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とある異世界にて狩人は笑う  作者: 作者不明
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感極まる姉



七天龍とは七大属性の極地ともされる古の龍の事である。遥か古代の時より血の繋がり以上の繋がりを持って家族として成り立っていた。闇のアギエル、光のラクシャーナ、地のロクスウェル、残りの四大属性の所在はまだ明らかになってはいないが……、人間と同じような家族の力関係というものがきちんとあるのである。





「……ロクスウェル姉さん……朝だ起きろ」



今の所泊る場所も決めていなかったのでアギエルの住む部屋にロクスウェルは住んでいた。



「うぐぐ……朝は苦手でござる」



「……人界に来た以上は人間の生活に合わせろ、朝食は出来ている」



新しく置いたロクシャーナのベットにはあらゆる種族のぬいぐるみが置かれ、その下の本棚には本や漫画が入れられている。



「……姉さん、週刊漫画を買うのはいいがちゃんと纏めて捨てろって言っただろう、もしくはボックスにいれておけって」



「空間魔術は面倒でやりたくないでござる、それに保存用のものも買うのがマナーでござるよ」



「……世俗に随分塗れたな……まあいいがそろそろ新しい居室も借りると思っていたしな」




アギエルは手製のサラダとトーストを咀嚼し珈琲を飲みながら言い返す。



「萌えとは素晴らしいものでござるよ、それに子供達とも趣味を共有できるし!ギルドでもちゃんと働いたでござる!!」



「度が過ぎて収監されたら意味もないだろう」



「アギきゅんこそお姉ちゃんの知らぬ間に料理が上手くなったでござる」



もきゅもきゅと食べながらロクスウェルは弟に向けて声をかける。




「……その呼び名は……まあいい、なおさないだろうしな」

アギエルはため息をつくと論文に眼を向ける。ラグナが見てほしいと言った魔術の論文であり、主に闇系統と闇の上位系統の術式が書いてある。



「ぬ、ラグナきゅんでござるか?」



「……ラグナさんもきゅんて呼ばれるのに何故か嬉しがってたな」



ラグナはもう一国の姫ではないので姫とは呼ばないでくれと言われている。なのでアギエルはラグナさんと呼ぶ事にした。さすがに自国を崩壊させてまで研究を止めた姫を呼び捨てになどは出来ず、さんづけで呼ぶ事にした。まだこちらに来て日が浅い姉が何故ラグナと仲良くなったかは不明だ。



「……お姉ちゃんラグナきゅんなら義妹になってほしいでござる」



「……いきなり何を言うんだ……何を」



「……アギきゅんはクールすぎるから心配でござる」



「……姉さんが心配しろよ、番の事は」



アギエルは相変わらずの姉に頭を抱えた。




「大丈夫でござる!お姉ちゃんはDからHに成長したでござるからな!男は豊満さに弱いでござろう!!」



「頼むから恥ずかしさを持てよ!!毎回つっこまれる俺の気持ちを察してくれ!!」



「それはわかってるでござる!!」



「相変わらずタチわりいな!!!」




いつもの朝のやりとりを繰り返し朝食を食べ終わるとはあとため息をつく。




「そろそろ仕事行くから、流しに食器は置いておいてくれ……それと」



アギエルは姉に眼を向ける。



「どんな事態でも家族を心配させんな、しばらく刑務所にいると聞いてこっちは心配したんだぞ」



「あ、アギきゅん……」




ロクスウェルは体を震わせてばっと飛びかかる!!





「出来た弟でござるううううう!!!!」




「お、おい!!やめろおお!!」








雪富士




「アギエルさん、キスマークすごいっすね、またお姉さんすか」



リョウマに言われアギエルは閉口するしかなかった。


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