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第四章 -魔土-


【シヴァ帝国コルゴーン「玉座の間』】


腰縄で縛られた銀髪の女性がこうべを垂れている。


シャルローテ「苦しゅうない、おもてを上げよ」


シャリア「くっ……私にこんな事をしてただで済むと思うなよ……」


ばこっ


ローが女性の顔面にケリを入れた


レア「ちょっちょっちょっと!!ローさん!?自分が何しているか解っていますかっ!?」


ロー「えっ?シヴァ皇帝陛下に失礼な逆賊を蹴っただけだよ?」


ローは全く悪びれていない。


シャルローテ「そなた名は?」


ロー「このアバズレは『シャリア』聖大河教団の枢機卿です。」


レア「えっ……枢機卿……そんな偉い方なんですか?」


シャリア「そうだっ、聖大河教団の枢機卿にこのような事をしてただで済むと思うなよっ」


ぼこっ


ローがまたシャリアに蹴りを入れた。


シャルローテ「ロー、もう良い。下がれっ」


ロー「はっ、御意」


ローはさささっと後ろに下がる。


シャルローテ「シヴァ帝国の皇帝玉座艦こうていぎょくざかんに弓引いたのはソチラであろう?」


シャリア「ふっシヴァ皇帝だと!?娼婦の子が何をいうかっ。

     ベ・キューは既にラグーンに爵位を得ているのだぞ?

