第7章 ーマリッジ・ブルーー
【西暦2100年 新潟県新発田市】
シャルローテ「民たちよ、皇帝竜を駆るバスターズは着々と集結しつつある。」
シャルローテ「先日も異世界より最強の魔法使いが召喚された……」
シャルローテ「我は今日、この時……神聖シヴァ帝国の建国を宣言する。」
シャルローテ「帝国が最初にすべきは何か?」
シャルローテ「皇帝竜の首を狩り、世界に平和をもたらす事じゃ!」
シャルローテ「皇帝竜に死を!我らに繁栄を!!神聖シヴァ帝国に栄光あれっ!!」
全員「ジーク・シヴァ、ジーク・シヴァ、ジーク・シヴァ」
全員「シヴァ帝国 始光帝シャルローテ様、万歳!!」
民衆の興奮は頂点に達しようとしていた。
シシャリク「レア様、今です。」
レア「おまかせですっ。」
レア「ファイヤーボール・スパーク・カラフル・スターマイン」
SE:どーん、どどーーーん、どどーーーん
色とりどりの花火が空を彩った。
シシャリク「これが……花火……」
【新発田市改め神聖シヴァ帝国シヴァータ市街地】
シシャリク「レア様、買い戻せました。バスターズ装備はこれだけですか?」
レア「はい、それで全てです。」
シシャリク「レア様用のバスターズ装備は無いのですか?」
レア「えっ……いや……これっこの服マジカル・ドレスこそ我が装備!」
レア「シャルちゃん……いえっ……始光帝シャルローテ様に直接買っていただいた装備こそ忠義の装備!!」
シシャリク「素晴らしき忠道。さすがシヴァ四天王の一翼、御見それいたしました。」
レア「シシャリクさん……もう四天王じゃないので……その呼び方は忘れてください。」
シシャリク「はあ?」
レア「私はバスターズの一翼として戦う『勇者レア』」
シシャリク「はい、了解しました。それはそうとレア様……次の任務です……」
レア「次?」
シシャリク「ここから1日ほど歩いた地にある『魔王城』をせん滅。魔王は抹殺しても問題ありません。」
レア「えっ魔王……あの……私だけで?」
シシャリク「もちろん、私もお手伝いさせて頂きます。」
シシャリク「これはシャルローテ閣下の勅命です。」
レア「シシャリクさん……エクスマキナ・プロテクションって使えます?」
シシャリク「エクスマキナ……神々の魔法……申し訳ございません……
私では到底たどり着けない境地……シナノ様ならあるいは……」
シシャリク「自身の無能を恥じております。」
レア「あっ気にしなくても……メテオ・ブラストで皆殺しはダメ……なら必殺のグラビティでぺちゃんこに……」
シシャリク「レア様!メテオとグラビティが使えるんですか?」
レア「はい、使えるんですけど……メテオは……エクスマキナ・プロテクションと合わせて使わないと
大変な事になってしまうんです。」
シシャリク「大変な事??」
シーン「神聖シヴァ帝国弥彦、魔王の城前」
レア「天空の星々よ降り注げっ地上の全てを焼き尽くさん、我が魂と引き換えにっ降臨せよ冥王、
ハデス・フレイム・ジェノサイド」
どおおおおおおん
シシャリク「なっなんという火力……これがレア様……なんという力……シナノ様並み……いや、むしろ……」
天空より飛来した火炎がはじかれる。
レア「これは……エクスマキナ・プロテクション……城まるごと守るとは……ちっ……やりますね。」
シシャリク「レア様?」
レア「行きますよ。シシャリクさん……魔王の配下の四天王が待ち構えています……」
シシャリク「魔王の配下……四天王?」
【修羅の間】
薄暗い部屋の奥で人影が揺らぐ
レア「さあ、シシャリクさん、最初の強敵です。」
シシャリク「はい、クロスロード・プロテクション」
レア「地獄の底から蘇れケルベロスの火炎……大罪の炎よ全てを滅する槍と化せ、
