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とある異世界にて狩人は笑う  作者: 作者不明
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アギエルの舎弟

「兄貴に会うのは久々だねえ」


スチームクリミナル共和国の居酒屋で酒を飲みながら黒いスーツを着た無精髭の男がにこにこしながらそう呟く。



「しかし、こんな安くて美味い立ち飲み屋って形式いいねえ、懐にあったかいわ」



「大体銅貨1枚均一だからねえ、おつまみも一品タダだし、楽しく飲んじゃってよ」


「ありがとうなあ、しかし店員さんも美人でいいわなあ」


「はは、おじさん、嬉しい事いってくれるね、居酒屋の店員つかまえて」



鉢巻をした女性店員ににこやかに無精髭の男は笑みを浮かべて言い返す


「いやいや、おじさんくらいの年だと皆若い女の子は可愛いもんだよ、それよりよければいっぱいどうだい、いまんとこお客さんいないだろう?」


「あら、ありがたい、店長、飲んでいい?」



店員の言葉に店長はいいよー飲みすぎないでねーと優しく声をかけるとまた仕込みにうつる。



「へへ、さすが店長、おじさんもありがと」


「いやいや店長さんもいいひとだねえ、おじさんの名前はクロウというのよ、よろしくね」


「あたしはアケミ、最近こっち引っ越してきたんだあ」


「そうなのね、確かに大分住みやすくなってるようだねえ」


「そうだね、雪人さんとかマルコキアスさんとか上層部の人が尽力してるし、ここにはアギエルさんたちもいるしね」


「七天龍のアギエルさんか、すごい人だよね」


「最近妹できて八天龍みたいよ、末の妹ちゃんのレギオスちゃんと義妹のニコちゃん可愛いのよ」


「大家族だねえ、それは」


とりあえずビールを頼みながらアケミの話を聞く。


「最近は新種のモンスターも出てきてるけど、この国にいれば大丈夫」


「そりゃ、龍に人外に近い力を持つひとらがいればなあ」


クロウはにこにこしながら頷く


「そういえばクロウさんはどうしてこの国に?」


「ああ、大恩ある兄貴分がいてね、力になりにきたのさ」


「へえ、義理堅いんだねえ」


「そうよ、人間義理堅く生きねば人情も形無しだからね」



クロウはにこやかに笑う。





「クロウさん、ごちそうさまでしたー」


「はいよ、アケミちゃん、また時間あったらのもーね、連絡先交換したし、だいじょぶしょ」


「うん、いいよー、あたしも友達まだできてないし、しばらく滞在するんでしょ?」


「するする、またねえ」



アケミが仕事に戻るのを確認するとクロウはぶらぶらと街中を歩く。






「良い国だねえ、酒も安いし美味いし」



「だがいきなり、女の子をナンパするのも如何なものかとおもうぞ」



「いやーお友達になっただけじゃないすか、アギエル兄貴」


「息災のようだな、クロウ」


黒い服を纏いあきれたように笑うアギエルにクロウはにこやかに笑う



「人狼が一氏族、知のジュウベエことクロウ推参いたしました」



「ああ、龍と狼の盟約に従い世界の守護を行う」


「御意に」



クロウはにこやかにまた微笑みを浮かべた



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