかんもんだな」
マルコキアスは節介を告げる。




