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とある異世界にて狩人は笑う  作者: 作者不明
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コロシアム。






雪人は思う。娯楽も最近じゃうまいこと発展してきて地球でやった時と同じようなもんが出来てきてこちらの世界も色々と楽しみが増えて良い事だと……ネットは大成功だ。商売の流通も素晴らしい。きちんとした価値で提供もされている。エロスや教養もばっちりだ。だが何かが足りない。それに気づいた時には雪人は行動をしていた。






「御主は本当に面白い事を考えつくのう」




武の国[阿修羅]



砂漠の中にある鬼達の国。そこでは日夜鬼達が己の修める武道を極めんと日夜修行に明け暮れている。その国を統括するのは[鬼姫]とその名の通りの通り名の美しき二本角の女傑ルーラン。和製映画にも出そうな女任侠のような美しい姿に心動かされる者も多い。また竹を割った性格に心惹かれるものも多い。雪人の旅先で出会った酒飲み友達でもある。




「奥方は息災かの」



「ああ、娘も産まれてがんばってくれたわい」



城とは名ばかりのでかい屋敷の縁側で酒を飲み交わし笑いあう。



「その年で子を作るなんぞお前らしい」




「だってしょうがあるめえ、良い女なんだからよ、それでこの案はどうだ?」




「かまわねえよ、だが俺の要望を聞いてからだ」




「かまわねえさ、事後承諾にはなるが……ま、鈍感なあいつには丁度いいわな」












「……景品として一日僕の所有権とはどうなんだ、じいさんよ」



「お前さんを好いてくれてる子らが多いって事さ」




阿修羅の国にある巨大な数千人規模のコロシアムで景品席と書かれた場所に座る太一と雪人。雪人の提案したというのは文字通り異種格闘技戦。いわゆる総合格闘技だ。



雪人がギルドマスターをしている[スノードロップ]はある意味特殊で強大な力を有している魔人や魔王や神や元神や様々な人外と呼ばれる者達も多く所属している。それこそ元勇者や元魔王なんていうものも……皆当然の如くその力を持て余し並の依頼じゃ何も解消ができないという事。それを考えて今回の事を考案したのだ。



しかも闘いというものは娯楽としても最上の物で、流派を抱えるものは門下生を獲得できるものとしても扱える。全世界生中継する準備もしており、景品としては全ての魔導具を網羅し開発……販売をしていると目される雪村雪人と世界最強と目される雪村太一の一日所有権。雪人に至っては自らの望む製品や欲しいものの殆どをくれるだろうし、太一に至ってはその技能の深淵を教授してもらえるだろう。だが女達に至ってはそれ以上に価値がある。





「……とうとう契る時がきたか!!」



興奮気味に話すのは始祖龍ラーゼリア。




「……私こそが正妻の座を射止めてまいります」



静かに闘志を燃やす狐耳の魔王玉露。




「……久々に大地を蹴る勢いで戦うでござる」



不穏に話すのは七天龍……地のロクスウェル。






「……太一を旦那にするのは俺だあ!!」




阿修羅の国の国主……女傑ルーランも吠える。





「どんだけ、フラグ立ててんの?つかルーランて戦う以外は興味ねえっていってたんじゃねえの?」



過去に面識のあるバルバトイはアギエルに声をかける。





「太一君の戦いを見て惚れてしまったらしい、まあ洗練された技巧の持ち主であるし、何よりあの性格だからな」




また面識のあるアギエルは言い返す。




「別にいいんじゃないの、ルーラン姉もお年頃だし、ちょっと欲しいものあるから、団体戦でがんばろかな、多分個人戦は勝てないし、アギエル兄ちゃんたちと闘うのはごめん」




「そうだな、私も個人戦は遠慮しよう」



「ラグナが出ないならば俺も団体戦にするか」




「雄姿がみたいのだが……」





「……ぬ、ぬう」




ラクシャーナはふうとため息をつくと




「ペア戦あるからそっちにしたらいいよ、個人戦はバルバトイ兄ちゃんが出るでしょ」




「マジかよ、サイリス姉さんは?」




「未来の旦那様と観戦に決まってるじゃん」




ラクシャーナはやれやれとため息をつくと。




「もうそろそろはじまるよ」



にこやかに告げた。


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