表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
とある異世界にて狩人は笑う  作者: 作者不明
126/163

♯人斬り五平




雪平五平は人斬りである。有能な剣術一家の生まれで殺人剣の使い手だ。それはエドの将軍職を護るための役職を多く輩出し、裏の仕事を請け負う隠密の顔もある一族である。だが五平の一族はそんな一族であっても皆が優しく清廉な精神の持ち主であった。その中でも五平は何よりも優しい男であり、子供やお年寄りに対しても優しい男であった。だが彼の愛剣は魔剣……妖刀とされるもので血を求める凶悪な魔剣なのである。本来ならば封じられ世に出る事はなかったが……とある国との戦乱の際、その魔剣の力が必要となり主として認定される。その剣を持った時点で五平は妖刀と生命を共にすることを余儀なくされ多くの死を誘ってきた。



彼は大義の元に斬り伏せ神経を摩耗させながらも多くを救い多くを殺した。だが転機が訪れる。それは雪人の存在だ。本来ならば料理人として生きたかった五平は雪人に一縷の希望を見出す。



結果、雪人老人は拳一つで魔剣の意識を屈服させ五平との話し合いの席を設け差す。

その結果……。





「あのじじい、いつも俺の頭を撫でやがる」



「なんだかんだ、孫のような感じなんだろうよ」



店の中で紫の着物に黒いおかっぱの少女に声をかける。自身の愛剣である妖刀ムラクモに宿る剣霊だ。名前としてはオクモと呼んでいる。



「けっ、俺よりもわけえじじいに孫扱いなんてされてもな!」



「美味しいご飯にうれしそうに食べていたのは誰かな?」



「……そ、それはだな」



「まあいいじゃないか、雪人老人は良い人だよ、それにお前さんもヒト殺しとは違う楽しみを見つけられただろう」



「……ぬ、ぬう」



「……なんだかんだお前とは色々あったけど感謝しているんだよ、この店も楽しいしね」



「……お前にとって俺は恐怖の対象ではないのか」



「……お前は私の相棒さ」



「……ふん!お前こそ元帥の孫をはやく嫁にすればいい!!」



「……そうくるか」



店内で言いあっていると、穏やかな雰囲気の美しい白銀の女性が現れた。



「いいかしら?」



「……どうぞ、マリアさん」



「……ほんに主は素直じゃないのおー」



元帥の孫であるマリア=アートマンがにこりと笑い席についた


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