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第六章 -皇帝竜-

【魔土 イスナの庵】


レア「さて、これからどうしましょう?」


ウェル「いっその事、このイスナの庵をウェル・グラードと命名して俺が王様になれば……」


レア「すぐにドラゴン達が押し寄せて三日天下確実ですよ。」


レア「コルゴーンに乗ってどこまでも、どこまでも彼方に旅に出るのはいかがでしょうー」


レアは完全に現実逃避をしている。


ロー「いやっ……ラグーンの外は人の住める場所じゃ無いんだよ、いくらコルゴーンでも……」


レア「でも行ってみなきゃ解らないじゃないですか?」


ロー「昔、皇帝竜を倒すために全世界の核弾頭を奴に叩き込んだんだ……

   それでも倒せなかったけどね……その影響がまだ残ってるから……」


レア「かくだんとう?」


ロー「そう、その毒素がまだ残っている所が各地にあって……

   場所によっては10分と持たない地獄なんだ……」


レア「八方ふさがりですね……ラグーンには帰れないし……ん?」


レア「でも倒せたんですよねエンペラー・ドラゴン?」


ロー「ああ、人間、精霊、悪魔、神々が協力して倒した……と……

   あ、まてよ……あそこは神言と悪魔言なのかな?」


ローはネコロノミコンを開きぶつぶつ言い出した。


ストロガと兵士たちが偵察より帰ってきた。


兵士「レア様……潜伏中の兵士よりラグーンの情報が手に入りました。」


レア「ありがとうございます。」


レア(でも何で私に渡すの?リーダーは『いちおう』ウェルさん、騎士団長はストロガさんなのに……?)


ストロガ「奴ら、レッドクリフに集結しつつある……いよいよ魔土を制圧するつもりらしい。」


ウェル「いよいよか………でも、コルゴーンに乗ってれば無敵じゃないか?」


ウェル「あの船をウェル・ブルクと命名して俺が王様になれば……食料は何故か出てくる訳だし……」


ロー「それは無理みたいだよ……『奴が目覚める』この記述やっぱり……皇帝竜復活を予言しているんだと思う。」


ロー「暗号を説くと『太古の竜には言葉が通じない、治世は終わり恐怖が全てを支配する』」


ロー「それに……別の記述があって……」


ロー「曇天どんてんにマまじょ怒り狂う、○終わり、かなしきかな。

   ……やっぱり〇は世界なんじゃないかな?」


ウェル「あー滅びるのか世界……」


ロー「さらに続きが……」


ロー「勇者たちは消え盛大に弔われるであろう、過去へ消えた者たちの未来は誰にも解らない。」


レアは紙束を握りしめプルプルと震えている。


レア「デュルマ………でしたっけ……アイツ………

   どうせ死ぬならラグーンに降らしてあげましょう……」


レア「隕石と血の雨を……」


ストロガ「れっレア殿?どうなされた??」


兵士たちが腰を抜かす。


レア「ローさん……フォルトさんは召喚出来ますよね?」


ロー「出来る……けど………」


レア「じゃあ二人で全力メテオ・ブラスト撃てますね……ラグーン城は確実に灰に変えられるって事ですね。ふふふふふっ」


ロー「いやっ……だからあの魔法は全力で打つと危険で……ラグーン城どころか……皇都ごと吹き飛んじゃうって……」


レア「いーじゃないですかっ!どうせ滅びるんなら私が滅ぼしたって変わりませんよ。

   ローさんもドンドン打ちましょうよミサイル」


ロー「レア……どっどうしちゃったの?」


レア「ストロガさんもシャルちゃんの仇、打ちましょうよ。

   デュルマの首をハネて……

 コルゴーンの船首に飾りましょうよ。ねえねえねえ。

 それが忠義じゃないんですか?」


ストロガ「レア………殿?」


レア「ミディさんも黙って殺されたら、もうゴハン食べれませんよ。

   最後にラグーンのゲズ共を血祭りにして、焼肉パーティしましょうよ。うふふふふっ」


ミディ「れ……あ?」


レア「だって、世界が滅びるなら何してもい-ーーーでしょう? 違いますかあ?」


ウェル「レアさん……どうなされました?いや、その、あの……

    今の発言は『勇者パーティ』としてはイカガナものかと??」


レアのあまりの狂いっぷりにウェル程の者が敬語になる。


レア「はあ?勇者?私たちはシヴァ四天王……悪の軍団ですよっ。何を今さら……

さあ、行きますよ皆さん。デュルマをぶっころしに……ひゃっはあああああ」


ウェルは腰を抜かし失禁をしている兵士に小声で語りかける。


ウェル「どうした…………何があった?」


兵士は震える手で紙束を差し出した。


ウェル「ん?俺たちの手配書じゃないか?