     お前は滅びる寸前の傀儡かいらいでは無いかっ!」


シャルローテ「ストロガよ、その女の手足を切断し生きたまま海に捨てよ。

       なるべく長く苦しませる為に浮き袋を一つ付けてやれ」


ストロガ「御意!」


レア「ちょちょーーーっとストップです!シャルちゃんもシャリアさんも冷静に………

   冷静になりましょうね!!ねっねっねー!!」


レア「わっ私提案します!シャリアさんは大砲を撃った、

   私たちは反撃して船を壊した……でも、漂流者は救助した。」


レア「今まであった事も……起きてしまった事も……チャラで……事故という事で……

   示談じだんではダメですかっシャリアさん!?」


レア「なんならっ……アレの件は……慰謝料も………この………

   ベ・キュー宰相から頂いた前金で………あまり残ってはいませんが………」


レアは不祥事を隠ぺいする事にした。

少女時代と別れを告げ大人になるという事はこういう事かもしれない。


シャリア「解った……では我ら全員をレッドクリフで降ろせ。あと賠償金5億。」


シャルローテ「ふんっ、我もそれで構わん。5億程度キャッシュで払ってやるわ」


シャルローテ「この女の醜いツラなぞもう見とうは無い。個室に監禁せよっ」


シャリア「なっなに……みっ醜いだとっ……このガキがっ……」


ガコーン


シャリアが吹き飛びピクピクしている。


シャルローテ「大儀であるぞミディ、ぶちこんでやれっ。飯は出すなよ。」


ミディ「ぎょ………い」


ミディは気絶したシャリアの足を持って引きずって行った。


レア「躊躇ちゅうちょなくフルスイングしましたね……ミディさん………」


ローは相変わらずニヤニヤしていた……


その頃ウェルは……部屋でゴロゴロしながらピザを食べていた……



【レッドクリフの港】



魔土で唯一、港があるレッドクリフにコルゴーンは停泊している。


港の埠頭に船員たちが不安げに座っている。


シャルローテ「しかしまあ、船員達に罪はない。帰りの交通費くらいは渡してやるのじゃ。」


ロー「はっ、では一人1千万ずつでよろしいですか?」


シャルローテ「うむ、なんとか持てる重さじゃろう……構わん。」


レア「いっいっせんまん!?……全員に??100人はいるんですよ……」


ロー「さあ、皆の者……皇帝陛下よりの思し召し(おぼしめし)だっ……並べっ」


船員たち「ざわっ…ざわっ…ざわっ…」


ローは船員たちに紙幣を渡してゆく。


シャルローテ「皆のものっ我がシヴァ帝国に来れば栄耀栄華えいようえいがは思うがままぞ、

       臣民になりたい者はターイーナーイーに来るがよい。」


船員たち「ざわっ…ざわっ…ざわっ……………」


シャリア「馬鹿者どもがっ、そんな物を受け取るなっ」


船員たちの視線が縛り上げられたシャリアに向かう。


船員「俺は………もらうぞっ………」


船員「俺もだっ……やってられるかこんな仕事っ」


船員「これだけあれば……………」


船員「俺……シヴァ帝国に引っ越して家建てる………」


船員「自分の船が買える……」


シャリア「貴様らっ、誰に雇われているのか解っているのかっ、

     お前たちは聖大河教団に雇われているんだぞっ」


シャリアは大声で船員たちを罵倒し続けるが、大金を手にした船員たちには届かない。


船員「月10万で………な………家族全員で働いても……

   貧乏生活だ………でも、これだけあれば………」


シャルローテ「ストロガよ、帰りの船を買ってやるがよい」


ストロガ「はっ」



シーン:コルゴーン艦橋



レア「シャルちゃん、あんなにお金使って大丈夫?」


シャルローテ「ふふっ……あんな紙切れを有難がりおって愚か者ども」


レア「えっ?」


シャルローテ「これでやつらは行軍出来まい。いくらあの女が怒鳴っても、聴く耳なぞ持たないじゃろうな。」


シャルローテ「そなたたちの報酬はシヴァ帝国の金貨、金塊、宝石、好きに選ばせてやるから、安心いたせ。」


シャルローテ「ラグーンの紙幣など……焚火の焚き付けくらいにしか使えなくなるのじゃからな。」


シャルローテ「皇王よ、紙幣の発行でシヴァ帝国を追い詰めた手腕は流石じゃ……

       しかし想定しておったか?このハイパーインフレ戦略を。」


シャルローテはニヤリと笑った。


レア「????」


ロー「それにアレ偽札だしね。」


レア「えっえっえええええ!?」


ロー「あんな原始的な紙幣、コルゴーンの設備をもってすれば簡単に作れるんだよ。」


シャルローテ「木材の積み込みも完了したようじゃな。アイン……さらに増刷せよっ」


アイン「御意っ」


ロー「経済戦争まで想定しているとは……陛下……恐るべきお方……」


レア「???」


レアには、さっぱり解らない。


シャルローテ「アイン。我は行く。ラグーン紙幣を増産しつつ海上待機するのじゃ。」


アイン「御意」


ウェル「陛下……道中お気をつけて……」


レア「あんっ?当然ウェルさんも行くんですよっ。ひょっとすると何かの役に……シャルちゃんの弾避けとか……」


ウェル「………………………………………………………………」


レアはウェルを引きずるようにしてコルゴーンを後にした。



【海岸】



レッドクリフから海岸沿いに東に進む。


レア「でも何で偽札を作るとラグーンが困るんですか?」


ロー「沢山ある物は安くなるんだよ」


レア「はあ?」


レアにはさっぱり解らない。


ミディ「おな……か……すいた………ち…から……でない」


シャルローテ「ミディよ、我らはラグーンの紙幣を刷っている。そして……」


シャルローテ「刷ったものは使わねばならぬ。」


シャルローテ「わかるか?」


ミディ「まさか、まさか、まさか?まーさーかーあああああああっ」

(早口、後半絶叫)