ハデス・フレア・グラビティ・レイ」
地獄の火炎が黑き重力の塊で包まれ……槍が生まれる。
レア「地獄に落ちろっ。メギド・グラヴィティ!!」
???「エクステンド……」
レア「始皇帝シャルローテ陛下の命により成敗します!!」
???「なっなっなんだ……と」
重力の槍が人影に突き刺さる。
???「ぐあああああああっ……この我が……そしてこの技……まさか……」
レア「シヴァ帝国、始光帝シャルローテ陛下の命により退治しますっ!!」
???「陛下……が……生きて……」
レア「成敗!!グラビティ・バインド!」
戦士のような男が重力の鎖でグルグル巻きにされた。
シシャリク「レア様……なんという力……」
レア「結婚年齢を10歳まで下げる貴方の野望は潰えました。」
レア「よしっ。さあ、次へ行きますよシシャリクさん……」
レア「次の相手は邪悪で厄介です。注意して下さい。」
シシャリク「はっはい……レア様……」
シーン「『邪神の間』」
レア「始皇帝シャルローテ陛下の名において命ずる。我が軍門に下れっ裏切り者!!」
???「えっ?」
レア「始光帝シャルローテのご命令ですよっ!!」
ロー「始光帝?やはり、ここは過去!?」
レア「シャルちゃんに言いつけて、はく奪しますよ!その肩書!」
???「レア様……どうぞお許しを……パラディンの地位だけは……」
レア「言い訳は光帝陛下の御前でしなさい。」
重力の鎖は神官のような恰好をした男を捉えた。
シシャリク「なっ……魔王の部下を手なずけた……そんなバカな……」
レア「シシャリクさん……次の相手は最強です……戦ったら絶対に勝てません」
シシャリク「えっ……レア様を恐れさせる相手……」
レア「私に合わせて下さい。」
シシャリク「は……はい。」
シーン「『戦鬼の間』」
レア「そういえばシシャリクさん、昨日のご飯美味しかったですね。」
シシャリク「えっ?レア様……いったい何を?」
レア「エルフ、神々、旧人類の美味しいご飯を集めた満願全席……私では……到底食べきれませんでしたよ。」
レア「私たちの世界には無い料理ばかりで、あんな美味しい料理があるなんて、この世界は凄いですね。」
レア「でも、シャルちゃんクラスの人じゃないと、あそこまでのゴチソウは中々食べれませんよね!!」
シシャリク「はあ?まあ、そうですが……」
ぐっぐうううううう
レア「捕らえよグラビティ・バインド!」
レアは三人目の四天王もあっさり捕らえた。
レア「さて、これで終了です。帰りましょう。」
シシャリク「えっ!?まだ魔王と四天王がもう一人……」
レア「もう大丈夫……アレは不要です。」
シシャリク「不要?」
レアは捕らえた四天王達を重力の鎖で繋いで連行して行った……
シーン「魔王の城前」
レア「降り注げ超重力グラビティ・ボム・マックスバースト」
黒い重力の塊が魔王城に落ちる。
魔王城が崩壊……瓦礫と化した。
レア「さあ、帰りますよシシャリクさん。」
シシャリク「なんという恐るべき力『最怖』とはこういう事……・」
レアはシシャリクの目をのぞき込む。5CMくらいの距離で……
レア「シ……シャ……リ……ク……さん。なんです? その不吉な……単語……字間違ってませんか?」
シシャリク(うっ……殺される………)
シシャリク「いっいえ……なんでもありません……二度と……二度と言いません。」
レア「そうですか、じゃあ……早く帰りましょうシャルちゃんが待ってますよー」
シシャリク(レア様………なんて恐ろしいお方………)
【神聖シヴァ帝国シヴァータ 玉座の間】
シシャリク「シャルローテ様、魔王と四天王の一人は魔王城ごと殲滅しました。この三人は四天王の生き残りです。」