    俺は1億2千万……ずいぶんと高いな、ミディも同じ、ローは2億か?」


ウェル「まあ、天罰下せるしな。レアは3億………あっ…………」


ローが手配書を覗き込んだ


ロー「レア 容姿醜悪にして匂い臭し、獣の匂いと酸っぱい匂いがするので、匂ったら注意!、

      性格は狂暴、残虐、キチガイ」


ロー「幼児愛好者の男にフラれて以来、〇〇〇をかみちぎる事を日課としていると言われている。」


ロー「自分が気に食わない事があると周りを皆殺しにする癖あり。」


ロー「うわーひどい悪口だね。まるで子供みたいな挑発。」


ロー「でも、主観の問題だよね。一部事実だし……。〇〇〇は……ヤサイ、オニクかも知れないよね?」


ウェルは何故かダラダラと冷や汗を流し始めた。


レア「ねえねえ、ローさん。」


ロー「はっはい、何でしょうレア様」


ローはもうダメだ…恐怖でレアに抗えない。


レア「一人だけなんだか色々知っているようですけど……そろそろ教えてくれません?ねえ?」


ロー「はっはい……このネクロノミコンは世界の事や技術の事が暗号で書いてありまして……

   未来の事も書いてある予言の書でもあります。」


ロー「著者はシシャリク、太古の巫女らしいのですが詳細は謎です。」


ロー「また、バスターズと呼ばれる一団がいかに皇帝竜を倒したのかも記されておりまして………」


ウェル「ロー、だめだっそこまでにしておけっ」


レア「え~?何でですか~どうせ滅びちゃうんですよ~ならいっそここで……」


ローの毛穴が全開で冷や汗を排出する。


ロー「レア様、お待ちをっ!!」


ロー「コルゴーンやメテオなどの魔法、ストロガのエクステンド・カリバーもバスターズにカウントされています。」


ロー「バスターズの勇者たちの為に作られた武器と防具……これもバスターズです。」


レア「そうなんですか……」


ロー「エクステンド・カリバーだけが何故か管理者の手元を離れストロガの手に……」


ストロガ「これは我が家に伝わる家宝なのだが……そんな秘密が……」


レア「管理者?」


ウェル「だめだロー、その辺にしておけっ……それ以上は言うなっ。」


レア「なまんだーなまんだーなまんだーなまんだー」


ウェル「なんだその不吉な呪文は?」


ロー「レアっ落ち着いて……というかその呪文知ってたんだね……

   これから死に行く者に…たむけたといわれる呪文」


レア「みんな、みんな、みんな、しんじゃえばいーーんですよっ。あーはははははははっ」


ロー「ばっバスターズの武器や防具は聖篭せいろうの洞窟の中に……でも……番人がいて……」


ウェル「ロー、もういい。後は俺が話す。」


ウェル「昔だ……俺たちは財宝目当てに聖篭せいろうの洞窟に入ったんだ。」


ウェル「そして、番人にフォルトが殺された……串刺しに……なったんだ。」


ミディ「おにい……ちゃ……ん」


ウェル「それ以来、ミディは先端恐怖症に……

    限界を越えた神々の治癒呪文を不正な方法で使ったローは神から見捨てられた……」


レア「そして、ウェルさんはやる気を失ったと……」


ロー「いや、昔からこんなんだよ。」


レア「ダメ人間っ。」



【ラグーン城 玉座】



大臣「しかし、あの手配書はあまりにも下品ではありませんでしたか?」


デュルマ「かまわん。あの文章はシヴァ帝国側からのリーク情報であるから……ある程度は真実なのでは無いか?」


大臣「確かにそうですね……」


大臣「降伏を勧告いたしますか?」


デュルマ「そうだな、彼らの戦力は無視できぬ……」


デュルマ「それよりも皇帝竜の調子はどうだ?」


大臣「はい、目覚めました……今は洗脳と艤装ぎそうを行っております。」


デュルマ「人類の守護神として未来永劫、民たちを守ってくれる。」


デュルマ「我ら人類に永遠の平穏が与えられるのだ、そして真理への道となるであろう。」



【西暦2100年 シャルロテーの離宮】



シャルローテ「ふむっ、状況は理解したぞ。」


シャルローテ「かく攻撃と言ったか……それで奴は大分弱っておるのじゃな。」


シシャリク「はい、しかしこれ以上使えば世界は滅んでしまいます。」


シナノ「失礼いたします」


線の細い美しい姿をした男性が玉座の間に入ってきた。


シシャリク「光帝陛下、こちらはシナノ様……神々の力を受け継ぐただ一人のお方です。」


挿絵(By みてみん)

