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第五章 ーシヴァ帝国ー

【シヴァ帝国『ターイーナーイー』】


ロー「ラグーンの経済は大混乱、各地で暴動が発生したとの事です。」


シャルローテ「ふむっ大儀」


ロー「さらに物資、食料などの備蓄は万全、人材も集まりつつあります。」


シャルローテ「では、そろそろかのう?」


シャルローテ「さあ、戦争を始めるぞ!!」


ロー「御意っ!」



【要塞プラント・ファイヴ】



シャルローテ「さて、あれがプラント・ファイヴか?見るのは初めてじゃ……」


ロー「堅牢な要塞……シヴァ帝国の国防のかなめ……」


レア「あのー私たち……今回は何をしに来たんでしょうか?」


シャルローテ「ん?ああ、言ってなかったか?」


シャルローテ「ちょいと攻め落としに来ただけじゃ。」


レア「えっえっえええええええっ」


レア「無理無理無理無理、私、ローさん、ミディさん、ストロガさん……4人だけで要塞なんて絶対無理です。」


シャルローテ「ふふっ別に武力だけで攻め落とそうという訳ではない。」


シャルローテ「では始めるのじゃローよっ」


ロー「ははっ。」


ロー「カーシャ、聖大河教団の神官の魂の一部と引き換えに『ゴット・ブレス』を召喚する。」


レア「だっダメですよローさん。神官さんにも家族がいるんですよっ!!」


カーシャ「まいどー、大丈夫でんがなレアはん。魂のリボ払い出来ますよって!!」


レア「リボ?」


ロー「まあ、当分は大丈夫って事だよ……当分は……ね………」


シャルローテ「プラント・ファイヴの者たちよ。我が名はシヴァ14世シャルローテじゃっ」


シャルローテの声が要塞にまで響き渡る。


シャルローテ「逆賊ベ・キューに組する愚か者ども……我が元に下れ!」


ストロガ「シャルローテ様っ……」


大量に矢が飛んできた、ストロガとミディが矢を叩き落とす。


ロー「シャルローテ様に矢を引く逆賊どもよっ。我は聖騎士パラディン『ロー』」


ロー「神聖にして不可侵な陛下に弓引いた罪。天罰によって贖うがよい。」


ローが天罰銃デイタムをプラント・ファイヴに向ける。


兵士「なんだあれは?天罰?パラディン?」


ロー「パラディン・ローが天罰を下すっ。来たれ天罰『エルフィン・トマホーク改二』3射、うてええい』」


アイン「了解しましたマスター。『エルフィン・トマホーク改二』3連うちーかた始めっ」


兵士「はああっはっはっは、何も起きないじゃないかっ」


ローはニヤリと笑う。


突然、要塞の壁が大爆発した。


どごおおおおおん。


兵士「なっなんだ……何が起きたんだ?」


ぎゅおおおおおおおん。


風切り音が数秒遅れて来た。


どごおおおおおん。どごおおおおおん。


3本の火柱が上がった。


ロー「見たか逆賊ども!これが我が力!これが我が下す天罰のイカズチだっ」


兵士長「くそっなんだコレは?魔法か?」


兵士長「魔導士部隊、射撃用意、」


レア「わっわっわー何人いるんですか?100人越えてますよ!?ダメです逃げましょう!!」


ロー「サモン・シャリア」


レア「えっ?」


兵士長「うてい。」


無数のファイヤーボールが雨のように降り注ぎ、大量の爆炎が上がった。


兵士長「ふん、バカどもが……えっ!?」


ロー「なんだそれは?蚊取り線香かなにかか?」


兵士長「無傷だと?」


そこには死んだはずのシャリアとアンジュ、ズシオーが存在した。


ロー「シャリア、アンジュとズシオーに命ぜよ。」


シャリア「ぐっがあああああ、きっき・さ・ま……」


ロー「奴らを焼き払えとなっ」


シャリア「だっ……れ……が………ぐわああああああっ、アンジュ……ズシオー奴らを……やき……払え」


突如として現れた二体の巨竜が赤と黑の閃光を放つ。


崩れかけていた城塞の壁が吹き飛んだ。


兵士長「くそっ……距離を取らせるな、歩兵……突撃っ!!」