シャルローテ「ラグーンで最も高級な店で出される超高級料理。

       金と同じ重さで倍の値段がするという『わぎゅー』なる肉……」


シャルローテ「限界まで食べるがよい。これも作戦じゃからな。」


ミディ「いえすっ、ゆあ、まじぇすてぃ」


ウェル「そっそうか……そうですよね陛下。それならば私にお任せを。

    無駄遣いのウェルと普段は呼ばれております故に……」


シャルローテ「ふむ、夜の町で大量にばら撒くのも手じゃな。」


ウェル「3日もあれば100億くらい使ってみせます陛下っ」


シャルローテ「大儀である。」


シャルローテ「ロー、聖大河教団にバラまけるか?」


ロー「お任せください、腐りきった神官ども……金の力で飼ってやりますよ。あーっはっはああああ。」


レア「………みなさん……テンションが………凄いですね…………」


シャルローテ「レアよ……解っておるか?」


レア「???」


シャルローテ「ラグーンの紙幣が暴落するという事は……」


レア「事は……?」


ロー「レアは鈍いなあ。借金が無くなるって事だよ。」


レア「えっえっえっ……そっ……そんな事が………」


シャルローテ「まあ、このシヴァ帝国の金貨1枚でそなたらの借金がチャラになるくらいにはヤルつもりじゃ。

       金貨、先に渡しておこう。」


レア「こっこれで……これで……あの膨大な借金が………チャラ!!」


シャルローテ「ストロガ……お・に・い・ち・ゃ・ん……シャルを守ってね。ちゅっ」


シャルはストロガに投げキッスをする。


ストロガ「我が力よ限界を越えて目覚めよ!!死すら恐れぬぞおおおおうおおおおおおおおっ。」


シャルローテ「よし、士気は高まったようじゃな。さあ、行くぞ皆の者。」


シャルローテ「この地は魔土。魔獣の巣窟じゃ……敵を倒せ、そして我を守れ。勇者たちよっ」


パーティのテンションはMAXだ。


前方から何かが駆けてくる。


シャルローテ「魔獣の群れじゃ。皆、戦闘態勢。」


レア「陛下の……前に立ちふさがる……敵……殲滅……虐殺……殺害……ふふふふっ……

   借金……チャラ……慰謝料いらない……示談……不要」


レア「甦れ冥府の帝王、我が前に立ちふさがりし愚かなる者を冥府の業火で焼き払えっハデス・フレア・フルバーストっ」


前方の魔獣は吹き飛んだ。


レアはいつものレアじゃ無い。



ミディは何故か石を拾っている。


ミディ「ぶっころっ!!」


カキーン


ミディは掌ほどの石を処刑剣で弾いた。


???「ぐぎゃあああああ」


森の奥から悲鳴が聞こえる。


カキーン カキーーン カキーーン


処刑剣がフルスイングされる度に森の奥から魔獣の悲鳴が聞こえた。


ロー「さあっ陛下、私の後ろへ」


ローは巨大な盾を構えシャルローテを守る。


ロー「パラディン・プロテクション・ふぃじかるっ!!」


ローは神官として、かたくなに鎧や盾を嫌っていたが……

聖騎士パラディンとなった事で特にどうでも良くなったようだ。


ストロガ「ローどのっ、後ろは私がお守りいたしますぞっ」


ストロガ「エクステンド・サークル・イアイ」


ストロガは構える。


居合の結界がシャルローテの周りを守る。


ウェル「シャドウ・ステルス・ハイドっ」


恐るべき技……


ウェルは存在感を消し、風景に溶け込んだ。誰も彼を意識しないだろう。そして彼は絶対に何もしないだろう。


シャルローテ「皆、大儀である。このまま進むぞ」


一同「おおおおっ、ぶっころせえええええ!!!」



【イスナの大樹】


レア「なんだか魔獣が出なくなりましたね?」


シャルローテ「ここは聖地……聖大樹の加護……があるの……じゃ……」


シャルローテがパタリと倒れた。


ストロガ「へっ陛下っ」


レア「シャルちゃんっ!?」


ロー「凄い熱だ……とにかく何処かで休ませないと……」


シャルローテ「聖大樹じゃ……イスナの聖大樹のふもとに……いおりが……」


シャルローテは意識を失った。


ウェル「ミディ、陛下を背負って守れっ!!」


ウェル「ミディは一番足が早い、イザとなったら陛下だけでも逃がすんだ。」


ウェル「ストロガは索敵さくてき先行せんこう。」


ストロガ「そっ……そんな……陛下の傍を離れるなど……」


ウェル「ミディの次に足が早いストロガが適任。」


ロー「その二股の道を下って行けば集落跡地に出るはずだよっ、急いで!!」


ストロガ「わっ解った……陛下の事……頼んだぞ!!」


ストロガは駆けて行った。


ロー「イスナの聖大樹は川の上流にあるはずだから、この川をさかのぼるんだ。」


ローはストロガが駆けて行ったのとは真逆の方向を指さした。


ウェル「よし、陛下の意識が無い事を幸いに、何をするか解らん危険人物は排除出来たな。」


ミディ「ぐっ……じょ……ぶ」


レア「まあ、仕方ないですね。聖大樹へ急ぎましょう!!」


レアは少し悲しくなった、いつの間にか色んな事に慣れてゆく自分に



【イスナの大樹の庵】



ナレ「天を衝くほどの大樹……そのふもとに家が立っていました」


門を潜ると扉が音もなく空いた。


レア「おじゃましまーす。入って……いいんですよね?」


長い廊下を歩いてゆくと、突き当りの部屋、ふすまが音もなく開く。


レア「どなたかーいらっしゃいますか?オバケじゃないですよね~」


どことなくレアの実家の咲花温泉と同じ雰囲気、不思議と怖くない。


部屋には布団が敷いて敷いてあった。


レア「ここにシャルちゃんを寝かせてあげましょう。」



【謎の空間】


挿絵(By みてみん)