レア「シャルちゃんの臣下だったのに魔王に忠誠を誓った裏切り者めっ!」
ストロガ「しゃっ……シャルローテさまあああああああ、ご無事でしたかあああ!!」
ロー「陛下っなにとぞっ……肩書はく奪はどうかお許しを!!」
ミディ「満願全席は???」
シャルローテ「そなた達…………」
ストロガ「我が魂、体はシャルローテ様の所有物。どうかお使い捨て下さい。おおおおおおん」
大男が涙を流しシャルローテにひれ伏す。
ロー「未来永劫、シャルローテ様を裏切りません!!だからっだから……この地位は……
パラディンの肩書だけは……はく奪だけは、お許しくださいいいい」
ローは土下座で何とかしようとした。
ミディ「おなか……すいた……ごめ……ん……なさい」
ミディは勿論、何も考えていない。
シャルローテ「まあ、良い。再び我に仕えるなら許してやっても良いぞ」
レア「あなたたちっ!シヴァ帝国の始光帝たるシャルちゃんに忠誠を誓うのですよっ!!」
三人「はっははあああ、シャルローテ様万歳」
シシャリク「このような凶悪な者たちを従えるシャルローテ様こそ真の覇者たる者……」
シャルローテ「で?どういう事なのじゃ?説明せよレア」
レア「はい……この世界に飛ばされ、飲み食いしたお金が払えず。親切な人に借金をしたんです。」
シャルローテ「親切な人には注意するのじゃぞ。まったく……懲りぬ連中じゃ……」
レア「そしたら……利子で大変な事に……借金が返せないのに暴飲暴食の挙句……バスターズを売り飛ばして……」
レア「親切な人。魔王と名乗る人の所で働く事になったんです。」
シャルローテ「うむ。何となくわかった……しかし奴なら平気で踏み倒しそうなものじゃが……」
レア「世界の半分をくれるって約束を……信じて……」
シャルローテ「ああ、そうか……もう良い。だいたい理解した。」
シャルローテ「さっさと皇帝竜を倒して帰るぞ……ママの元に……」
一同「いえす、ゆあ・まじぇすてぃ」
【3日後 神聖シヴァ帝国シヴァータ 玉座の間】
シシャリク「魔王の配下や支持者が続々とシヴァ帝国の臣下となっております。」
シャルローテ「うむ、大儀……よほどレアが恐ろしかったのじゃろう。」
シシャリク「はっ……そうですね……レア様………恐るべきお方………」
シシャリク「魔王城を一撃で粉砕した事実は天下に鳴り響いております。」
シシャリク「惨殺狂女、爆炎虐殺狂女、
最恐地獄女などと呼ばれ民衆に恐れられている模様です。」
レア「シ・シャ・リ・クさん………」
シシャリクの目の前5CMに突然レアの顔が現れる。
シシャリク「わっ私ではありません……言っているのは……民衆で……まだネクロノミコンが……途中で……命だけは……
ころさ……ないで……」
シャルローテ「これこれレアよ、シシャリクが震えておるでは無いか……仲良くせよ!」
レア「でもっでもっ私は『勇者』なのに、わーーーーん」
シャルローテ「しかし、このネーミングセンス……奴か?まあ、殺しても死にそうに無い奴ではあるがな……」
レア「まさか………また………奴が………私を貶めて………」
兵士「シャルローテ様、緊急事態です!!……わっ……れっレア様も……ごいっしょ……で……したか………」
入って来た兵士が棒立ちになりガタガタ震えだした。
シャルローテ「なんじゃ……何事か?」
兵士「はっ、失礼致しました…………ドラゴンの兵団が接近しています、凄い数です。」
シシャリク「ついに……ついに来たのですね………」
シャルローテ「シヴァ四天王とシナノを先頭に出陣じゃ!!」
シシャリク「はっ直ちに手配致します。」
レア「シャルちゃん……四天王じゃなくて……みんなで『バスターズの勇者』の方が………かっこいぃよ!!」
【神聖シヴァ帝国シヴァータ 街はずれ】
