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双剣の災厄
渋谷連子は目の前のハットの男に驚きを隠せずにいた。
「これでも俺は生きているのさ」
不死者でもなく生者でもない[ナニカ]という者を感じられる。
「言うなれば死ねもせず生きもできない存在という所かな」
目の前の男はクスクス笑う。
「俺は死の淵から産まれた、そしてあの人は俺に生きてよいといってくれた」
「……忠義の戦士か、ならば義を用いて俺も相対せねばなるまい」
「災厄のウェイブ=スペクター……我が主雪村太一の為剣を抜かん」
「渋谷連子……我が主となるべき少女のため拳を抜かん」
二人の戦士はぶつかりあう




