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とある異世界にて狩人は笑う  作者: 作者不明
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#ギルド:スノードロップ2



この世界のギルドには階級制度というものが存在する。それというのも冒険者という職業は発生当初から技能と知識によって培われる一種の特殊職に分類されるからだ。怪我をすれば立ちどころに戦線から離脱され職業としての引退を強制される。話はずれたがこの世界には階級としてF・E・D・C・B・A・Sという分類と、それ以上の最上位のランクでランクオーバーという階級が存在される。



設立当初はもう少し簡易的ではあったが初代ギルドを立ち上げた傭兵の一人、いうなれば最初の混乱期に召喚された一人の武術家であったのだが、その青年はとある流派の出であり、軍略にも長けた人間であったと記録には残っている。この世界で少数民族の戦いを生業とする戦闘民族の娘と結ばれその血筋は今も尚健在だという。識字率が異常に高まり簡略なアルファベットが普及されたのもこの最初の時期であり、オーパーツと呼ばれる異世界の技術がこちらの技術と融和されはじめたのもこの時期と推察されている。



この世界はある意味特異点であり濃密な魂、とりわけ日本人という種族を呼びやすい傾向にあるのではないかと召喚を研究する学者の言い分ではあるが、過去にハーフや外国人も呼ばれた記録もあるのでそれが限定的なものかどうかは定かではない。


ギルドの初代が立ちあげた組織は今やこの世界にはなくてはならないものであり、そのギルドの存在価値を高めたのはマルコキアスと雪人の二人であろう。雪人達の世界には医食同源という言葉がある。


まず雪人がこの世界にきて感じたのは食糧の配分率の低さと自給率の低さと医療設備と医療機関のなさ、身体は食から作られ綿密な治療は戦いを生業とするものに救世主となりえるもの。



すぐさま雪人が設立を目指したのは商業ギルドと医療ギルドの設置と医療機関の設置、また怪我人がすぐ通れるように番地の整理などの区画整理、後は前述した通りの政策をし、表のマルコキアス、裏の雪人と呼ばれるようになり、ギルドの冒険者の質とならず者を束ねるカリスマある老練の男を頭にして、いまや世界が無視することのできない国となっているのである。



とまあ、これだけ仰々しい言葉ではあるが、帝という仕組みもこのギルドでも適用はされているが、基本的に帝を越える逸材は山ほどあり、むしろ役職としての面倒が多いためか挙手制となっており他のギルドであれば名誉職でもある最高峰のギルド員なはずなのであるがこのギルドではそれほどでもないのだ。



とまあこんなギルドであるのだから実に恐ろしい人物達ががははといるのであるのかといえばそういうわけではない。例えば新人君との例を見てみよう。





「いいか、ジギー、一撃必殺っていってもアートがなければいけねえ」



牛頭のケンタウロス種のペッパーさん、今丁度Sランク間近とされるこのギルドの若手の中では有望株の一人であります。2メートルを越える巨躯の見た目は恐そうなお兄さんですが、常に飴ちゃんをもって腰の悪いおばあさんに席を譲ったり、子供達に駄菓子をかってあげたり飴あげたりする良いお兄さんです。孤児院の出身で血の繋がりのない弟妹を護るためにやばい仕事もしたりしてましたが雪人さんに更生されて今では親方扱いをしております。将来は画家志望なだけあってカラフルで目にうつるなかなイカス紅い手甲をつけています。黒い気流しがクールです。多様種族国家と周りにいわれているのでその影響からか彼もまた多くの異文化を取り入れてかぶいちゃった一人でもあります。



対するは水龍族のジギー君、今日登録したてのルーキーになります。いわゆるペッパーさんの義弟になります。ペッパーさんが25、ジギー君は15と些か若すぎる気もしないでありますが、ギルドの公式記録ではとある魔王の子が7歳でギルド入りを果たし12歳でランクオーバーを果たしたと記録がありますので問題はないでしょう。といっても平均的には15歳ではいるのは普通なのでジギー君が気に病む必要はありません。むしろその魔王の子は女の子なんですが雪人の友人の孫でもあるので雪人にとっては孫みたいなものなので比べたらいけません。



ジギー君は龍人族にしては珍しくクレリック系の素養が強く出ていて戦闘職には向かない適性が出ているのがギルドの検査でわかりました。魔力の保有量は15歳にしては非常に豊富で、戦闘職に向かないとしても格闘術や短剣術を修めており、ありあまる魔力で身体強化を行うことができます。FランクですがCランク相当の実力があるといっては過言ではないでしょう。ですが資質の問題でその上にいくのは至難を越えると思われます。ですがこの義弟はもうすでに家族を護る気持ちをかためています。それゆえに一撃で弱点を付くヒット&ラン戦法を伝授しようとしているのですが、ペッパーさんは様式美に拘るようで難航しているようです。




「ベアトリクスの捕獲がええんやないか?」


ちょっとした似非関西弁を話す虎顔の男がニコニコと笑いながらきます。西部のガンマンスタイルで身長は180ほどの長身痩躯の男で人懐こい顔が人を和ませます。彼はSランクのギルディオといいます。黒と白の天使を模したカスタマイズした拳銃が御洒落ですね。ちなみに彼は遥か西の暗殺稼業の長子だったりしますが、悪い人だけしか狙わない必要悪の集団の時期長となります。この事は親しいペッパーさんや雪人くらいしかしりません。



「邪龍亜種か、基本的には龍とは違う邪念の集合体ね、まあうちらのランクがあれば問題ないか」



胸元を空けた山羊頭の美女が言う、彼女の名前はサナーク、とある高位悪魔の一人で階級的にはランクオーバーである。種族は不明ではあるが高身長に大人の色気に陥落するものは多い。雪人であるからこそ彼女はこのギルドに所属をしているといえる。




「なんでえ、こんだけいりゃなんとかなるか」



「せやな、臨時組んでもええし、最近でかいのあてたし」



「そね、この子将来大きくなるだろうし」


「んじゃいこかー」






「見た目は美談ですけど、ある意味通常の戦闘集団なら裸足でにげますよね」



「二つ名は [血桜の拳闘士]と[龍殺しの銃剣士 ]と[楊貴妃]だったかしら」



「普通のギルドではみられませんね」



「皆やさしいのよ」



ギルドの受付の先輩と後輩は業務に戻る。


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