???「ママ……ママ………」


シャルローテ「だれじゃ……おぬしは……」


???「ママっまた会えたね。」


シャルローテ「我が……ママじゃと?子を生んだ覚えは無いが?」


???「ママが植えてくれたんだよ……忘れちゃった?」


シャルローテ「ああ……そういう事か……お主は……イスナの聖大樹せいたいじゅか……」


イスナ「お母さんを焼き払ったあの蛇が……また……目覚ようとしてるの。」


シャルローテ「双子のエンシェント・ドラゴンの事か……それとも……奴か?」


シャルローテ「しかし……皇帝竜はバスターズにより討伐されたのであろう?」


イスナ「うん……でも…………」


シャルローテ「それ以上言わなくとも解った……皇帝竜が現代に復活しようとしておるのじゃな……」


イスナ「ママ……」


シャルローテ「記述が難解なんかいで解らなかったが……やはり奴を倒さねばならんのだな……」


シャルローテ「我はママと幸せに暮らす未来の為なら……皇帝竜だろうが神だろうが滅ぼしてみせる。」


イスナ「ママ……私のうろを探して……きっとママの役に立つ物が見つかるから……」


シャルローテ「我が娘よ……大儀……いや、……ありがとう……イスナ。」



【イスナの聖大樹の庵 早朝】



シャルローテ「……ここは……?」


レア「シャルちゃん、良かった。気が付いたのね。」


レア「熱もすっかり引いて、良かった。」


シャルローテ「ああ、心配をかけたな。」


シャルローテ「ここは……イスナのいおりか……」


レア「誰もいない筈なのに勝手に扉が開いたりするんですよ。」


シャルローテ「ああ、この庵は我が娘の力で守られておるのじゃろうな。」


レア「むっむっむすめええええええ!!まさか……あのクズっがっ………」



【イスナの大樹(夕方)】



シャルローテはイスナの聖大樹のうろを見つめる。


シャルローテ「イスナ、これなのじゃな?これもバスターズの一翼なのだな。」


シャルローテ「皆の者っ見つかったぞ」


偵察から帰ったストロガが十字架に縛られている。


シャルローテ「何を遊んでおるのじゃ?レアよ?」


レア「シャルちゃん、ちょっと待って……このクズを灰にしたらすぐ行くから……」


シャルローテ「何をしたかは知らんが、その辺で許してやるがよい。」


レア「????」


シャルローテ「このスクロール、読めるか?」


レア「えーっと、はいはい。呪文の書ですね……ふむふむ……メテオにグラビティ?」


レア「こっこれは……これが究極魔法」


ロー「その魔法は…………」


レア「???」


シャルローテ「但し魔土では使ってはならぬぞ。」


レア「はい……?」


シャルローテ「我が娘が燃えてはかなわんからな」


レア「えっ……?」


シャルローテ「さて、我は疲れた。温泉にでも入らぬかレアよ。」


レア「温泉?あるんですか!?」


シャルローテ「ああ、イスナよ。風呂の準備をしてくれ。」


レア「えっ?」


シャルローテは足元に何か小さい物を見つけた。


シャルローテ「これはドングリ……イスナ……我が娘よ……ありがとう。共に運命に抗おうではないか……」


木々のざわめきが返事をしたように思えた。



【女風呂】



レア「ふうっ……いいお湯ですね~」