シナノは膝を付きシャルローテにかしずいた。


シャルローテ「そなたがシナノか……我が時代までその名は届いておるぞ。」


シナノ「もったいなきお言葉……」


シャルローテ「バスターズ装備、そなたが作ったそうじゃな。」


シナノ「えっバスターズ装備ですか?

    私は太古から引継ぎし遺産と人類の科学を融合させる実験は行っていますが……

    今だに到達しておりません。」


シャルローテ「そうか……まだ、完成していないのだな……で、『コルゴーン』は完成したのか?」


シナノ「『こるごーん?』 ああ、護衛艦こんごう改ですね……

    艤装ぎそうは完了して後は魂に火を灯すだけでございます。」


シャルローテ「魂に火を……それはアイン・ト・プフの事か?」


シナノ「はい、よくご存じで……」


シャルローテ「我は未来から来たのじゃ……そなたらの知らぬ事も沢山しっておるぞ」


シナノ「はっ失礼致しました。」


シナノ「非人道的と思われますか?」


シャルローテ「仕方あるまい……状況が状況じゃからな。」


シャルローテ「二人に会えるか?」


シナノ「もちろんですとも……」



【シヴァ帝国歴 5023年 聖篭の洞窟】



レア「ネクロノミコンの著者のシシャリクさんは何で未来が見えたんでしょう?」


ロー「実際に未来を見てきた人と知り合いだったと思うんだけど……」


レア「実際に見てきた?未来を?」


ロー「ミディやレア、僕の事も書いてあるんだよコレ……勘違いも多いけど……」


ロー「あと、この本は本物なんだけど、デタラメで不完全な写本も出回っているんだ。」


ロー「僕も一冊持ってたけど……あまりにもデタラメで……コルゴーンに乗るまでは半信半疑だったんだ。」


ロー「シャルローテ様が王宮で読んだ写本は僕の写本より制度が高くて、技術的な事以外は完全なモノだった。」


レア「そう考えると……色々不思議な事が説明出来ますね。」


ロー「他国の紙幣を紙切れにする方法やシヴァ銀行の頭取の弱み、バスターズの事も……」


ロー「あの若さで国、経済、銀行を支配できた秘密はこの本の存在だったんだ。」


ウェル「ギャンブル無敗も夢じゃないな、で……どこまで書いてあるんだ?」


ロー「多分、今日で終わり……」


ウェル「やはり〇は世界の事か……」


雑談をしているうちに巨大な扉の前に出た。


ウェル「ストロガ、レア……気を付けろ……この中にいる奴は……とんでもないバケモノだ。」


レア「フォルトさんを殺した程の相手ですね……」


ストロガ「私は未だに信じられん……まさかフォルトを倒すほどの者がいるとは……」


ぎいい、扉が開く。


挿絵(By みてみん)


