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運命
「やれやれ、どうにも趣味が悪い」
雪人は煙草に火をつけながら目の前の美女に声をかける。
「ふふ、生命って不可思議でしょう?」
「ミラージュさん、どうにも趣味はあわないようだ」
無尽蔵に光る得体のしれないアメーバのような巨大な何かをみながら雪人は煙を吐く。
「魂の残量を見ると取り込んで生命を複合した生命みたいなものか?」
「そうね、無尽蔵の生命という所かしら、心もない喰らう者」
「スライムの進化系か」
「もっとも原初に近いものね」
「さてお前さんは何を望む」
「……混沌を」
「なら止めなきゃいけねえ」
雪人の周りの空間が歪む。




