そしてラッキースケベは存在するらしく
「やあ、太一、君のおかげだ、どんな手段を講じたかはしらないが妹もよい男性に出会えてうれしいようだ」
アマリリスは愛飲している赤ワインを飲みながら最新式の魔導携帯転移音声術式機、通称Mスマートで太一にかけながらにこやかに声を弾ませている、基本的に名称は複数あるのだが本来の開発者である雪人達が特許権を格安で魔導機の会社に売却した事からシェアが増えたというのもある、まあ大体はこちらの世界のスマホと機能は同じであるし、魔導というからには魔法系の機能もあるのだが、ちなみにアマリリスの使う愛機はデコレーションが非常にあり、最近こちらでも開発されたプリクラで撮ったプリ写なるものを貼られている、この女王は新しいものスキであるのだ。
「……それはよかった、数日は滞在はさせるよ、その間に上手い事してくれ」
電話越しの太一に頷きながら
「大丈夫だ、少なくともラッキースケベはもうすでにしてある!!」
アマリリスのテンションは最早MAXである。
「……あーすまん」
「うっさい」
ローズが大浴場に入ると同時に横にいたのは湯につかるウェイブだった。
「……どうせお姉ちゃんがこの時間が空いてるとかいってたんでしょ」
「よくわかったな」
「……私もこの時間に入るし」
ローズはウェイブの隣に座る。
「……こわくねえの?」
「裸みてるし」
傷だらけの裂傷を見ながらローズは頬を染める。
「……ねえ、あんたはこの世界を恨まなかったの?」
「恨まなかったわけじゃないな」
自身の出生を知り、それでも仲間を求め裏切られ、いっそ世界を壊そうかと思ったこともあった、それでも自分が生きていたのは死者である父と生者である母が奇跡の出会いを果たし自分が両世界の子として産まれたという事実が自分を生かしてくれていると思っている、そして一度闇に堕ちかけた時、出会った光がいた。
「……俺の上司は存在を認めてくれる、こんな半端な存在の俺を今いることを許してくれる、ならその人のために戦うのはありだなってな」
「……私もお姉ちゃんのために戦いたい」
「……だがローズお前が不幸せになったらだめだ、大事なのはどうありたいかだぜ」
「……名前呼んだわね」
「……ああ、呼んだな」
二人の顔が紅く染まる