シャルローテ「ふむっ……万はおるか?」
シシャリク「はい……こんな大群は始めてです。」
シャルローテ「よしっ。遠慮はいらん。」
シャルローテ「殲滅せよっ!!」
レア、ミディ、ロー、ストロガ、シナノ「イエス・ユア・マジェスティ オールハイル シャルローテ」
シシャリク「まっ待ってください……何か……アレは人間?」
巨大なドラゴンの首に足首を縛られた男性が逆さにぶら下げられている。
シャルローテ「ぬ?あれは……ウェル?」
シャルローテ「人質のつもりなのか?」
シシャリク「シャルローテ様、おかしいです……ドラゴンは強いですが……
あのような知恵は無いはずです。」
ウェル「しゃっシャルローテさまああああっ……ロー、ミディ、ウェル……
れっレアあああああっ……たったすけてくれえええええっ」
レア「ウェルさん……………貴方の尊い犠牲はけっして無駄にはしません。」
レア「なまんだーなまんだー」
レア「ハデス・ジェノサイド・フルバーみがむが」
ミディがレアの口をふさいだ。
シャルローテ「なんじゃこれは?」
ウェル「まっ魔王が……魔王がドラゴンを……操って………」
シャルローテ「なに?」
シシャリク「ドラゴンを操っている?そんな馬鹿なっ!!」
シャルローテ「あまり気にしてはいなかったが……そもそも魔王を名乗る者は何者じゃ?」
シャルローテ「シシャリク……ネコロノミコンには何も書いて……なかっ……」
シャルローテ「まさか………そうか、そういう事か………お前は我が夫候補か?」
魔王デュルマ「流石に鋭いな未来の妻よ…………」
どこからともなく声が響き渡る。
シャルローテ「お前もこの時代に来ていたとは驚きじゃ。
ドラゴンを操る技術は未来の技術か?」
魔王デュルマ「皇帝竜を操る事は出来なかったが、この時代の殆どのドラゴンが我に従う。」
魔王デュルマ「未来の妻よ、今こそ手を取り、新世界をこの時代に作ろうではないか?」
シャルローテ「この時代に新世界じゃと?」
魔王デュルマ「そう、全ての歴史を作り直し、新しい人類の歴史をここから始める」
シャルローテ「ふざけるなっ!我がそのような戯言に耳を貸すと思っておるのか?」
シャルローテ「ロー、シナノっ、エクスマキナプロテクション多重展開」
シャルローテ「レア、全力でメテオを放てっ。ミディ練習通りにやるのじゃっ。」
レア「えっでもっそんな事したら……お城や町に被害が………」
ミディ「だい………じょう……ぶ」
レア「えっ?ミディさん?」
ミディは巨大な鉄棒を構えた。
レア「あれっ……ミディさんのバスターズ装備………そんなんでしたっけ?」
シナノ「それは伝説の剣聖イチロの使ったという聖剣エクス・ボルグをエルフの力で改良して
過去と未来でニコイチした最強剣。間に合って良かった。」
ロー「なんて無茶な……でも……ミディが大丈夫って言うならレアっ早く!!」
レア「はい。」
レア「星屑よ……蒼穹の彼方より来たれっメテオ・ブラスト・フルバーストっ」
ごごごごごごごっ
天空より地鳴りのような音が響く
シシャリク「なっ何が……何が……起こるんですか?」
シャルローテ「シシャリクよ、しかと網膜に刻んでおくのじゃ。我らバスターズの力を……」
シシャリク「はっはい……」
ごごごごごごごっおおおおおおおおおおっ
天空より無数の隕石が降り注ぐ
ウェル「わっわっわあああああああっ……やっやめっレアああああああっ……
俺を殺す気かああああああっ」
レア「なまんだーなまんだーなまんだーなまんだー」
ごおおおおおどどどどおおん
ドラゴン達の群れに隕石が降り注いだ。
巨大なドラゴン達もひとたまりもなく、次々と肉片に変わって行った。
レア「でもっ……こっちにも降って来ますよっ」
