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とある異世界にて狩人は笑う  作者: 作者不明
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♯探偵志望。




スチームクリムナル共和国……、現存する国の中で最も急成長している国である。魔導具技術はもとより、画期的な政策、また食の技術の躍進、多くの移民の受け入れ等を行う事により国を豊かにし前王制を滅ぼして数年、世界の強大な大国に肩を並べる事になった。現当主はもとよりその右腕とも目される雪村雪人とその下に控える強大なる組織、そして現在最強の一人とも言われる雪村太一の存在が大きいのだろう。



そして今日も一人の移民が一人。




白の民族服を着た一人の白髪のザンバラ髪の青年が一人。どこか修行僧のような優しげな雰囲気に未開の地から現れたと思われる風貌から好奇の視線にさらされてはいるが青年は気にもせずに街中を歩く。その表情にはどこか決意めいた中性的な魅力を醸し出して……。










「ふむ、身長の大きな主に興味のある青年が来たようだな」



太一の膝に太一の使い魔であるラーゼリアは甘えるように座りながら呟く。



「ああ、どうやらそのようだね、もう来る」












「久しぶりです、太一さん」




「久しぶりだね、ギド、課題はしてきたかな?」



ギドと呼ばれた青年はにこりと微笑む。





ギドと呼ばれた青年はとある荒野の遊牧人の青年であり狩人であった。オアシスにある集落にいる戦士の中でも一番強い戦士だ。何故太一の探偵事務所にきているかというと時間を遡る必要性がある。





時間としては太一の訪れる一週間前に二人は出会った。




暑い荒野に一人のダークスーツの白い髪の男。




当然ギドは怪しむ。




世界の最奥に近いこの場所では世界の情報等入る事はなく不思議な男がいるなというくらいだった。




「……確かに怪しいな」



「………そうですね」



ギドは怪しみながら見る。




「まあ調査に来ただけだから気にしないでいい」



謎の男はそういうとギドに声をかける。




「最近魔物が活発化しているね?」




「ええ、これから俺も調べにいくところです」



「なるほど丁度いい、案内してもらってもよいかな?」



青年雪村太一の穏やかな笑みにギドは警戒を解いて協力することにした。ギドの住む荒野は人間達が住むには過酷なものの魔物達にとっては住みよい大地だった。何故かというとこの荒野は魔物達の好む魔素、いわゆる魔力の源泉がわき出る地脈。魔物には適した環境という事だ。ギドの祖先は何故ここに住んだのかはわからないが、少なくとも好戦的な一族ではあったらしい。ギドの戦い方は素手で戦う事が殆どで身体強化しか扱ってなかった。どうやらこちらでは魔法という文化はそこまで浸透していないらしい。




そして原因に行きあたった。




それは言語を解さない龍の一種で魔素を自分の肉体以上に受け凶暴化したのが発端だった。そのせいで多くの魔物が怯え暴れまわるという事態に発展していたのだ。




「やれやれ、案外早く終わりそうだな」




太一はそう呟くと同時に魔力で創りだした黒剣を振り払うと同時に龍を一刀に伏した。




「あんたは?」




「ただのしがない探偵さ」



探偵という職業というものにあてはまりはしない行動なのだがギドは太一のこの強さに惚れこみ、その場で弟子になることを懇願、そして太一は逡巡したあと、魔導書を渡し、自分の集落の全ての人民を説き伏せ、尚且つここに記載している魔術を取得したの集落に防護魔術をかけるように課題を出すと同時にその場を後にした。




ギドに手渡した魔導書は無属性の禁忌級まで記された代物で、本来ならば大賢者レベルの者が扱うべき代物であるのであるのだが、ギドの眠る魔力と無属性のみという事に気づき、太一は瞬時に与えるべき魔導書を渡した。




そしてその全ての課題をこなし、太一の元に訪れ7番目の社員になったのである。




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