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とある異世界にて狩人は笑う  作者: 作者不明
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とある休日。



「タロ、じいちゃんと散歩いくか」


なんとなしに店の掃除をしようと定休日にした日。雪人は最近孤児院に入れたばかりの3つくらいのタロに声をかけた。タロは半獣人というハーフで熊の獣人と人間の女性との混血児だ。だが戦争のある国に産まれ父は徴兵され母は敵国の軍人に壊されてしまった。壊される現場を見たタロはその時のショックで言葉を失い、普通の子よりも成長が遅い。母親の方は雪人がその国の戦争を終わらせる依頼を受けその時に保護、今は医療施設で精神休養と治療にあたっている。



「……魔法も万能じゃねえしなー、太一ならなんとかできっかもしれねえが、医者が必要なら医者を使うのが一番だあね」



いつもの作務衣を来てタロの手を繋ぎながら中央広場へと向かう。




タロは父親の遺伝を強くうけているようで人間として体に耳としっぽがついている。その可愛らしい姿に街ではちょっとしたアイドルだ。



「タロ~、よかったな~また飴ちゃんもらってよ」



「……」



言葉を言わないながらもにっこりと笑う。



「……どこも戦争はなくならねえってな……武力も武力でおもんねえし、そのために老骨に鞭を打つってなあ」



タロがいるのでは煙草が吸えないため、つまようじをくわえながらタロを肩車する。



「タロタロ、あの御山の上が母ちゃんおるとこだぞ」



「……」



タロは頷きながら頬を紅く染める。




「……ちゃんと元気になったら母ちゃんも呼ぼうなあ」



「……」



タロの頷きと共に雪人はにこりと笑うとまたいつもの散歩を続行する。


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