ミディ「もん……だい……な……い」
シナノ「エンジェリック・デルタ・ウイング」
ミディの体が宙に舞う。
レア「えっ?あれがミディさん???」
ミディの背中に光り輝く翼が生まれた。
ミディの姿が見えなくなる。
レア「えっ?これは……」
シナノ「こんな事もあろうかとミディさんと練習をしていたのですよ。」
降り注いで来た隕石がドラゴンの側に跳ね飛ばされる
がきいいいいいん。
甲高い轟音が響いた。
ごごごごっ
風を切り裂くような音が遅れて聞こえて来た。
ロー「なっ……音が……遅れて来たっ……音速を……超えているんだ……」
つづげざまに隕石が弾かれる。
がきいいい、がきいいい、がきいいい、がきいいい、がきいいい、がきいいい
数十の隕石が弾かれドラゴンの大群の頭上に降り注いだ。
真っ赤な湖が多数出現したが、すぐに隕石の放つ高熱で蒸発した。
シシャリク「これがバスターズの実力…………インビシブル・ミディ………」
シャルローテ「戦争ではなくドラゴンの大量虐殺じゃったなっ」
シャルローテはニヤッと笑った。
ウェル「レアああああああっ俺を俺を殺す気かああああああっ!!」
吊り下げられたドラゴンの頭が吹き飛ばされ、命からがらウェルが逃げて来た。
レア「さすがに……しぶといですねウェルさん……あの隕石の嵐の中で……」
ロー「ミディがわざと外したんだよ」
ミディが音も無く着地した。
ミディが撃ち返した隕石でドラゴン兵全てが焼き尽くされ肉片と化した。
ミディ「メ……テ……オ……ホーム……ラン」
シナノ「エンジェリック・デルタ・ウイングをこれほどまでに使いこなすとは……」
魔王デュルマ「すばらしい……すばらしいぞ……バスターズの力……そして我が未来の妻……」
シャルローテ「ふん、生きておったか」
魔王デュルマ「やはり過去、この時代の最大の脅威はバスターズだという事なのだな。」
魔王デュルマ「元の歴史で手負いの皇帝竜がバスターズに敗れたのも心底納得がいった。」
魔王デュルマ「この力があれば人間界、魔界、精霊界あるいは真理を倒す事すらも可能であるな、我に従えバスターズよ。」
シャルローテ「なに?なぜ我らが貴様に味方せねばならんのじゃ?狂ったか?自称魔王」
魔王デュルマ「突如として押しつぶされた我が居城……我と共に時を渡りし神官達の命と引き換えに我は願った……」
シャルローテ「なんじゃと?」
魔王デュルマ「我が体はそこの娘が潰してしまったからな……新たなる体が必要だったのだ。」
シャルローテ「新たなるからだ?」
魔王デュルマ「そうだっ……シャルローテよ、未来から召喚せし我が新たなる体……見覚えがあるだろう。」
閃光が走り、光が一点に集約して行く……
女性の姿がそこにはあった。
シャルローテ「ママあああああっ!!」
魔王デュルマ「そうだ、シヴァ・シャルローテが母『シャンテ』を召喚し、魂を融合したのだっ!」
魔王デュルマの表情が一瞬変わる
シャンテ「しゃっしゃる……生きて……生きていた……のですね………」
シャルローテ「ママ……本当のママ……」
シャンテ「シャル………私を………わたしを………殺しなさい………」
シャルローテ「ママを私が……ママを殺せるはずが無い……」
シャンテ「レアさん……ミディさん……ローさん……はやく……はやく……わたし……を殺し……て………
この男の目的は…………はやく………」
一瞬でシャンテの顔が邪悪な笑みに変わった。
魔王デュルマ「時を超えた親子の再会は感動的だ。この運命……美しい。」
レア「重力の鎖よ邪悪なる者を拘束せよっグラビティ・バインド!」
重力の鎖が魔王デュルマを拘束する。
シャンテ「あああっ、くっ苦しい苦しい……
痛いっ痛いっ、たすけて………シャルローテ」