シャルローテ「ふむっ……」


シャルローテ「レアは確か温泉宿の娘であったな」


レア「咲花温泉さきはなおんせん……聖大河のほとりで綺麗な所なんですよー。」


ミディ「け……いりゅう……魚……さい……こう」


レア「そうそう、アユとかヤマメの塩焼き、天ぷら、お刺身。あと熊鍋なんかが名物なんですよっ。」


シャルローテ「そうか、行ってみたいものだな……この戦いが終わったら……」


シャルローテ「ママと一緒に……な。」


レア「お待ちしております。お客様。」



【男風呂】



ウェル「ふう……いい湯だ。」


ロー「こんな大きな風呂は久しぶりだよ。」


ウェル「あ、そういえばレアの実家の温泉にも入ったな?」


ロー「ああ、思い出した。そうそう……確かフォルトが……」


ウェル「あああっそうだった。ダメだ……忘れるんだ……焼き殺されかねない……巻き添えはイヤだっ」


ロー「そっそうだね……不思議な事にレアも忘れているみたいだし……」


ウェル「それはそうと……ストロガ?どうしたその傷?火傷か?サラマンダーと素手で格闘でもしたのか?」


ストロガ「いやはや、冤罪で……まいりましたぞ……はははっ……」


ストロガは力なく答えた。


ウェルはふと物思いにふける。


ウェル「ひょっとして…………」


ウェルは手をポンポンと鳴らす。


ウェル「酒」


お盆にのった徳利とっくりとおちょこがプカプカと流れてきた。


ウェル「やはりっ!!コルゴーンと一緒か!?」



【宴会場】


レア「なっなかなか……やりますね……恐るべしイスナ温泉」


テーブルには所狭しと豪華な料理が盛り付けられている。


シャルローテ「あー皆、ご苦労……心配をかけたな……我はもう大丈夫じゃ。」


シャルローテ「今日は沢山食べて、鋭気えいきを養うのじゃぞ。」


ミディ「いっ……ただき……」

全て言い終わる前に皿が空になった。


ロー「聖大河の聖なる流れよ、本日の糧を……神……死ねっ。いただきまーす。」


ローは温泉で酒をけっこう飲んでいて、ついつい本音が出てしまった。


ウェルはポンポンと手をたたく。


ウェル「酒、さっきのやつ!!」


目の前に徳利とっくりとおちょこが現れる。


ミディは山盛りのカニを一気に平らげた……すると山盛りのカニが再び現れる。


レア「これは……魔法ですか??というかミディさん、カニは甲羅こうらいて食べるんですよっ」


ミディには聞こえていない、バリンバリンとカニをむさぼる。


ウェル「酒、おんなじやつ……しかしこんな旨い酒は飲んだことが無いぞ!?」


ロー「確かにっ………美味しいよね~」


ミディは聞き逃さない。


ミディ「お酒……たっぷり……」


目の前に酒樽が現れる。


酒樽の中身がミディの四次元胃袋に吸い込まれた。


レア「みなさん……そういえば……私の実家の宿にも泊まりましたよね?」


ロー「えっ……そうだったかな?」


ウェル「さっぱり覚えて無いな」


ロー「まあ、日々冒険してるから……」


ウェル「ああ、いちいち泊まった宿を覚えてはいないな」


ロー「となりの別の宿だったんじゃ無いかな?」


ウェル「おおっそうそう……隣の宿だろ?」


ミディ「アユ、ニジマス、てんぷら、お刺身、焼き魚、熊鍋」(早口)


