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とある異世界にて狩人は笑う  作者: 作者不明
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露出酒乱な姉




アギエルは目の前の状況に困惑していた。仕事が終わり、龍とはいえ人化している時は人並には疲れる。ただでさえ疲れるオタク趣味の姉が自室に住む事になり、なるべく休む時間にはあてたいと願ってやまないのにだ……。




ここ最近家族にやたらと遭遇する事が多かったせいか、神様とやらが運命を会うようにしたのに違いない、そう思いながら目の前の豊満な胸を服で隠すまでもなく寧ろ全裸で酒をかっ喰らう深窓の令嬢のような美しさを持つ蒼髪の長髪の女性に声をかける。




「……サイリス姉さん……何してるんだ」



「ありゃ、アギエルちゃん、おひさしぶりー」



酒の酔った蒼い瞳を向けながら七天龍一酒喰らいにして露出狂の水のサイリスがいた。




アギエルはとりあえず自分の黒いワイシャツを着させ、酒を取り上げると静かに対面した。ロクスウェルはもうすでに酒に酔わされ潰されているようだ。ちなみにロクスウェルは七天龍一酒が弱いのですぐ酒に潰れるのだ。しかも今飲んでいるのは龍すら呑まれる龍殺しという名前通りの銘柄ですでに自宅の食糧はつまみとして喰い散らかされ、翌日の休日は掃除に時間をとられそうだなと思いつつも、酒瓶はすでに10本は空けられている。




「………サイリス姉さん、何故こちらに?」



「アギエルちゃん、服ぶかぶかです」




「サイリス姉さんの人化に合う服はないんで我慢してください」




何故うちの姉達は揃いもそろってこんななのだろう、沸々と湧き上がる何かを抑えながら問いかける。




「……いつもどおり婚活してたんですよお、お姉さん良い年じゃないですか」



「婚活するのは構わないが、いつも通りか?」



「はい!いつも通り好みの男性見つけて裸になりました!!」



「はい、アウト!!!!」




アギエルは頭を抱えながら脳内お花畑のもう一人の姉を考えた。この姉は家族で言う所の次女にあたる姉で、アギエルともう一人しか雄はいない、七天龍はいわゆる女系家族である。そしてアギエルは長男という奴で次男である七天龍は人化している時は旅人を気取っているので基本音信不通である。従って構ってくれる弟であるアギエルの方に声がかかるのである。




しかも共通して人間社会では豊満な者ほど男に魅力があるとあながち間違った認識を持ちながらこの姉達は奔放に生きているのである。主に胸の発育に力を入れているところを見ると、貧しいを正義とする者達からは恐ろしい念を飛ばされそうだが……、そしてサイリスは専業主婦というのにも憧れていてそれというのも旦那さんが働き者であればうちの事だけしてれば大好きな御酒が山ほど飲んで幸せになれるという事をずっと信じてやまない酒乱であるのだ。



家族であるからこそ言わないのであるが、専業主婦も主婦できちんと家での財の管理や料理等もしなければならないし、勿論夫婦の営みもちゃんとしなければならないし、楽なものばかりではないはずだ。そしてこれがもっとも再三に渡って言うのだがいくら好みの男性がいたとしても女性が普通に全裸になることはまずありえない。寧ろ痴女だと教えているのだが……逆に襲い返したり酒に酔った頭で完全に忘れたりでどうしようもないのである。



基本的に酒が入らなければ大人しく優しい部類に入る姉になるのだが……酒が入ると面倒この上ない。




「……お姉ちゃんは結婚したいのれしゅよ~」




そう言うとサイリスはばったりと倒れ眠ってしまった。



「……主関連でお見合いの席でも設けてもらうか」




小柄なもう一人の姉を自分のベットに寝転がせて、今宵は自分は床で寝るようだな……と思いつつ、ロクスウェルもベッドに寝転がせるのであった。


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