表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黒い滲は夜に模られ。  作者: 遠道日影
10/20

PIECE9 赤イ化合⇔



 5月15日(月曜日)


 レンの自由を奪いたくなる

 ボクという存在で、レンを奪いたい

 

 …違う

 ボクがあなたに僕自身を奪われている

 ボクの心に鍵をかけて、厳重にボクを閉じ込めてほしい








 

「あれ? レンがいない。今日、バイトだっけ?」

 奈愛(ないと)がグミに聞く。レンとグミは、同じ飲食店でバイトをしている。

「今日はレンも休みなはず」グミが答える。

 海叉(カイサ)のまわりにLinχのメンバーが集まり、一緒に帰るのが日常になっている。

「レンは今日、デート」

 ぽつりと海叉が口にした。

「相手は……人間?」グミが疑問をぶつける。

「一年のコピーいるだろ。あいつと付き合ってる」

「へー」

 バンド内で、レンの恋愛対象が女だということは、みんな知っていて、誰も驚かない。

「お、メール」

 海叉は携帯の画面を見ながら、

「ランキング結果発表きたよ」

 と呟いた。

「何位?」

「何位?」 

 奈愛とグミが急かす。

「三位になりました」

 と海叉が発表した。メンバー全員が興奮してひとしきり騒いだあと、海叉が画面を見直し、

「やっぱマスタアドの壁は厚いな」

 と洩らし、メール文を読み始めた。

「問い合わせが多いため、次回のネット配信でLinχの特集を組む予定です」

「すげーな……俺ら」

 グミが言い、

「レンの力だろ」

 と答える奈愛に、海叉が声の調子を上げ気味に言う。

「なに言ってんの。うちら4人でLinχなんだよ。ってレンが言うと思う。レンにメールしてやろ」

 言いそうだな、と奈愛が頷く。

「しかし、マスタアドの人気がこれだけすごいのに、マスタアドの超えられないバンドってすげえな」

 奈愛がしみじみと言う。海叉は、一瞬メールを打つ手を止めるが、また打ち出す。

「神壱のこと?」

 グミが聞いた。うん、と頷いて、奈愛が続ける。

「イチルさんが悪いことしなきゃ、今頃、メジャーでもすごかったんだろうな」

「監禁事件か。一躍有名人になったよな」

 グミと奈愛が当時の話題を交わしている。

 メールを打ち終えた海叉が、

「さー、帰ろうぜ」

 と催促した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