シャルローテ「ミディ、ストロガ!!」


ミディ「りょう……かい……」


ストロガ「この逆賊どもめっ!陛下にひざまずけ!」


ミディとストロガは敵兵たちを次々と跳ね飛ばす。


兵士長「なにをしているかっ……敵は二人だぞっ!!」


ウェル「ふっまだ気が付かぬか愚か者めっ」


兵士長「???」


レア「???」


ウェル「我は漆黒の貴公子ウェル、我が動きっ!貴様らには見えまい!!」


兵士長「なっなんだとっ!?」


ウェル「無意識で死ぬが良い。」


兵士長「なんだと………ばかな………きっ消えただと!?馬鹿なっ!!」


レア「…………」


兵士長「見えない………奴の動きが………そんな………」


レア「そこの………草の陰に隠れて………いるような………」


シャルローテ「見たか逆賊ども、これが我が側近、シヴァ四天王じゃ。」


兵士長「なに?五人いるぞっ!?」


レア「ぎゃああああああ、この人たちと一緒にしないでくださいー」


レア「ちがいます、わたしは通りすがりの魔法少女で……四天王なんてのじゃないです。」


シャルローテ「レア、メテオ・ブラストの威力……今こそ見せるが良いぞ」


レア「えっ……いや……だから私は………」


シャルローテ「諦めるのじゃレアよ。流石に多勢に無勢、ミディとストロガが押されている。」


レア「ううううっ……」


レア「天空の星々よ降り注げっ『メテオ・ブラスト』」


ロー「あっダメだっレア……その……魔法は………」


ごごごごごごっ


天空より不吉な振動が大地に伝わる。


ロー「ミディ、ストロガっ陛下を守って!!」


レア「えっ?」


ロー「シャリアっ、アンジュ、ズシオーに命じろ全力で魔法障壁をはれっ」


シャリア「くっ……だっだれが……貴様の……ぐぎゃああああ……アンジュ、ズシオー魔法障壁に全ての力を注げっ。」


シャルローテ「どうしたのじゃローよ!?」


ロー「陛下っ頭を低くっ……」


レア「何を言ってるんですかローさん!?」


ロー「レア……降り注ぐ無数の隕石をどうやって敵に『だけ』当てるつもりなんだい」


レア「え?どうってやって……?」


シャルローテ「しっしまった!!何故その事を言わなんだロー」


ロー「………………………」


地上に無数の隕石が降り注ぎ……

プラント・ファイヴだけではなく、周りの地形を完全に変えた……


アンジュ、ズシオー、シャリアが隕石に叩き潰された。


ロー「だっだめだっ……仕方がない……レッドクリフ枢機卿のの魂もって……

   エクス・マキナ・プロテクション召喚」


カーシャ「ローはん、お買い上げあざーす。」


ローの周りに光の壁が生まれる。


レア「あ……コレって………昔、同じ物を見たことがあるような?ないような?」


この日、要塞プラント・ファイヴは崩壊した



テロップ「プラント・ファイヴ跡地」



兵士「いたいっ……いたいよっ……ああっ……」


兵士「死んだお母さん……迎えに……きて……くれ……た……」


兵士「あああああっ俺の腕が腕がっ?腕はどこだっ!?」


兵士「アレ?、足が足が岩に潰され……腕も無い……あぎゃああああああ……」


兵士「イタイイタイ……殺して……おねがい……だ……か……ら……」


辺りは死体と傷ついた兵士たちで溢れていた。


シャルローテ「レア……これは戦争ではない……虐殺じゃ……」


レア「そっそんな、だってこんなに強力だとは思わなかったんですよっ」


シャルローテ「どういう事じゃロー?」


ローは全力で土下座した。


ロー「持っ申し訳御座いません。」


ローは泣きじゃくっている。


レア「私、思い出しました……これフォルトさんが私の村を助けてくれた時の魔法ですよね?」


ロー「あの頃は僕がエクス・マキナ・プロテクションを使ってたから……」


レア「でも……こんな威力無かったじゃないですかっ!!」


ロー「小さめの隕石を1個だけ召喚してミディが空中で砕いていただんよおおおおおう。」