レア「ミディさんは覚えているじゃないですか??あと咲花温泉さきはなおんせん

   に宿屋は1件しかありませんよ???」


ロー「あーこの天ぷらはアユかな?」


レア「それはアジフライですけど?」


レア「みなさん何か隠し事してますか?」


ウェル「なっ何を!?仲間を疑うなんて最低だぞ!!」


ロー「そっそうだよっ!!仲間の信頼が勝利を生むんだよ!!」


レア「信頼?みなさんの何を信頼しろと???」


レア「そういえばフォルトさんも一緒だったんですよね?私、不思議なことにフォルトさんの事、覚えてなくって……」


ロー「フォルト?誰だっけ?」


ウェル「あーたまたま一緒だったNPCじゃないかな?」


ロー「ああっ……たまたま宿が一緒だったね……」


ミディ「お兄……ちゃ……ん」


ストロガ「いったいどうしたのだ?ウェル、ロー?我らは同じ村で育った仲間ではないか?」


ストロガ「フォルトはミディの兄、そして我らの兄貴分だったではないか?」


ストロガ「死んだフォルトを忘れようと……そういう事か……気持ちは解るが……」


レア「なるほど……で?ウェルさんとローさんは何を隠そうとしているんですか?」


ロー「いやー……まあ、過去は早めに忘れる事にしたんだっ」


ウェル「ああ、まあ、奴の事は忘れよう。それが、全員の幸せにつながるんだ。」


レア「?????」



【次の日】



シャルローテ「うむ、では頼むぞロー、蒼穹王を蘇らせるにはそなたの叡知が必要じゃ」


ロー「はっお任せ下さい、そして……陛下もお体をおいたわり下さい。」


シャルローテ「ふむっ、少し疲れが出ただけじゃ。しばし休めば大丈夫じゃ。」


ストロガ「やっやはり……私も陛下の元で……」


レア「ここはミディさんと私で守りますからストロガさんはローさんを守って下さい。」


ミディ「………まか……せて」


ウェル「では私も陛下のお傍に……」


レア「まあ足手まといになると困りますから。ウェルさんは待機ですね。」


ウェル「よっしゃ、自宅警備ならまかせとけ!!」


頂上付近にあるという神殿を目指してローとストロガは山を登って行った。


ウェルはポンポンと手をたたく。


ウェル「ビール」


レア「まっ昼間から何言っているんですかっ。ちゃんと自宅を警備して下さいよっ!!」



【深夜】



イスナ「ママッ……起きてっ……」


シャルローテ「うん?なんじゃ……イスナ……?」


イスナ「何かが来る……たぶんあの双子……」


シャルローテ「なんじゃと?」


シャルローテ「レアっミディ起きろっ敵が来るぞっ!」


レア「へあ?」


ミディ「……?」


ずどおおおおおん、ずどおおおおおん


地響きがとどろき庵が激しく揺れた。


シャルローテ「二人とも、外へ出るのじゃっ!はやくっ」


レア「わーわーわーなんですかコレは??」


ミディ「!!」


ミディは外から伝わる邪悪な気を察したか、カミナリのような速さで飛び出した。


レア、シャルローテも庵を飛び出す。


聖大河教団の神官たちの姿が見えた。


シャルローテ「くっ既に囲まれているのか?」


イスナ「ママ、御免なさい……私……全然気が付かなかった……」


シャルローテ「何か特殊な呪いか何かを使われたか?」


シャリア「さっさと出てこい娼婦の子よっ。ああ、自称シヴァ皇帝だったか?」


シャルローテ「この声は……まさかっ!?」


シャリア「ふん、姑息な真似をしてくれたな……たっぷりと地獄を見せてやるぞ小娘」


シャルローテ「なんじゃ?ずいぶんと早く追いついたのう?」


シャリア「その余裕よゆうも今のうちだ。」


シャルローテ「ふん、なんじゃ?船員たちに見捨てられ、神官どもを引きつれて来たのか?」


シャリア「この方々は魔土レッドクリフ枢機卿の管理する神官たちだ……おまえらのカス神官と一緒にするなよ?」


シャリア「そういえば……あのカスの姿が見えぬが、魔物にでも食われたのか?」


シャルローテ「くっ………パラディン・ローは主君を守り誇り高き死を迎えたのじゃっ!愚弄すると許さぬぞっ!!」


シャリア「犬死にかっ……奴には相応しいな。」


レア「えっ?シャルちゃん何を言っているの???」


シャルローテは小声で話す。


