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とある異世界にて狩人は笑う  作者: 作者不明
152/163

軽薄な男

爆発で現れた男はどこか白い肌で黒い髪にどこか軽薄めいた如何にも軟派な美青年だった。嫌味ではなく整ったスタイルにギラギラ光る紅い目が印象的だ。



「なかなかイカスじゃねえか」


粗雑であるがどことなく流麗な動きにマオとリオが警戒を強める。


「大元?」


「そだねー」


「なめてんの?」



男はケタケタ笑いながら立ち上げる。


「いんや、美女二人の殺気にびびりすぎですよ」


ケタケタ笑いながら男は様子を見る、マオとリオはこの男がわざと自分の存在をこちらに知らせたのに気づいていた。そして秘めたる魔力の量も



「あんた化け物?」


「いんやーただの男だよ」



「うそつけ」



マオとリオは警戒をしながら男を見る、魔力量は恐らく父と同等かそれ以上、そして



「まああんたら二人ならまだしもあそこのガキらを護ってはたたかえめえよ」



考えている事をそのまま言い当てられてマオとリオは固まる。



「煙草すっていい?」


黒い煙草を取り出し火をつける。



少なくとも敵意はこちらにはない、ただどこか愉悦を感じているのがわかる。

この手合いは厄介だ、善悪も問わず恐らく自分の理念でのみ動く。


「自己紹介といこうか、俺は[紅き魔女]の配下[四星将]が一人[愉悦犯]ダン=ブラックだ」


まるで友人に声をかけるかのように声をかける。



「まあ言うなればこの世界の敵だな」



「「!!」」


この男は目の前で敵と明確に告げた、それは本当に当たり前のように



「まあ姐さんの弟が最大の障害だろうがな、もうそろそろ安寧の時は過ぎたってところだ」



「どういうこと?」


「言葉通りさ、堕ちた創世神は目覚めの時を迎え大いなる魔の反英雄は表舞台に出る」


ダン=ブラックと名乗った男は煙を吐きながらにやにや笑う


「まあ俺は楽しめればいいけどな、シームレスにやった薬は不完全だし、だめだね、元から魔力が強い奴はうまい具合に混ざらないなー、清い願いを持つ人はだめだね」


あーあとため息をすると



「まあ顔見せは終わったし、シームレスは元に戻しとくよ」



薬瓶を取り出し戦ってるシームレスに投げかけるとそのままシムナークは元の姿に戻り床に倒れた。


「ありゃりゃ、全裸じゃ子供達に刺激が強いかね、まあいいさ」



ダン=ブラックはにこやかに言うと


「世界各地で邪神が目覚めるからよろしくね」



そう言うと同時に姿を消した。




「あー思い出したよ、なんだかんだ美容にいい薬ってんで飲んじゃったんだよ」


元に戻ったシムナークが楽しそうに笑いながらそう言う。


「まあ元に戻ってよかったよ」


「でもらしくねえな、あんたがそのまま受け取るなんて」


「魔術防御はきちんとしてるんだけどねえ、でもおかしいことにその男の話はすんなりきいちゃったんだよ」


シムナーク曰くダン=ブラックという男は類まれない話術と友好的なコミュニケーションで瞬く間に国と自分の心を掴んだらしい、あらゆる商品は素晴らしい物と感じ、望むべきものを与えてくれる商人。この男にかかれば全て叶うと思わせるような存在。



「今思うと怪しいことこの上ないんだけどねえ」


「マオ」


「…ああ、こりゃやべえことになりそうだなあ」



リオとマオの言葉にサイス達も黙って頷いていた。





「誰しも望みがあって大なり小なりあるもんだ」


とある小国の玉座屍が倒れる場所に煙草を吸う男がいた。


息を絶え絶えにするその国の王ににこやかに声をかける。


「あんたが望み作り上げた搾取の形態が民の怒りを呼んだ」


ダン=ブラックは王を踏みつけると


「まああんたの望みが喰われたってだけさ」


指をぱちりと鳴らし炎を呼び出し灰にすると玉座に座り



「はじめようか、世界との闘争を」


そうにこやかに告げた



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