シナノ「久しいのうミディ、ロー、ストロガにレア……懐かしい顔ぶれじゃ」


レア「懐かしい?どこかでお会いしましたっけ?」


ロー「こいつが神々の最後の生き残り……シナノ」


シナノ「また我に挑もうというのか愚か者どもよ……」


レア「うっ……ええええっ……あなたが……シナノ様?魔導書にもよく出てくる名前です。」


シナノの体が光りだす。


丸い球体、複数の手足がデタラメに生えている、苦悶の表情を浮かべる顔が付いている。


レア「なんて……なんて姿……」


シナノ「我は……奴を倒すために全てを捨てた。娘たちを生贄に捧げ……

    体を改造し、究極の生物へと進化したのだ。」


シナノ「見るがよい勇者たちよ……この醜き姿。我こそは究極の進化を遂げた生物の頂点……

    『ビ・ボルダー』」


シナノ「さあ、私を倒せると思いあがっているのであれば……かかって来るが良い。」



【西暦2100年 玉座】



???「失礼します」


同じ顔をした二人の少女がシャルローテの前に跪いた


シャルローテ「アイン・ト・プフ……そなたがポトフか?」


実体がある、半透明ではない生身の二人の少女だ。

髪の色以外で見分けるのは不可能だろう。


アイン・ト・プフ「光帝陛下……お会い出来て光栄です。アイン・ト・プフと申します」


ポトフ「ポトフ・ト・プフと申します。以後お見知りおきを……」


シャルローテ「かしこまる必要は無い。わが友よ……また会えて嬉しく思うぞ。」


アイン・ト・プフ「もっもったいなきお言葉……また?」


シナノ「我が娘達を友と呼んで頂けるのですか?シャルローテ様……」


シャルローテ「我が娘?そなたの娘なのか?」


シナノ「はい、精霊王だった我が妻に似て美しく育ったと……親バカですかな?」


シャルローテ「いや、アイン・ト・プフ、ポトフ・ト・プフよ、我らは年も近い。我の永劫えいごうの友となれ。」


アイン・ト・プフ「はっシャルローテ様……生涯の忠誠をもって、御恩おんこに報いる所存です。」


ポトフ・ト・プフ「本日の栄誉えいよ、未来永劫忘れません。」



【シヴァ帝国歴 5023年 聖篭の洞窟最深部】



ミディはシナノの攻撃を受け流して処刑剣を当てるがダメージは無い。


ストロガのエクステンド・クロスもシナノに弾かれる。


ロー「やっぱり……手に負えない……」


シナノ「なんだ、この程度か?」


レア「シャイニング・スパーク」


レアの杖から放たれた光線はシナノに当たる前に吸収された。


シナノ「レア……この狭い部屋ではどうしようもあるまい。」


シナノ「虐殺爆炎娘の2つ名も…かたなしだな。」


レア「あん?」


レア「今、なんて言ったオマエ?」


ウェル「いや……その……まあ、落ち着きましょうね…レアさん。」


レア「地獄の底から蘇れケルベロスの火炎……大罪の炎よ全てを滅する槍と化せ、

   ハデス・フレア・グラビティ・レイ」


地獄の火炎が黑き重力の塊で包まれ……槍が生まれる。


レア「地獄に落ちろっ。メギド・グラヴィティ!!」


重力でくるまれた炎の槍がシナノを貫く。


シナノ「ぐぐおおおおおおおっ、馬鹿な……我が体……物理攻撃も魔法も効かぬはずなのに…………なぜっ」


レア「重力こそ原罪の重み。魔法も打撃も効かないアナタ……でも重力には逆らえませんよね。」


レア「ローさん、サモン、速くっ!!」


ロー「はっはいレア様。で……誰を召喚しましょうか?」


ローも今のレアには逆らえない。


レア「もちろん、グラビティの申し子。フォルトさんです!!」


ロー「ははっ直ちに!!」


シナノ「さすが……シヴァ四天王『最怖さいきょう』のレア……あいかわらず恐ろしい娘。」


レア「ああん?字が間違ってませんか?………シナノさま!?」


レアは残忍な笑みを浮かべた。



【西暦2100年 シャルローテの寝室】



シャルローテ「そうか、アインは料理を作るのが好き。ポトフは食べるのが好き。理想の姉妹じゃな。」


アイン「今度、シャルローテ様にもお召し上がり頂きたいです。」


シャルローテ「それは楽しみじゃな……ああ、そうじゃ。予はカレーなる食べ物が好物であるぞ。」


ポトフ「アインの作るカレーは美味しいんですよ。なんでも海軍のカレーだとか?」


アイン「はい、お父様が教えてくれた自衛隊のカレーなんですよ」


シャルローテ「自衛隊の……護衛艦のカレーという事か………シナノ…………」


ポトフ「シャルローテ様、どうなされました?」


シャルローテ「いや、何でもない。せっかくの『ぱじゃまぱーてぃ』とやらで暗い顔は無しじゃな。」


アイン「はい、私はシャルローテ様の笑顔が大好きです。」


ポトフ「私もシャルローテ様が大好きですよっアインよりも!」


アイン「もーーーーポトフより何倍も私の方が大好きですよっ!!」


シャルローテ「これこれ、喧嘩するでない。我もそなたたちが……だい……すき……じゃぞ……わが友よ……」


シャルローテは真っ赤になった。



【シヴァ帝国歴 5023年 聖篭せいろうの洞窟最深部】



ロー「サモン・フォルト」


カーシャ「あざーす。ほい。」


