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とある異世界にて狩人は笑う  作者: 作者不明
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我儘女王



中央大陸最南端

レギオス大陸


九龍を越える規模の無法地帯であり、様々な人種がその雑多な世界を構築する無秩序な法が支配する悪徳の都ゼロ………本来ならば名前もないようなスラム街がはじまりであったが凶悪な人語を解する人化できる魔獣や魔人………果ては賞金首等が集まり段々と表の世界では生きていけないような人種も集まり出しやがて他国も入り込めないような都を産み出してしまった。世界にはこういった都が多々ある。



そのような闇の都との強いパイプを持つのはどこを探しても雪村太一………そして祖父である雪村雪人二人だけだろう。彼らは個々の能力もさる事から強大な人脈をも繋げられる。雪人は人情で太一は心で立ち向かうからこそ闇の彼らもまた信頼を置くのだ。




そしてそんな太一に惚れた女が今日も一人。





「……姉さま、いつもの賢い姉さまはどちらに」



ゼロの前提的な知事室の一室、男装した美しい紺色の髪のショートヘアーの双子少女二人は目の前で服を散らかす自分達が姉と慕う美しい褐色の黒いフリルドレスを着た女性……ロキ=クレイモアに声をかける。



「……しょうがないじゃない……久々に太一に会えるんだから」



「………姉さま、他国の重鎮を掌で転がす貴女が嘘のようですわ」



「……まあそれが可愛らしくいじらしい」



「……ミナ……ロア……あんたら内緒にしなさいよ」



ロキは美しい緋色の瞳でじとめに見る。




「……姉さまの可愛らしい場面は内緒にしますよ」



「ええ……それこそお宝物ですし……太一様きたようですわ、社員の方は御相手致しますので」



「……いつもありがと」



ミナとロアはにこりと笑うとその部屋を後にした。

今日は運が良く、いつもついてくる使い魔はいない。寧ろ来させないようにしたし、依頼といって二人きりになるように仕向けた。社員は二人がそつなく接待してくれているだろう。始祖龍ラーゼリアを従え、あの狐の魔王玉露すら恋心を抱かせた人物、長身痩躯の美しい白髪の男。名は雪村太一……。流星のように現れた男は世界の均衡を揺るがすほどの男であった。そしてこの悪徳の都ゼロでも……まあ詳細は後で話すが……彼は間違いなく最強の部類に入る人間であり……私に甘い心を思い出させた人物である。




「……貴方は待機、私とお茶をして」



「面談しなければいけないじゃないか」



「それは社員が連れてきてからでいいでしょ」



お気に入りの紅茶を取り出し今だけ普通の男女。



「……仰せのママに」



たまにの笑みが私の心を掴み少しだけ私も頬を綻ばす、他の国になんて見せたりはしない。私が私の大事な部分を見せるのは貴方だけ、だから依頼だけは我儘を通す事にする。それだけは誰にも邪魔はさせないわ。


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