ハザクレヨゾラの日常
【第一話】閃光の刀天
ーーー「ヨニゲ」
ーーー「ニゲロ・・・」
空から無数に降り注ぐ剣のきらめきが
目の前を真っ白に埋め尽くした。
ガキッ、キンッ、ガガンッ!
ヨニゲは旋風に乗って走り
空間を突き抜けた、その刹那ーー!!!
ガキーンッ!!!
漆黒の鎧に身を纏う武者が
ヨニゲの目の前に立ち塞がり
鍔迫り合いで
ヨニゲの動きを完全に止めた!!!
「うくっ!!!!」
ヨニゲの右肩から白い血飛沫が上がる!
かろうじて薄刃を掠めただけで、助けられた。
カゲロウの残した首当てが、数ミリのズレで
鎧武者の剣を、そのきらめきで
首筋の狙いを外させたんだ。
まだ、守ってくれるのか。
こんな俺を許してくれるというのかーー。
あのときの、「ヨゾラ」のほおを濡らした、最期の笑みが頭をよぎった。
【第二話】ヨソラトヨニケ
「畳に家宝の短刀を突き刺したのは、誰じゃ〜
!!」
ーー。
「ヨゾラの仕業かー」
気配も痕跡も一切無くすことが
できるのは「天才ヨゾラ」しかいない。
1さいのイタズラで大門を焼き尽くす騒ぎを
起こしたのが1年前、生まれながらにして
宿命を背負った【宿業の証】が首の左後ろに刻まれた、宿命の子。
すべてを破壊しすべてを創造する神々の気まぐれ。里から1千年に1度、宿業の証を宿す子が生まれるという古くからの言い伝えがある。
宿業を宿す子の運命は、変えられない。
生き方は自分の手で生み出すんだ。
剣豪であった父の言葉がある。
ーー。
ヨゾラ、14歳の春の宵明け時。
ヨニゲの左隣りには、母のウタエ、もう朝の準備を
終え、樹齢1000年の守り柱を丹念に磨いている。
ヨゾラとヨニゲは、現世の双子だ。
ヨゾラは城主の尖閣のてっぺんで
雲ひとつない遠くの空をみていた。
『ハヤクコイヨソラトヨニケ』
また声が聞こえる。今年に入ってから頻繁に
聞こえるようになった。
この国は周囲が海に囲まれる島国、倭の国
はるか昔の神々の怒りで島々が消し去られたと
伝えられている。
天竜の兆し、有明の光刀が天から宿業の大岩に突き刺さり現れた。あれから2年、宿業の運命が動き出す
ときがきた。