フォルト「ローお前か……俺を呼び出したのは……」


ロー「うん、久しぶりだねフォルト、前は不完全だったから魂までは召喚出来なかったけど…

   今回は意識もサルベージ出来たよ」


ミディ「お兄ちゃん……」


フォルト「ミディ……寂しい思いをさせたな。」


フォルト「ウェル、俺が死んで……リーダーとして苦労したのか?」


ウェル「アニキ……本当に苦労したんだぜ!」


レア「いやっ……してませんよ……苦労」


ウェル「君は……ああっ咲花温泉の旅館の……」


レア「レアです。」


ウェル「レア……あの人の面影があるな。」


レア「あの人?」


ロー「わーわーわー、何でもない。それよりフォルト……シナノを今度こそ倒すんだ。」


ストロガ「フォルト……再び共に戦えて嬉しいぞ」


フォルト「ストロガ……まだ逮捕されてなかったんだな。」


レア「はい、不思議な事に……」


フォルト「さて、シナノ……よくも俺を殺してくれたな。地獄まで付き合ってもらうぞ!」


シナノ「かかって来るがよい、バスターズよ。」



【西暦2100年 実験室】



アイン・ト・プフ「シャルローテ様……お別れです。」


ポトフ「お会いできて幸福でした。」


シャルローテ「すまぬ………しかしっ……必ず、必ずまた会える。」


シャルローテはアインとポトフを抱きしめる。


シナノ「我が娘達よ……不甲斐なき父を許してくれ……バスターズのいしずえとして二人の力が必要なのだ。」


アイン「お父様……私たちは解っています。現存する唯一の護衛艦『こんごう』と

    潜水艦『そうりゅう』をエルフィン改して最強のバスターズを作り出すことこそが、

    唯一世界を救える道だと。」


ポトフ「そして私たちが船と一体となって戦わなければ……皇帝竜には勝てません。」


シナノ「すまぬ……」


シャルローテ「いつの日にか……迎えに行くぞ……

       たとえ宇宙そらの彼方であろうとも……」



【シヴァ帝国歴 5023年 聖篭せいろうの洞窟最深部】



フォルト「グラビディ・アロー」


シナノの体に重力の刃が突き刺さる。


フォルト「ミディ、撃ちこめっ」


ミディ「やる」


ガンゴンギン


ミディは突き刺さった重力の刃をシナノの体に押し込んでゆく。


シナノ「ぐっふぁあああああ」


レア「星々よ、わが身を介して現れよ……グラビティ・プラネット・ハイパー・ノヴァ」


レアの杖から放たれた重力の絡まりはシナノの口に飛び込み一気に膨張した。


シナノ「ぐうううううはあああああああっ……グラビティをここまで使いこなすとは……さすがはバスターズ……」


シナノ「しかしっ、しかし許せん、ゆるせんのだ。我は娘達すら生贄に捧げた……

    それなのに……我を……このような所に閉じ込めて………」


シナノ「アインとポトフを魂の牢獄に閉じ込めたままっ………

    シャルローテ………憎い……憎い……バスターズ」


レア「えっ?アインちゃんやシャルちゃんを知ってるんですかシナノ様?」


シナノ「アイン・ト・プフは我が娘……我をここに閉じ込めたのはシャルローテ……

    何故だっ皇帝竜を破った後も……私を閉じ込めるっ」


ロー「シナノ様自身が強大になりすぎ、世界の新たなる脅威になってしまったのです。」


ロー「ポトフは残念ながら……爆散しましたが……アイン・ト・プフは健在です。元気にやっています。」


シナノ「『そうりゅう』が爆散したか……しかしアインが生きているのであれば……」


ロー「ん?、僕は何か勘違いしているのかな?」


ロー「そして奴は蘇る、それに備えたんだと思います。あのお方は……」


シナノ「奴が……蘇る……だと?」


シナノ「???」


シナノ「この瘴気……まさかっ……」



【ラグーン城】



デュルマ「民たちよ、シヴァ帝国は滅んだ……今こそ魔獣たちを一掃し、

     魔土を奪還し、恒久平和を成し遂げる時。」


デュルマ「我らラグーンを永劫の幸福と最強の国家たらしめん……

     なぜか?神々が蘇り、我に従っておるからじゃ」


デュルマ「さあ、いでよ……皇帝竜と竜戦士たち……」


巨大な魔方陣から三つ首の巨竜が現れた。


民衆たちがどよめく……


デュルマ「かつてこの世界を一度滅ぼしかけた皇帝竜。

     今はは我が友、我が家臣である。」


デュルマ「この力があれば魔土の奪還も容易き事……」


デュルマ「さあ、皇帝竜よ……皆に挨拶をしてみせよ。」


皇帝竜「ごごごごごっ……」


皇帝竜の三つ首が一斉に東を向いた。


デュルマ「どうした皇帝竜、早く挨拶をせぬかっ」


技師たちが駆け寄って来る。


デュルマ「なっなに?」


皇帝竜の首の一つがデュルマに向いた。


皇帝竜「ぎゃるおおおおおおおおう」


皇帝竜の口からレーザーブレスが放たれる。


デュルマ「ばかなっ……洗脳………しきれなかったのか!?」


一撃で皇都ラグーンの人口の半部が消え去り、皇帝竜はまっすぐに東へ向い飛んで行った。



聖篭せいろうの洞窟最深部】



シナノ「お前たち……急げ……奥にバスターズがある……早く装備しろっ」


レア「えっ?突然どうしたんです?


