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とある異世界にて狩人は笑う  作者: 作者不明
138/163

♯姉と弟2




「私達は勇者と堕ちた女神との間の子っていうのは知っていたかしら?」



「ああ、なんとなくはな」



太一とエルはクロエを挟んで珈琲を啜る。



「貴方が聖魔の力を受け継ぎ二代目の創世神の加護を受け[絶対たる救う者]になったと同様に私は純粋な魔なる力を受け継ぎ初代の堕ちた創世神の加護を受け[絶対たる破壊者]になった」



「んで、そんな力を持ったからって何故世界破壊を?」



「何簡単よ、面倒な悪と善の線引きを壊すだけよ」



「確かに煩わしいな、だが姉さん?世界を壊すのはどうにもやりすぎじゃないか?」


「しょうがないわ、それがおじい様の気持ちだもの、世界を創り愛しく考えていた神であるおじい様が産み出した生物に裏切られるなんてかわいそうじゃない?」




「だが、少なくとも初代が願った人の気持ちは生きているはずではないか?」



「それは貴方や貴方の周りにいる人達くらいよ、多くは自分の利益のために生きている、知っている?多くの魔族と呼ばれる異なる種族は犯され、蹂躙され、滅ぼされているわ、貴方が全てを救う前に失う命も多々あるのよ」



「そうだとしても、この世界が好きな俺には了承できないな」



「平行線ね」


「平行線だな」



太一とエルはにこりと笑う。



「……貴方が万を救うなら私は万滅ぼしましょう」


「姉さんが万滅ぼすならば俺は億救おう」



「……可愛らしい子、嫌いじゃないわ、その考え、でも私は私の破壊をもって救う」



「……決裂か、残念だ」



「ええ、残念ね、今日は私がひくわ、またね、聖邪の子、そして太一」



「ああ、またな、姉さん」



エルは微笑むと同時に世界から消えた。




「……能力は未知数、そして貴方も手札を出してはいない」



「……肉親とはいえ、世界に敵対表明している姉に手札は最初からみせないさ」



クロエは苦笑しながら太一を見る。





「愛しい子、貴女の弟はどうだった?」



光閉ざす居城、美しく妖艶な山羊に似た角を生やした美女はにこりと笑った。

黒髪に豊満な胸を持つ黒いドレスを纏った美しい女性は。



「ママ、とても素敵だったわ、ぞくぞくした」


「そう堕としたいくらいに?」



「そう堕としたいくらいに」



妖艶な二人の母子は妖艶に笑う。



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