その後
あなたは、どう思いますか?
レリーシャ家当主、ネアの悲痛な訴えは、トルーア王国中に広まった。
「そんな可哀想なことを繰り返してはいけない」
「珍しい双子とはいえ、兄妹ではダメだろう」
「レリーシャ家の訴えだ、聞き入れられるだろう」
賛否両論だった。
けれど、賛成派の意見の方が、少しだけ多かった。
ネアは老いた。
それでも、訴えをやめることはなかった。
そういうことも、賛成派が多い理由だったかもしれない。
そして、議会で議論を重ねた結果、ネアの訴えは聞き入れらた。
トルーア王国で双子が生まれた場合、規定の年齢に達したら、双子が自分たちの未来を決めることができる。
結婚するのか、しないのかを。
周りの者が決めてはならない。双子に決めさせる。
そうした内容の、『トルーアの双子法』が制定された。
ネアは、『双子法』ができたその年に亡くなった。
兄を、そして自分の子供たちのために法律を作り上げた女性として、トルーア王国でネアの名前を知らない人はいない。
ただ、トルーア王国では、双子はとても珍しい存在のため実際に『双子法』が使われた例はとても少ない。
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございます。
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