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とある異世界にて狩人は笑う  作者: 作者不明
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バルバトイ先生2

バルバトイは考える。このじじいは何者なのか。自分の祖父の知り合いであれば、間違いなく長命種か不死者。




だが自分の意識を奪って自分のやりたいことをさせるなんてなかなかいない。仮にも龍王の一人の俺がだ。



「わしはお前よりも年くうとるしな」



「なんで心を読むんだ」


「わからいでか」



子供達を見ながらじじいはにやにや笑う。



「(ぜってえうちのじじいと同種だ)」




「しかし、トリックスターのおじいさんに頼むのはいいね」



仕事を終えたロクシャーナはにこにこと笑いながらアギエルとラグナが作ったミートソースのパスタを食べながら話す。



「ラグナは料理うまいな」



「アギエルがうまいから」



弟と彼女の仲よい姿ににこやかに笑みを浮かべる。



「しかしアギエルもおとなしくなったね、安心だ」


「昔のことはよせよ」


「勇者くんとパーティー組んでたのにね」


「きいたことない話ですね」


「ラグナちゃんききたいかい?バルバトイとこのこの話」


ロクシャーナはクスクス笑う。




「しかし、勇者と共に世界を救ったやつが日雇いで満足するとはなかなかだな」


「いつの話だよ」


バルバトイはため息をつきながら言い返す



いつの間にか呼ばれながらもそつなくこなすバルバトイは過去に兄であるアギエルと共に世界を救ったことがある。



かつて世界を喰らおうとした邪龍を討ちたおす。


その偉業をしたのだ。



「まだガキのときだぜ?」



「3000年前の勇者マリア=リフトルの血の繋がらない二人の兄。[漆黒]のアギエル、[緑風]バルバトイ、懐かしいのう」


「…ほんとなんでしってんの?」


「何故じゃろうなあ」



じじいはくすくす笑う。




3000年前、世界を喰らおうとする邪龍が現れたとき、一人の少女が現れた、黒髪と赤目の小柄な少女、傷だらけの体を前に出し、邪龍の眷族を屠る少女。



傍らにいるのは粗雑でありながらも優しい男と、自由奔放な少年。



三千年前世界を危機から救った三英雄、


それがかつてのアギエルとバルバトイと縁があり邪龍に滅ぼされ拾った少女マリアとの冒険譚だった。



「あのときは二人ともイケイケじゃったな」


「…もしかして」



そう3000年前に現れた三英雄の他に隠された英雄がいた。



彼らの旅に臨時的に現れた謎の老人。



[アンノウン]



マリアに勇者としての力を見つけた謎の賢者。




「久々だなあ、ガキンチョ」



「老けたな、じじい」



懐かしそうに二人は毒づいた。




「当時は若かったからな」


アギエルはため息をつく。




アンノウン、またの名をトリックスター、とある神と同じ名をしており、老人の姿ではあるが、本来の姿は違うらしい。





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