ロー「隕石だよっ!?デカいのを全力で何個も召喚したら……こう……なるさ………」


レア「なっ何で……何で言ってくれなかったんですかー、大変な事になっちゃったじゃないですか!!」


ウェル「まあ、許してやってくれ……レアには黙っていたが……

    ローは神から見捨てられ……今は神聖魔法は使えないんだ。」


ウェル「どうしても言い出せなかったんだ、解ってやれ……陛下もお許し下さい。」


レア「それは……ずいぶん前から気が付いていましたが……」


シャルローテ「我ら全員無事じゃったから良しとしよう。」


ウェル「大丈夫だ。後は俺に任せておけ。」


レア「えっえっえ……ウェルさん?あなたウェルさんですよね!?」


ウェル「何を今さら?大丈夫だ後は俺が何とかする。」


シャルローテ「うむ、この事態の収集はそちに任せる。」


シャルローテ「ストロガとミディは生き残った神官を捕縛。ローは神官の魂で生きている兵士の治療。」


レア「あっ……それは……あの…………」


レアはその先の言葉を言えなかった。


シャルローテ「そしてウェル、美談と恐怖によって人間は支配される。解っておるな」


ウェル「お任せ下さい陛下。」


シャルローテとウェルは凄く悪い顔をしていた。


レア「私は……」


シャルローテ「そなたは動くなっ!何もするなっ!」


レア「うっ……うううううっ。わーーーーん」



【10日後、シヴァ新聞より抜粋】


シヴァ帝国が二つに割れ、ラグーン恭順派のベ・キュー大臣と独立派のシヴァ14世シャルローテが相争う形となった。


元来、私兵も権力も持たなかったシャルローテが難攻不落と言われたプラント・ファイヴをたった数人で陥落させた事実に世界は震撼した。


以下、シャルローテに忠義するシヴァ四天王の詳細である。


『漆黒の貴公子ウェル』


その速さは音速を超え……目にも見えない速さで敵を切り裂く漆黒の刃。

知略に優れ、人望も持ち合わせるシヴァ四天王のリーダー

プラント・ファイヴ虐殺事件では傷ついた兵士たちの治療を命じたとも言われている。

勤勉な性格で日々をシヴァ帝国の為に尽くし、一日3時間しか寝ないらしい。



『インビシブル・ミディ』


処刑剣で全てを切り裂く最強の戦士、驚異の跳躍力で空中の敵さえ粉々に砕くという。

数々の戦いでシャルローテを守り抜いた最強のつるぎであり盾でもある。



『パラディン・ロー』


歴史上で唯一、神罰を下せる域に達した聖騎士『パラディン』

伝説の双子巨竜をも容易く使役する『最も神に近い男』

プラント・ファイヴ虐殺事件ではウェルの命令により敵を治療し、

死者の蘇生にも成功したという情報もある。


『逆賊の魔法戦士ストロガ』


元ラグーン騎士団長でシヴァ14世シャルローテの絶対的な王の器に心酔、忠誠を誓ったとの事。

伝説の武器エクステンド・カリバーから放たれる魔法剣『エクステンド・クロス』は全てを切り裂くという。


惨殺爆炎娘ぎゃくさつばくえんむすめ レア』


機嫌を損ねたが最後、敵もろとも味方すら皆殺しにする狂女きょうじょ

恐るべき虐殺魔法の数々を使いこなす。


プラント・ファイヴ虐殺事件では、多数の隕石を召喚する禁断魔法『メテオ・ブラスト』を

世界の破滅の危険性すらあると注意されるも何のためらいも無く使った。


その後、逃げまどい命乞いをする兵士たちを笑いながら虐殺。


信頼のおける情報筋からの情報によると、気に入った兵士の首をかみちぎって食らったとされる。

狂った笑い声を聞いた者は食事が出来なくなるらしい。


プラント・ファイヴの生き残りはレアへの恐怖で狂い死んでしまったとの信頼できる筋からの情報がある。

残虐無比な性格ではあるが…シヴァ14世シャルローテ様にだけには絶対服従。

キチガイの鬼女もシャルローテ様には膝を屈するという事だ……



『シャルローテ』


最も恐るべきは12歳にしてこれら英雄や狂女をひれ伏させる圧倒的カリスマではなかろうか?