シナノ「奴が……来る……」


シナノ「我を倒しに来る……いや?お前たちか?お前たちの力が奴を呼んだのか?」


ロー「恐らく……両方、シナノ様と我ら……バズターズが一同に会した事を……奴は脅威と認定したのでしょう。」


レア「奴?」


シナノ「皇帝竜……エンペラードラゴンだ。」


レア「本当に……存在したんですね、エンペラードラゴン………ピンクですか?」



【宝物殿】



ウェル「ここがっ……お宝はどこだ?」


ロー「これはウェル、これはミディの装備だね。……そしてそこの一角がレアだよ。」


ロー「この大きいのはストロガ専用鎧……僕のはコレかな?」


ロー「早く装備しよう」


4人は防具を身に着ける。


ウェル「おおっ軽くて動きやすい!」


ロー「なんていう防御力……さすがは科学と魔法と神々の力で作られた僕たちだけの装備。」


ミディ「と……がって………ない。イイ……かん……じ」


聖剣の輝きを持つ新しい処刑剣をミディは試し振りしてみた。


レア「いやです」


ロー「え?」


レア「私、これ着たくありません」


ロー「いやいや、伝説の勇者の装備を僕らは手に入れたんだよ!!」


レア「無理です。」


ウェル「何を聞き分けのない事を……さっさと装備しろよ。」


レア「こんな露出度の高い……エッチな服は着れませんっ!!」


ロー「いやいや、布が覆っていない所を使用者の魔力でガードする魔法使い最強装備なんだよ!?」


レア「無理なものは無理です。」


どおおおおん、どおおおおん


聖篭の洞窟に巨大な穴が開いた。


シナノ「来たぞっ……早く出てこい、コイツは私が足止めする。」


シナノの丸い体は風船のようにふわふわと上昇して地上へ向かった。



聖篭せいろうの地】



シナノは空を仰ぐ……


シナノ「青い……青いな……こんなにも青き空……アインとポトフにも見せてやりたいものだ……」


皇帝竜「ぎゅるごっごごごごおおおお」


シナノ「久しいな皇帝竜よ約5000年ぶりか……再び相まみえるとはな……会いたくは無かったが……」


シナノ「私は5000年前より遥かに強くなった……色々な物を犠牲にしてな……」


皇帝竜「ごごごごおおおおざーず」


皇帝竜の首の一つがレーザーブレスを吐いた。


シナノ「エクスマキナ・プロテクション × 16」


シナノの顔全てがエクスマキナ・プロテクションを唱えた。


レーザーブレスが弾かれる。


皇帝竜「ぎぇえええええっ」


シナノ「16枚のエクスマキナ・プロテクションを13枚まで破るとは……さすがだな皇帝竜」


シナノ「くらえっ……メテオ・ストライク」


天空より無数の隕石が飛来し、全てが皇帝竜に降り注ぐ。


天が真っ暗になるほどの粉塵


しかし皇帝竜は何も無かったかのごとく立っている。


首の一つがシナノに向く


シナノ「バケモノめ……昔より……強くなって……いや、これが本来の実力か?」


皇帝竜はシナノにレーザーブレスを打ち込む。


シナノ「エクスマキナ・プロテクション × 16」


皇帝竜のレーザーブレスがシナノを貫く。


シナノ「なっなんだ?この力……1/3でこの力……なのか……勝てぬ……私では……いや、バスターズでは勝てぬ……」


ロー「デイタム固定……アイン、いけるかっ?」


ローが天罰銃を皇帝竜に向ける。


アイン・ト・プフ「はい、エルフィン・トマホーク改二、うちーかた始め!」


ロー「サモン・シャリア」


ロー「アンジュ・ズシオー、レーザーブレスっ」


アンジュとズシオーは皇帝竜に赤と黒のレーザーブレスを吐く……が皇帝竜は振り向きもせずシナノを睨む。


アンジュとズシオーがガタガタと震え……地面にひれ伏し丸くなった。


エルフィン・トマホーク改二が飛来、皇帝竜に命中する。


しかし皇帝竜は揺るがない……


アイン・ト・プフ「マスターロー、着弾状況は?」


ロー「全弾直撃……しかしダメージは無し……」