シャルローテ「レアっやめるのじゃ、ママが苦しんでおる。」
レア「うっ……………」
レアは重力の縄を緩めた。
シャンテはニヤッとイヤらしい笑みを浮かべた。
レア「今の……はシャンテ様じゃなかった……」
魔王デュルマ「シャルローテよ、我に従え。我に従えば好きな時に母に会わせてやるぞ。」
レア「なっ……なんて卑劣な………」
シナノが何かぼそぼそ呟いている
シナノ「デイタム……固定完了………エルフィン・ハープーン……うちーかた始め……
ポップアップモード、誘導初めっ」
護衛艦こんごう改から放たれたエルフィン・ハープーンは地上すれすれを飛翔し天高くポップアップした。
シナノ「魔王よ……滅びるがよい」
ロー「えっ?護衛艦こんごう改より、エルフィン・ハープーン飛翔中!?」
シャルローテ「シナノ貴様かっ!? ロー自爆じゃっ。」
ロー「まっ間に合いません。」
シャルローテ「ミディ、ママを守れっ」
ミディは音速の翼で飛び上がり、上空から飛来するエルフィン・ハープーンを魔王デュルマの手前で撃ち砕いた。
魔王デュルマ「インビシブル・ミディ……忠道大儀である。」
シャルローテ「ストロガ、シナノを拘束するのじゃっ」
ストロガはシナノを一瞬で組み伏せ、物凄い顔でデュルマを睨みつけた。
ロー「カーシャ!!聖大河教団、枢機卿の魂を対価としシャンテ様からデュルマの魂を分離せよっ」
レア「おおっ、その手が!!さすがローさんっ!!!」
カーシャ「無茶言わんとって下さいよローはん……混ぜたお好みソースとマヨネーズを分けるんはさすがに
無茶でんがな。混ぜるのはごっつ簡単ですけんど~」
魔王デュルマ「真理……時空連続体の中でカーシャの名を継いでいるのであったか…いずれ我は……
そなたの隣に立つであろう。」
カーシャ「あれ?プロポーズでっか~ごっつテレまんな~。でも、わての好みとちゃいまんな~」
魔王デュルマ「ふっ……ではシャルローテ。私は再びドラゴン兵を集めねばならん。今日の所はこれで帰るとしよう。」
魔王デュルマ「そうだ、皇帝竜に挑む前に結婚式を開催しようではないか……
10日後が良いであろう、結婚式の準備を進めておくのだ、よいな10日後の花嫁よ」
シャルローテ「ママ………」
レア「…………………………………………………………………………………………………」
【3日後 神聖シヴァ帝国 帝都シヴァータ 玉座の間】
レア「シシャリクさん……シャルちゃんは……」
シシャリク「お部屋に籠られています。」
ストロガ「くっ……なんと卑劣な男かっ……あのような男に仕えていたと思うと……反吐が出るっ」
ロー「シャルローテ様があの調子じゃあ、手が出せないよ。」
シナノ「この世界線はネクロノミコンに記された世界とは別物……この書とて、この事態には対応しきれない……」
ストロガ「だからといって……シャルローテ様があのような輩と結婚……ぬぬぬぬっ……許せぬ、我は絶対に許せぬぞっ!!」
レア「このままじゃ……私たちもあの邪悪な男の手下に……」
ウェル「あのヤロー、世界の半分の話をちゃっかり無かった事にしやがって……許せん!!」
レア「シンジテ…イタノデスネ……」
ウェル「やっちまうか……………」
レア「ウェルさんっ気持ちは解りますが………シャンテ様を傷つけるのはシャルちゃんが許しません」
レア「なんとかシャンテ様を傷つけずにシャルちゃんの結婚を阻止する手だてがあれば……」
ウェル「俺は…………………覚悟を決めたぞ」
ウェル「俺がシャルローテの結婚を阻止する。まかせておけ!!」
レア「えっウェルさん?あなたウェルさんですよね??」
ウェル「ああ、シャルローテは俺に任せろ。」
