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♯主従
「しかし子供ってのは気づけば大人になるもんだなあ」
「身内だとどうにもあまりみないですしね」
彼氏との同棲を認めた孫と妹の事を思いながらアギエルと雪人は街中にある屋台で清酒をちびりちびりと呑む。
「ふう、案外すんなり受け入れるもんだなあ」
「そうですねえ」
どこかさびしげにだがうれしそうに二人は笑う。
「まああとはあいつら次第か」
「ですね」
妹と孫の幸せを願い一人と一匹はにこりと微笑む。
夜は更けていき
朝まで二人は呑んでいた。
「爺さん、アギエルと二日酔いなんて珍しいね」
「まあたまにはあらあね」
煎じ薬を飲みながら雪人はため息とつく。




