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とある異世界にて狩人は笑う  作者: 作者不明
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♯雪村夫妻2



死んでいたはずの父母の生存に太一はどことなく予想していたので別にきにもしていなく、ニーナ達は新しく家族になる父母達に懐いていたし、いいことだろう。共和国ギルドの最上位ランカーに至っては父母の実力にすでに頭をたれているらしかった。



元々が原初の英雄と絶対悪の魔女というのだから潜在している能力はかなりのものだろう。という事は俺の血は絶対悪を生みだした存在と初代創世神との血を受け継いだ地球産まれの異世界人という位置づけになるわけか、地球での知識と並はずれた魔力、尚も増大する力、確かにイレギュラーだなと個人的には感じる。


今更ながらではあるが、父親は越えたとはおもうが、経験の差というものはどうにもならない気がする。




「久しいね、君と温泉なんて」



とある東国の温泉宿にて父と温泉へとつかる。久々に見た父は記憶の中の若々しいままで30代前半という風に見れるようなそんな風体だった。白銀の長髪を束ね、筋肉の鎧を纏い、身体には無数の傷跡をのこしている。いまにしておもえば魂に刻まれた傷が転生した後にも残っているという事にすればわからなくもない。自分が構築した空間に母と共に十数年も過ごし鈍っていたからというなりギルドに所属してわずか一日で最大ランクSを手に入れたのはここだけの話で、潜在能力は恐らく太一の方が上ではあるが経験では確実に負けるだろう。ギルドの仕事で一緒に戦ってそう思う。



母親に至っては新たに調理人ギルドを設立し、貧困地域や紛争地域の食糧事情の改善、冒険者ギルドや他国の魔術ギルド、商人ギルドとの連携も高め、俺の商会の医療チームを独自に形成、瞬時に治療を行い多くの人命を救っているわずか一週間で結果を出すなんてまさに神の所業であろう。基本的に闇の系譜では頂点に位置する存在ではあるので闇の眷族達もすぐに傘下に入ったらしい。昔からのほほんとはしていたが怒る時は阿修羅のような人であったのでとてもよくわかる。


ついでに言うともうすでに爺さんとともに殲滅部隊まで結成して、悪事を働く国家は涙目らしいので、しばらくは俺達の出番はなさそうだ。




「しかしよい家族が増えたようだね」


「ああ」



元々父親とはあまり喋る機会はなく、何の仕事をしているかもわからなかったが、家族関係はそれなりによかったようにはおもう、今更何故死を偽装したのかなんてこの父と母だからとしか言えないからだ。



「……まあ話すべき時には話すさ、今日は母さんが鍋でも作るといっているよ」



「母さんの鍋はうまいからな」



「ああ、そうだな」



そういうと二人はくすりと笑う。





「ふふ、可愛い御嫁さんいっぱいでいいわね」



目の前で調理を手伝う自分の息子を慕う女の子達に満足げにマユは微笑む。



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