ウェル「そしてシナノ……シャンテ様を救うにはお前の力が必要なんだ。」
ウェル「お前は…不意打ちとはいえ……フォルトの兄貴を倒したほどのスゲー奴だ。」
シナノ「???」
ウェル「そして、このバスターズ装備を初めとして色々な物を生み出した超天才だ。」
ウェル「魂の分離、あるいはデュルマの魂だけを殺す方法も必ず見つけ出せるはず……」
シナノ「いやっ……ウェエル殿は私を買いかぶっておられる……私にそのような事は到底………」
ウェル「大丈夫だ、俺に任せておけって。」
ロー「カーシャ、聖大河教団の皇王猊下の魂……どのぐらいの値段なんだい?」
カーシャ「枢機卿の100万倍で買い取らせていただきまんがなっ!!」
カーシャ「でも混じり物だと二束三文でっせ~」
ロー「そうかっ………ふっふふふふっ……それはいいね」
ローはいつもより悪い顔をしていた。
ウェル「俺にまかせろ、世界の半分より美味しい事に……ふふふふっ……」
ウェルは輝いていた。
【婚礼の日 教会】
シャルローテ「………………………………………………」
ウエディングドレスに身を包んだシャルローテは虚空を見つめている。
シシャリク「シャルローテ様………なんでこんな事に………」
現在では世界唯一の神官であるシシャリクが二人の婚姻を聖大河に代わり認める立場にある。
魔王デュルマ「どうしたのだシャルローテ、喜ばしい婚儀の席だというに……
もっと微笑まぬか。シャンテも心配しておるぞ」
デュルマはニヤリと笑った。
参列する家臣たちも一応に言葉数が少ない。
儀式は進み、神官のシシャリクが誓いの言葉をシャルローテとデュルマに尋ねる。
シシャリク「聖大河の流れに婚姻の誓いの言葉を……
この誓いは永劫の契りを約束するものであります。」
デュルマ「我は生涯シャルローテを妻とし愛する事を誓う」
シャルローテ「………………………………………………」
シシャリク「シャルローテ様、誓いの言葉は?」
シャルローテ「………………………………………………」
デュルマ「よい、口づけをもって婚姻の誓いの証とする。」
デュルマはシャルローテを抱き寄せた。
ウェル「その結婚っ待ったああああ!!」
玉座の間の扉が急にあけ放たれる。
ウェル「シャルローテ聞いてくれっ、俺……俺が間違っていた………
世界の半分なんかより俺が本当に欲しいのはシャルローテ……お前なんだっ」
レア「えっ……ウェルさん……なっなにやってるんですかっ!?」
ウェル「俺と結婚してくれっ」
レア「なっなっなあああああああ!?」
ストロガ「その手があったかあああああ、では私もお願いします。」
ゴン
音速を超えた何かがストロガをぶん殴りストロガは倒れた。
ミディ「おま………えは………だま………れ………」
ウェルはシャルローテに真剣な眼差しを向ける。
ウェル「俺は気が付いたんだ、もしお前と結婚したら一生………遊んで暮らせるって事に!」
デュルマ「なんだ!?結婚式の余興に道化を招いたつもりは無いぞ?」
デュルマ「貴様に世界唯一皇帝が勤まると思っているのかっ」
ウェル「大丈夫だ!!仕事も家事も育児も全てをお前に任せる!解ってくれシャルローテ……
俺は働きたくないんじゃない!毎日遊んで暮らしたいんだ!!」
レア「クソっ……ダメ人間………最低………クソに謝れウンコ以下………」
シャルローテ「………………………………………………………」
デュルマ「シシャリク!さっさとそこの者を追い出せ!」
ウェルはゆっくりと二人に近づく
ウェル「魔王デュルマ……よくも世界の半分の約束を保護にしたな」
ウェル「お前の敗因は俺の遊んで暮らしたい欲求を甘く見た事だ。」
デュルマ「もう茶番はよい……うせろ下郎」
ウェル「さあ、シャルローテ俺と一緒に来てくれ!」