レア「……………………………………………………………………………………………………………………」


新聞を握りしめ固まるレア


レア「なっなんなんですかああああああコレわー!全部でたらめじゃないですかああああああ!!」


傍にいた兵士たちが恐怖の表情を浮かべ、ガタガタ震えだした。


レア「しかも……四天王が五人いるじゃないですかっ。私を入れないで下さい!わーーーーん!」


シャルローテ「まあまあ、ウワサというモノは尾ひれがつくからのう。マスコミにも困ったものじゃ……」


シャルローテ「いずれ言論も……統制せねばな……ふふふっ」


シャルローテは不敵な笑みを浮かべる。


その後、ターイーナーイーにはシャルローテ派の貴族や兵士、傭兵団が集まり第三勢力が誕生した。



【ターイーナーイー改めシャル・グラード】



天台に上ったシャルローテを兵士や民が見上げている。


シャルローテ「伝統あるシヴァ帝国はラグーンの傀儡くぐつになり果て、栄光は失われた……」


シャルローテ「ベ・キューは皇帝を売り、民を売り、国を売り飛ばした。自らの欲望の為だけにっ!!」


シャルローテ「皆……周りを見渡してほしい、一部の貴族の贅沢と快楽の為に民は奴隷のような暮らしをしておる。」


シャルローテ「税は高く、兵士の給料は安い。ラグーンの傀儡となればさらに悪化するじゃろう。」


シャルローテ「民が安心して暮らせる国家、力に満ち誇りに満ちたる国家を我は作りたい。」


シャルローテ「しかし我はこの通り若輩者じゃくはいものじゃ……力及ばぬ所も多いじゃろう」


シャルローテ「じゃが、シヴァ四天王をはじめとして、我を支えてくれる者たちがおる。」


シャルローテ「ターイーナーイーをシャル・グラードと改名したのは我が命を捨ててでも……

       この国を守りたいと思ったからじゃ……」


シャルローテ「真に民と共に歩んで行こうとする我を、神が見捨てる訳はない!」


シャルローテ「我はいずれ、シヴァータを取り戻し……ベ・キューの首を跳ねるじゃろう。」


シャルローテ「しかし…シヴァータをプラント・ファイヴのように灰にしたくはない。」


シャルローテ「シヴァ帝国を統治する唯一無二の正当性がある皇帝シャルローテは投降した者を撃つつもりはない。」


シャルローテ「忠義の士として熱くぐうするであろう。」


シャルローテ「それでも我に挑む逆賊は覚悟するがよい。神の名のもとに星々が全てを焼き払うであろう。」


シャルローテ「我が…これから作る国は人類史上最高の楽園である。」


シャルローテ「神々の光に満ちた国、神聖シヴァ帝国。そして我は光帝こうてい……

       光の国を作りし始光帝しこうていシヴァ・シャルローテと呼ばれるであろう」


ロー「サモン・シャリア」


シャリア「くっ……きっきさま………」


ロー「さっさとアンジュとズシオーを召喚しろ奴隷、じゃなかったシャリア」


シャリア「だっだれが奴隷だと……ぐぎゃああああああ………いでよアンジュ・ズシオー」


アンジュとズシオーが広場に現れた。


驚いた民たちから悲鳴が上がる。


シャルローテ「安心いたせ。こやつらは古の皇帝竜の側近である……しかし魔土の地で我に忠誠を誓った我が臣下なのじゃ。」


民たちから驚きのどよめきが生まれる。


シャルローテ「我に忠誠を誓うのであればドラゴンであっても厚くぐうする。」


シャルローテ「レアよ……」


民たちのざわつきが頂点を迎える。


「レア……あれが………?」


「あの子が難攻不落のプラント・ファイヴを吹き飛ばした……のか?」


「おもったより小っちゃいな……」


「あれが……虐殺爆炎娘ぎゃくさつばくえんむすめ


「ばっばかっ……聞こえたら皆殺し……」


「首をかみ切られるぞっ……静かにしろっ!!」