アイン・ト・プフ「そっそんな……」


シナノ「アイン……アインなのか?」


アイン・ト・プフ「???」


アイン・ト・プフ「お父様………なのですか?」


シナノ「アイン……」


シナノ「バスターズよ……無理だ……とても勝てぬ……

     我らが戦った皇帝竜とはレベルが違いすぎる……世界はこれで終わりだ……」


アイン・ト・プフ「お父様……諦めてはいけません。シャルローテ様……シャルローテ様ならば……」


シナノ「バカな……皇帝竜に勝利した後も我とお前たちを閉じ込め続けたシャルローテ……許せるのかアイン……」


アイン・ト・プフ「許すも何も……私は今もシャルローテ様が大好きです。ポトフだって……」


アイン・ト・プフ「あのお方ならば……どんな運命もねじ伏せて必ず勝利します。」


シナノ「アイン……解った……最後にお前を信じよう……シャルローテでは無くアイン、お前の判断を……」


シナノ「もし本当に勝利出来たら……帰ってくるのだ……この青空の元に……」


シナノ「いでよ真理しんり


カーシャ「シナノはん、おひさっすー。でも今のわてはカーシャいいますねん。」


シナノ「そうか、カーシャ……わが命と魂をもって……この者たちを過去に飛ばしてくれ……

    皇帝竜との決戦前の時空に……」


カーシャ「おおっシナノはんの魂であれば……ゼンゼンOKでんがな。」


カーシャ「では……5人を5023年前の過去に召喚させて頂きまっさー」


カーシャ「ローはん、皆さん。さよなら・バイバイ・また昨日……お帰りお待ちしてまっせー」


闇のゲートがシヴァ四天王を包む。


シナノ「シャルローテに伝えよ、勝てるものなら勝ってみろとな……さらばだアイン、ポトフ……

    愛していた……すまぬ……」


シナノの体が爆発、苦悶の表情を浮かべた複数の顔が飛び散る。

しかし一瞬、丸い顔が優しく微笑んだ。



【西暦2100年 光帝玉座の間】



シシャリク「ヤヒコ近辺を支配する魔王に関してなのですが……」


シャルローテ「魔王……か……」


シシャリク「魔王の手下と思われる者を捕らえておりまして……

      その者が陛下に謁見えっけんしたいと申しております。」


シシャリク「シャルローテ様の知り合いだとか申しております、処刑が適当かと思われますが、

      一応ご報告申し上げます。」


シャルローテ「予の知り合いとな?ふむ、直々に取り調べてやろう、連行してくるが良い。」


シシャリク「しかし、あのような者を陛下の御前に……薄汚き者です。」


シャルローテ「構わぬ。敵の情報を得られる機会を無駄にするな」


シシャリク「御意。あの者を牢から出して連れてまいれ。」


兵士に連行されて来た薄汚れた女はシャルローテの前に出るといきなり泣き崩れた。


???「しゃーーーーる……ちゃあああああん……わああん……わああああああん……」


シシャリク「シャルローテ様っお気をつけ下さい。」


???「びやあああああああああん……もうもう……あのびとたちがああああああ………また……」


???「親切な人からお金を………かりてえええええ……たいへん、たいへんでええええええっ……

    わあーーーーーん」


シシャリク「何をいっているんだコイツ……目障りだ、やはり牢獄に幽閉しておけ。

      いや、首をはねよっ」


シャルローテ「まあ、まて………………」


シシャリク「シャルローテ様、このような怪しげな者と話をするのは好ましくありません。」


シャルローテ「はあ……まったく……レアよ……いったどうしたのじゃ?まあ、大体想像はつくがな……」


レア「しゃる……ちやあああああああん………ああああっ会えてよがったああああああ……わーーーーん」



【客間】



シャルローテ「少しは落ち着いたかレアよ………」


レア「うんうん、シャルちゃああん……あっ会いたかったああああっ」


