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君と繋がる

短編として投稿していた作品です。前に投稿したものと若干違う部分があります。内容に大きな違いはありません。前より、短くなったのでスラスラ読めると思いますので、時間が少ししかないけど小説が読みたい! という方にはオススメです。

僕の好きな女の子は隣の席の女の子。

目が少し大きくて、黒くて長い髪の毛。制服はばっちり着てる。シャツは出さない、スカートはまかない……。君は、先生のお気に入りだ。でも、生徒は君を嫌ってる。おとなしいから、目を付けられたんだろう。

僕は、最初は元気な女の子かなって思った。可愛い顔して、背が低くて、きっと彼氏とかいるんだろうなって。でも、違った。君は人見知りで涙脆い。話しかければ、怯えたように肩を震わせて。だから、誰かになにか言われたら泣いて。君なんかどうでもいいと思っていた。

そう思っていたら、君と隣席になった。どうでもよくて、話かけたりはしなかった。いつからだろうか。君と隣席になってから、だんだんと気になっていた。君が休んだりしたら心配で。誰かに嫌がらせされたのかな、大丈夫かな、と不安になったりもした。他の男の子と話しているのを見ると、嫉妬する。僕の時は、あんなに楽しそうに笑わないくせに……。

君はほとんど男子と話すことがないから、そこはまだいい。

そして今、授業に集中している君を見た。僕は寝たふりをして、隣にいる君をぼんやりと見る。君は、黒板に書かれた文字を、必死にノートに写していた。必死に、必死に……。

僕は起き上がって、ノートに写す。君が頑張っている姿を見ると、僕も頑張らないとって思わされる。でも、もうすぐ席替え。君と離れてしまうかもしれない。……はあ、僕はいつからこんなふうになったんだろう……。



地獄の席替えが始まった。僕は後ろの席で隣席が誰なのか待つ。窓の外を見ていたら、隣席の女の子が来た。見ると、驚いた。だって、君がいたんだ。


「隣席……。よろしくね……?」


君が小さく呟いた。不安そうに僕を見る。……可愛い! なんでそんなに可愛いんだよ!


「そんなに不安そうな表情すんなって! 笑ってくれよ! また隣席になれたんだからさ!」

「う、うん?」


僕のハイテンションに驚く君は本当に可愛くて。好きって想いが溢れだしそう。

ねえ、君は嬉しい? 僕と隣席になって迷惑じゃない? 僕は嬉しい。君とずっと一緒にいたいと思う。

君は僕を想ってくれてないと思う。だから隣席で繋れたら。隣席だから気付くことだってある。ペンの持ち方、どこを見ているのか、恥ずかしがる表情とかさ。

隣席で繋ってるなんて変かもしれないけど。僕にはこうやって隣に座ってることにすごく安心できる。君の隣はすごく居心地がいい。いつか本当に君と繋がる日が来たらいいと思っているよ。でも、今は。隣席が僕らの繋がる道。君と繋がる条件は、隣席になること。それから、たくさん知っていこう。君のこと。僕のことも、知ってくれれば。隣席から始めよう。

君と繋がる隣席

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