シャルローテ「………………………………………………………」
ローはニヤニヤしている
レア「ローさん、なにニヤニヤしてるんですかっ!こんな大変な時にっ!」
ロー「レア、前にも言ったじゃないか、ウェルは負ける戦いには参加しないんだよ」
レア「うっ………ものすごーくイヤな感じが………」
シャルローテは涙を流しうつむく。
シャルローテ「ウェル………ママを救うには………予にはこれしか………出来ぬ。」
スパーーーーーン
ウェルがシャルローテの頬っぺたをひっぱたいた。
レア「なっ!?」
ウェル「ママと幸せに暮らす為なら、神々すらも超越するんじゃなかったのかシャルローテ、いやシャル」
ウェル「娘が苦しみ続ける姿を見ながら生き続けるのがママの幸せだと思うのか?」
赤く腫れたほほを手でかくしシャルローテは涙ぐむ
シャルローテ「しかし………」
ウェル「任せろっ!救ってやる。お前も、お前のママもっ!全ては俺の幸せの為だ。」
ウェル「俺は人には嘘をついても自分の欲望は決して裏切らない。」
ウェル「さあ、俺の手を取れ」
ウェル「諦めるなっホーリー・シャル」
その名は失った本名、シヴァ皇帝になる前の名、母に与えられた名と母の性
シャル「ウェル」
シャルはウェルの手を取った。
シャル「解った、我はそちを信じよう。」
シャル「本当に我と結婚しても良いのか?苦労するぞ」
ウェル「安心しろ、俺は苦労をするつもりは無い。」
ウェル「そして浮気もする、側室も沢山もつ、毎日毎日、
朝から晩まで酒池肉林の日々を送るだろう。」
ウェル「特にお前の事は好きでも何でもないし、幸せにするつもりも無い。
全ては俺の幸せの為なんだ。」
ウェル「結婚してくれシャル」
シャル「我はそなたのようなゴミクズを捨て駒以上に見た事は無い。」
シャル「じゃが信じよう……我とママを助けてくれ、我が夫ウェルよ」
シシャリク「ここに誓いの儀式は完了しました。」
シシャリク「新たなる伴侶に聖大河の祝福あれっ」
がらーーん、がらーーん、がらーーん
婚礼を知らせる鐘が鳴り響く
国中の教会から祝福の鐘がなった。
デュルマ「お前たち…………」
シャンテ「私は認めません。シャルローテやめるのです。」
シシャリク「シャンテ様……残念ながら手遅れです。二人は聖大河の誓いを済ませました。」
シャンテの顔が醜くひきつる。
ロー「まーさーかー聖大河教団の教皇様が聖大河の誓いに意義を唱えるのでーすーかー??」
ウェル「結婚阻止は成功したな。」
レア「シャルちゃん。本気っ!?コレと結婚するならゴキブリと生涯を共にした方が幸せですよっ」
シャルローテ「これこれ、我が夫を悪く言うではない。まったくその通りだとは思うが……
修羅の道を歩む我の夫にはゴミクズくらいが相応しいのかもしれぬ。」
シャルローテ「それに我は自らママと幸せになる。夫の力など不要じゃ。
ウェルも生涯飼い殺してやれば満足じゃろう。」
ウェル「うっひゃあああ、生涯遊んで暮らせる未来きたああああああああっ!
シャルの権力と地位を……俺は愛してるぜええええっ!!!」
デュルマ「貴様らっ何をしたのか解っているのかっ!!」
デュルマは完全に取り乱している。
そんなデュルマにそっとレアが近づいた。
レア「安らかなる眠りを……ヒュピュノス・スリープ」
完全に虚を突かれたデュルマは昏倒する。
レア「普段の貴方なら絶対に対応出来たのでしょう。
あなた程の人が……ゴミクズに動揺させられるなんて……」
レア「最低のゴミクズが優秀な王を倒す……優秀だからこそゴミクズのカスっぷりが予想外だったのですね……
今は安らかにお眠りくださいデュルマ皇王、シャンテ様」
デュルマとシャンテは深い眠りについた。