レア「うっうぐぐぐぐぐうううう……聞こえています………」


シャルローテ「景気づけに空に花火でも打ち上げるがよい……死人は出すなよっ」


レア「出しませんよっ!!」


レア「はあ、ファイヤーボール・スパーク・カラフル・スターマイン」


どーん、どどーーーん


その日、シャル・グラードはレアとアンジュ・ズシオーによる花火で彩られた。



【シヴァ帝国 帝都シヴァータ】



参謀「ベ・キュー様……ムラカミ公が離反を……シャルローテに忠誠を誓ったとの事です……」


ベ・キュー「ばっばかなっ……さんざん甘い汁を吸わせてやったというに……」


参謀「ラグーンの紙幣がなぜか暴落し……ワイロが意味をなさなくなった事が原因でしょうか?」


参謀「同じ理由で貴族や兵士たちの離反が相次ぎ、もはやシヴァータ防衛も難しいでしょう。」


ベ・キュー「ラグーンは?デュルマ皇王からの返事はまだ来ぬかっ」


参謀「デュルマ皇王は……ベ・キュー様が必要では無くなったと思われます……」


ベ・キュー「なっ……そんなバカなっ……」


参謀「ラグーンにしてみれば、シャルローテ様とベ・キュー様が争い、疲弊した後でシヴァ帝国を併合した方が楽でしょう。」


ベ・キュー「くっ……たしかに……な……」


兵士「西部方面軍が反乱を起こし、シヴァータに進行中との事です。」


ベ・キュー「これは……もうダメか……」


参謀「ベ・キュー様、まだ起死回生の策が御座います。

   シャルローテ様を操り、ラグーンの貴族としての地位を得られる方法が……」


ベ・キュー「そっそうか、献策せよ。」


参謀「我が地位……所領を頂けるとお約束頂けるのであれば……」


ベ・キュー「ああ、くれてやる。我は伯爵の地位と広大な領土を約束されている。

      その2割をくれてやろう。」


参謀「シヴァータなぞ放棄してシャルローテの最大の弱点を突くのです。」


ベ・キュー「なるほど…………そういう事か…………」



【シャル・グラード」】



シヴァ四天王が豪華な内装の部屋で食事をしている


レア「私がしたかった冒険はこんな感じじゃないんですっ!!聞いてますかミディさん!!」


ミディ「おさ……し……み…おしし……い」


ミディはもちろん聞いてない。


レア「囚われのお姫様を助けたり、邪教の集団と戦ったり、大魔王を討伐したり……

   そういう感じの冒険がしたかったんですよっ!!」


ロー「レア、飲みすぎは良くないよ。絡み酒?」


ウェル「その通り、酔っ払いはみっともない。」


ストロガ「飲んでも飲まれるなですぞ、レア殿。」


レア「お酒なんか飲んでません!!」


レアは力いっぱいテーブルをたたいた。


突然シャルローテが駆け込んでくる


シャルローテ「はあっはあっ……皆っ最優先の任務を与えるっ」


レア「えっ?急に?」


シャルローテは息を切らしながら話す。


シャルローテ「良いかっシヴァ四天王はオグニ村へ向かえっ」


レア「オグニ村?シャルちゃんの故郷の?」


シャルローテ「そうじゃベ・キューの奴、オグニ村を占拠し……ママを……捕らえた……」


レア「なんて卑劣ひれつな!!」


ストロガ「しかし私は新生騎士団の指揮と育成があり……いまの騎士団は統制が取れておりませぬ……

     我が力なくば暴走しかねません。」


シャルローテ「仕方が無い……ストロガは残れっ……」


シャルローテ「レア、頼む、ママをママを救い出してくれ……たのむ……お願いだから……」


シャルローテはポロポロと涙をこぼす。


レアはシャルローテを抱きしめる。


レア「シャルちゃん!!お母さんは私たちが必ず助け出すからっ!!」


シャルとは正反対にレアの目がキラキラ輝きだす。


レア「悪党に捕らえられし美少女のお母さんを救出に向かう!!

