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とある異世界にて狩人は笑う  作者: 作者不明
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物語の終り。







「おい、何故手を抜いた」




剣を突き刺され変身を解いた矢崎に声をかける。どうみても致命傷だ。



「……僕は人間が好きでね」




矢崎は血を吐きながらクスクス笑う。




「僕の特性は[混沌]……平穏を乱すだけのものさ」



「……」




「まあ理由は言わないけど、僕はいじわるなんでね」




「……」




「……まあ企みはなった、これであの子も安心だ」




そう言うと同時に矢崎は光の粒子となる。




「……生命を代償にした、封印か……殺されるべき相手を探していた?」









「いいかい?アリス、御兄ちゃんはいつか必ずいなくなる」



幼い日の記憶、どこか悪戯っ子のように矢崎御兄ちゃんは言った。




「いなくなった時、君は普通の女の子になってる、だからサイス御兄ちゃんとも一緒にいられるよ」



誰よりもこわがられた矢崎御兄ちゃんは私にとっては素敵な人だった。




「……君は人間としてこれから生きるんだ、君の元になった人の元へ送る」




矢崎御兄ちゃんはいつもの笑顔で私を見ていた。









「……矢崎の企みはこの事か」



ミレニアは起き上がり、傍にいるアリスを見つめる。




「……吸精の特性が消えてる……」




寝ているアリスの頭を撫でながらにこりと微笑む。




「急な話だよ、矢崎、お前の真意すら掴めぬというのに、この子にとって良き兄でありたかったのだね」





さよならすら言えずに消えた想い人に想いを馳せる。


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