シャルローテ「もう泣き止むがよい。」


シシャリク「こちらの者は光帝陛下のお知り合いなのですか?」


シャルローテ「うむ、我が腹心の部下『レア』じゃ。で……その他のシヴァ四天王はどうしたのじゃ?」


レア「死にました。」


シャルローテ「なっなんじゃと?ウェルはともかく……ロー、ミディ、ストロガまでもか?」


レア「はい………奴らは死んだんです………そう思ってください………」


レア「そうか……」


シナノ「失礼します。光帝陛下。」


シャルローテ「おおっ良く来たなシナノ。この者が前に話したシヴァ四天王のレアじゃ。」


レア「えっ……あなたが……あなたがシナノ様!?」


シナノ「シナノと申します、以後お見知りおきをレア様。」


レア(なんて素敵なお方………かっこよくて………紳士的………丸くない………)


レア「あっ……それとシシャリクさん……貴方の名前もローさんから聞いたことがあります!!」


シシャリク「そう……ですか……………」


シャルローテ「挨拶はこのくらいで良いな。」


シャルローテ「人払いじゃ……レアと二人きりで話がしたい」


シシャリク「しっしかし……陛下」


シャルローテ「この者は我と共に数々の死線をくぐった勇者、

       最も信頼厚きシヴァ四天王の一翼、安心せよ。」


シシャリク「はっ失礼いたしました」


シシャリクとシナノが退出した。


シャルローテ「で、何があった………」


レア「洞窟で丸いシナノさんと戦ってえええっ、皇帝竜が生き返って……

   アインちゃんがお父さんと……丸いシナノ様が破裂して……

   何故かこの世界にいたんです……わあーーーーん」


シャルローテ「レアよ……ちゃんと解るように整理して話すのじゃ………」



【数時間後】



シャルローテ「なるほど……そうであったか。」


シャルローテ「勝てるものなら勝ってみろ……か……上等じゃ。」


シャルローテ「滅ぼすぞ皇帝竜!」


レア「シャルちゃん……でも……バスターズが……もう無くて……」


シャルローテ「なに?」


レア「一緒にこの世界に召喚されたんです……

   そして……奴らは飲食費欲しさにバスターズを売り飛ばしたんです!二束三文で!」


シャルローテ「ああ、そうか……シシャリク!入ってまいれ!!」


シシャリク「はっ、光帝陛下。」


シャルローテ「やはり盗み聞きしていたな。」


シシャリク「いえっ私は陛下の御身を案じ……待機していただけです。」


シャルローテ「まあ、良い。今聞いた事は墓場まで持って行け、

       いや、ネクロノミコンに我ら以外に読めぬよう暗号で刻んでおくのじゃ。」


シシャリク「御意。わが命はシャルローテ様の所有物でありますのでご随意ごずいいに。」


シャルローテ「バスターズ装備を探し買い戻せ……いくらかかっても構わん……荒っぽい手段も許可する。」


シシャリク「ははっ、必ずやバスターズを手に入れてみせます。叶わねば……自害いたします。」


シャルローテ「シナノがバスターズ装備を作るのは戦後なのじゃ……

       今の時空にバスターズ装備が無ければ世界は滅びる……自害する暇もあるまい……」


シャルローテ「ん?という事は……真理の介入が無ければこの世界は滅びていたのか?」


シャルローテ「そもそも誰が我を召喚するなどという型破りな方法をみつけたのじゃ?」


シャルローテ「シシャリクよ……ネクロノミコンを書き終えるまで決して死んではならんぞ……

       この時空のねじれ……我らが滅びる時空もありえる……まだまだ謎だらけじゃ。」


シシャリク「御意」


レア「あっ……あの……シシャリクさん………露出度の高いエッチな装備は不要です……

   アレは役に立ちませんからー」


シシャリク「えっ…はあ????」



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