   これこそが勇者ですよっ!!さあさあ、皆さん行きますよっ!!」


ウェル「ロリ騎士置いといて大丈夫か?」


レア「うっ……うーーん……しかし、今は護衛の兵士さん達も沢山いるので大丈夫でしょう!」


と言いつつもレアは不安を覚えずにはいられなかった。



【オグニ村】



オグニ村の城の周りにベ・キューの部下らしき兵士たちが待機している。


レア「凄い……何人いるんでしょう?」


ロー「2000人はいるかな?」


レア「こっそり忍び込むのは無理そうですね……」


ロー「とりあえずアンジュ、ズシオーを突っ込ませてかく乱させようか?」


レア「そうですね、混乱した隙に忍び込みましょう。」


ロー「サモン・シャリア」


シャリア「くっ……貴様……また……私を………」


ロー「アンジュ・ズシオーを召喚して敵陣に突っ込め。もちろんシャリアも一緒に!

   あと大好きですご主人様って上目づかいで言え。」


シャリア「くっ……そう……勘違い……するなよっ……いくら体を……支配……しても……心までは……」


シャリア「……大好きですご主人さま!!」


シャリアは敵陣に正面から突っ込んで行った。


レア「……………………………………………………」


レアは見て見ぬフリをした。

大人とは、見たくないモノは見ない者だと悟ったのだ。


アンジュとズシオーが大暴れをして兵士たちをなぎ倒す。


ロー「さあ、今のうちに……」


四人は城に忍び込んだ。



【オグニ村の城】



ベ・キュー「何事だ?」


兵士「シャルローテ配下のドラゴンと思われる魔獣が暴れています。」


ベ・キュー「あれは伝説の双子竜か?……くそっ……来い!」


シャンテ「きゃっ……」


首輪を付けられた女性が引きずられる。


ベ・キュー「大丈夫だ……この女のそばにいれば……」


ベ・キューはテラスから下を見下す。


ベ・キュー「聞くがよいシャルローテの犬ども、」


ベ・キューは女性の首筋にナイフを突きつける。


ベ・キュー「この女がどうなっても良いのかっ、出てこなければ……

      この女の顔の皮膚を少しずつ剥がしてゆくゾ!!」



壁の影からレアの顔が半分出ている。


レア「ぐぬぬぬっ……なんと卑劣な……アレでは……手が出せません……」


ウェル「仕方が無い、俺に任せろ。みんな、大人しく出ていこう」


レア「????」


レア「だっ……大丈夫……なんですか……??」


ロー「しかたないね。」


ミディ「う……ん。」


4人はテラスに身をさらした。


べ・キュー「やはりお前たちか……裏切りおって……」


ウェル「レア、何でもいいから早口言葉を繰り返すんだ。大きな声で。」


レア「えっ?早口……なぜです?」


ロー「いいから早く、大丈夫。ウェルは負け戦には絶対に参加しないから。」


レア「わかり……ました……え~なまむぎなまごめ……なまたま……」


ウェルの目が怪しく光った。


ウェル「わわあああああああ……やっやめろ……やめるんだレア!!」


ロー「だっだめだよ……その呪文は……人質ごと僕たちを……

   オグニ村ごと吹き飛ばすつもりなんだねっ!!」


ミディ「もう………お、しまい……」


ウェル「あああああっもうダメだあああああ……にっ逃げるんだ…………」


ロー「うわああああっ……もうもう……オシマイだああああっ!!!」


兵士達がザワザワしだした。


兵士「あっ……あれはレアだっ!!プラント・ファイヴを吹き飛ばし、

   生きた兵士達を食らい尽くした虐殺爆炎娘ぎゃくさつばくえんむすめレアだっ!!」


兵士「まっまちがいない……俺は見た……プラント・フィアヴで……

   隕石が降ってくるぞ!!」


ベ・キュー「しずまれっバカども!こちらには人質がいるんだぞ。」


レア「なまむぐめまなまたま……たまたまご」


ウェル「バカかお前はっ……コイツがそんな事、気にするはずが無い!!

    人食い虐殺爆炎娘の名はダテじゃないんだぞっ」


ロー「だっだめだっ……地獄の門が開く……僕らは皆……

   ここで死ぬんだっ……わああああああああっ」


ウェル「にげろおおおっ………早く町から離れるんだ……」


兵士「アイツは本物のレアだっ、逃げろおおっ。」


ウェル「逃げ延びてシャルローテ様に下るんだっ。そうすれば嫁や子供……

    家族まで食われる事は無いぞおおおおっ」


ロー「あああああっ、詠唱が完成したっ、とにかく逃げるんだああああ」


ウェルとローは逃げ出した。


レア「………………………………………………………………」


兵士たちは完全にパニック状態で村から逃げて行った。


ベ・キュー「くっくそっ……」


ベ・キューはシャンテの鎖を放し逃げ出した。


ごーーーん


ミディはベ・キューの頭を処刑剣でぶんなぐった。


ミディ「にんむ……かん、りょう」


ウェルとローが戻ってきた。


ウェル「かたずいたな」


ロー「今回はちょろかったね」


レア「………………………………………………………………」


ロー「光母こうぼシャンテ様。シャルローテ様のご命令によりお迎えに上がりました。」


シャンテ「しゃっ……………」


シャンテは無表情で涙を流した。


ロー「これは……両手両足の腱が切られている……しかも喉が潰されている……なんて酷い事を……」


ロー「カーシャ、『パーフェクト・リザレクション』を神官の魂で召喚する。」


カーシャ「神官はんの命いっこぶんになりまっせー。まいどー、アザース。」


シャンテの顔色はみるみる良くなり、切断された腱、喉の傷が消えてゆく。


ロー「さあ、シャンテ様、シャルローテ様がお待ちです。シャル・グラードへ帰りましょう。」


シャンテ「皆さんありがとう御座います……シャル……会えるんですね……うっううっ」


レア「………………………………………………………………」


ロー「で、ベ・キューはどうする?」


ウェル「きっと金目の物を持ってきてるはずだ……」


ロー「そうだね、シヴァ帝国の宝はシャルローテ陛下の物。」


ウェル「うむ、陛下のモノは俺のモノ、おらおら、起きろベキュー……金目の物のありかをさっさと吐け。」


ロー「あっそういえば下僕……じゃなかったシャリア……ご主人様の元にもどってこーい。」


シャリアが現れる。


シャリア「くっくそが……何故我が……こんなカスに……」


ロー「ごしゅじんさま、らぶらぶ、きゅん。と言えシャリア」


シャリア「だっだれが……そんな……貴様ごと…き…ぐぐぐうううううあああああああ……

     ご主人様、らぶらぶ……きゅん(ハート)」


シャリア「くっくそおおお、殺せっ……私を殺せえええ……」


ロー「もう死んでるから無理だよシャリア。未来永劫、奴隷として可愛がってあげるよ。ひゃっはははっはー」


ミディ「………………」


ミディ「お・な・か……すいた………」


ウェル「ベ・キュー、部下に命じて飯作らせろ。酒も……最高のじゃないと……ケツから口まで鉄棒で串刺しにして晒すぞ!!」


ウェル「ああ、くそっ……コックも逃げ出したか……まあ、金目のモノと酒持てるだけ持って、

    近くの町で豪遊だな……でっ、ベ・キューに付ける首輪はコレか?」


ロー「あと、逃げ出さないように手足の腱を切って喉を潰しておこうよ。

   ミディ、首輪を持って引きずって運んで。」


ウェル「ら……じゃあ」


ロー「そいえば……ベ・キュー大臣は聖大河教団のシヴァ帝国司教でもあったよね……」


ロー「ほら、この契約書に母印をどんどん押して!!」


レア「………………………………………………………………」


シャンテ「この方たち……大丈夫なのでしょうか?」


レア「………………………………………………………………」


社会とはこういうモノだと……15歳の少女は無理やり思い込んだという。



【シャル・グラード】


シャルグラードには数千のドラゴンが攻め込んで来ていた。


ストロガ「陛下っ……城に奴らが攻め込んで来ました……もはやこれまで……どうか私と共にお逃げ下さい」


シャルローテ「くっ……ドラゴン兵か、ストロガよっ、我を助けよ。

       我をコルゴーンに…………」


どどーーん


ドラゴン兵が王宮に攻め込んで来た。


ストロガ「くそっ……エクステンド・クロス!」


ドラゴン兵が砕け散る。


しかし新たなドラゴン兵が殺到する。


ストロガ「陛下っ失礼」


ストロガはシャルローテを抱えて窓から飛び出す。


目の前に巨大なドラゴン


ストロガ「エクステンド………くっ……」


シャルローテを抱えているストロガにはエクステンド・クロスが放てない。


ドラゴンがストロガに熱線を照射する。


ストロガ「くっ……くがああああ……陛下っシャルローテ様だけは……」


ストロガはシャルローテを守り背中に熱線を受ける、


しかし次弾のドラゴンブレスの大爆発でシャルローテが吹き飛ばされた。


ストロガ「シャ……シャル……ローテ……様………」


ストロガは意識を失った。



【シャル・グラード跡地】



レア「そんな………これが……これが……シャル・グラード?」


街は焼き払われ城はガレキの山と化している。


シャンテ「しゃる……は?」


ミディ「来る……」


ガレキの向こうからドラゴン兵達が現れる


レア「なんて数……」


兵士「ウェル様、ロー様、ミディ様、ご無事でしたかっ」


レア「あっ光帝親衛騎士団の方。生き残りがいたんですね!!」


レアに話しかけられ兵士はビクッとした。


兵士「あっあっあっ……レア様…………」


兵士「はっ……はい………生存者は………港からコルゴーンに………私は……偵察に………

   逃げてません決して逃げた訳では……命だけは………私には……子供が………」


兵士はガタガタ震えだした。


ロー「サモン・シャリア」


ロー「アンジュ・ズシオーはこの地に留まって死ぬまでブレスでドラゴンを殺しまくれっ、

   シャリアは反対方向に逃げて攪乱かくらんしろっ。」


ロー「さあ、時間を稼いでいるスキに逃げるんだ。」


シャリア「くっ……いつか……いつか殺してやる……」



【シャルグラードの港】



港にはコルゴーンが停泊している。


アイン・ト・プフ「みなさん、急いで……大量の飛竜が来ます。」


レア達は滑り込むようにコルゴーンに乗り込んだ。


ロー「アインっ敵が多いっ。ハルマゲドンモード・エンゲージ」


アイン・ト・プフ「了解しましたマスター・ロー」


アイン・ト・プフ「CIWSシウス起動、シースパロー・ベルゼブル改参、打ちー方始めっ。急速発進します。」


コルゴーンに襲いかかった無数の飛竜たちが爆発した。


コルゴーンは急激に加速、蛇行しながら沖に出てゆく。


アイン・ト・プフ「主砲三連」


どんどんどん


遥か水平線間際でドラゴンが破裂した。


アイン「マスター・ロー、監に287人の避難民や兵士が搭乗しています、あまり長い戦闘状況には耐えられません。」


ロー「魔土へ。イスナへ向かうんだ。」


アイン「了解。」



【コルゴーン メディカルルーム】



ベッドには全身包帯まみれのストロガが横たわっていた。


レア「生きて……いるんですよね?」


アイン・ト・プフ「はい、麻酔が効いて眠っているだけです。」


ロー「カーシャ、パーフェクト・リザレクション」


カーシャ「まいどっ!おおきに!」


ストロガの全身の傷が癒される。


ストロガ「ぐっ………おおっレア殿っ………私は………」


ストロガ「ここはドコだ?コルゴーン……なのか??」


ストロガ「シャルローテ様はシャルローテ様はご無事なのか!?」


アイン・ト・プフ「シャルローテ陛下は……当艦には……乗艦されていません。」


ストロガ「やはり……私は……私は……守れなかったのか……」


兵士「ストロガ隊長は……ドラゴン・ブレスの直撃により気絶……

   シャルローテ様も爆発に巻き込まれ……残念ながら……」


ストロガ「なぜ我を助けたっ!シャルローテ様をお救いしなかったのかっ!」


兵士「申し訳ございません……あの爆風と爆炎の中では……陛下のご遺体を探す事すら……叶わず……」


ストロガ「私だけが生き残るなど……せめて一緒に……くそおおおおおおっ、なぜ生きているのか、我わああああ」


ストロガは号泣する。


シャンテ「そんな……しゃる………」


シャンテはその場に崩れ落ちた。



テロップ「ラグーン皇国はシヴァ帝国の併合を発表」


テロップ「シャル・グラードの陥落、皇帝シャルローテの死亡、四天王逃亡のニュースは人々を驚嘆させた。」


テロップ「旧帝都シヴァータは一戦も交えずラグーンに降伏、5000年以上続いたシヴァ帝国は滅亡した。」





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