シャルローテ「とにかくなるべく時間を稼ぐのじゃ……ローが帰ってくる時間を……

       死んだ事にしておけば警戒けいかいせぬじゃろう」


ミディ「ぶっころっ」


ミディが閃光のような速さでシャリアに迫る。


ガキンっ。


聖大河教団の神官数人がシャリアを守る。


ガン・ゴン・ギン


神官たちが吹き飛ぶ。


シャリア「くっ……ミディか……やるな……」


シャリア「アンジュ、ズシオー、契約に基づき我を守れ」


漆黒しっこくの闇の中から巨大な頭が現れる。


シャルローテ「赤い巨竜アンジュ、黒い巨竜ズシオー……」


シャリア「ほう、こいつらの名前を知っているとはな……」


シャルローテ「ふんっ……ミディ……レア、任せたぞ」


ミディ「レア……黒い……ほう。」


レア「お任せです。」


シャルローテ「聖大樹が燃えるから炎はダメじゃぞ」


レア「了解ですっ。さあブラックドラゴンさん……お仕置きの時間ですよっ」


レアの杖が光の魔法陣を空中に描く


レア「いでよ光の奇跡、いにしえの神々の輝きを我に与えん、ホーリーレイ・シャイニングスター」


放たれた光の束は黒竜ズシオーに突き刺さる。


ミディ「ヤル」


ミディの処刑剣が赤竜アンジュの眉間に突き刺さる。


アンジュとズシオーは何事も無かったように首を降った。


シャルローテ「レア、ミディ逃げるぞっ!到底勝てぬ」


ミディがシャルローテとレアをわきに抱えダッシュする。


レア「えっえっえ?」


シャルローテ「レア、アイスバーンじゃっ、アイスバーンを後ろに撃てっ」


レア「地面よ凍り付け……アイスバーン」


後方の地面が凍り付く。


シャリア「逃がすなっ撃てっ」


アンジュの口から火炎の弾が放たれた。


どごおおおおおおん


周りの地面が吹き飛ぶ。


ミディ「つかまる」


レア「えっ?」


ミディは砕け飛び散る地面の破片を蹴りながら空を走る。


シャリア「なっなんだと?奴は本当に人間か??」


ズシオーの口から黑く輝く閃光が放たれた。


ミディ「かわ……せ……ない」


ミディはレアとシャルローテを蹴り飛ばし、処刑剣を回転させる。


黑く輝く閃光がミディを包むが処刑剣が閃光を弾き返す。


シャリア「なっなんだと?あれで黑き閃光を防いだのか?」


ミディ「だっ……だめ……だ………」


ボキッ


処刑剣が九の字に折れた。


黑き閃光がミディを飲み込んだ。


レア「ミディさあああああん」



【イスナの住居跡】



崩れかけた住居の中で全身に黑い火傷を負ったミディが寝かされている。


ミディ「ぐっ……あ……あああ………」


レア「ミディさんしっかりして!」


シャルローテ「ロー早く帰ってくるのじゃ……このままではミディが………」


レア「ミディさん……私たちを庇って。」


ぐごおおおおおおん


シャルローテ「くっ……奴ら片っ端からぎ払っておる……ここもいずれ……」


レア「シャルちゃん……ミディさんをお願い……」


シャルローテ「レア?」


レア「私が……あの竜と……戦います。」


シャルローテ「だっだめじゃ、到底かなわん……まさかあそこまでとは……」


レア「傷ついた仲間を残し一人強敵に立ち向かう……これが勇者の生きる道ですっ。」


レア「魔法学校の図書館の古文書で読みました……かつての勇者達は……」


レア「『しゅじんこうほせい』なる絶体絶命の時に発動するミラクルパワーを身に着けていたと……」


レア「私だって……勇者……みならいですけど……頑張ります。」


レアは駆けて行った。


シャルローテ「ちっちがう……それは……絵空事の中の話……」



【イスナ近郊】



シャリア「薙ぎ払えアンジュ、ズシオー」


アンジュとズシオーは山々を吹き飛ばしながら進む。


神官「シャリア様……あまり強引なのは……シャルローテ閣下にもしもの事があったら……」


シャリア「だまれ、あんなガキはもう必要ない。全てを薙ぎ払えっ。」


神官「シャリア様!!」


レッドクリフ枢機卿「シャリア、あのお方のお言葉を忘れたのか?」


レッドクリフ枢機卿「シャルローテ閣下を無事にお連れしろと。」


シャリア「だ・か・ら!私は誰の言う事も無視できる存在になったのが理解出来ませんか?辺境の枢機卿さま?」


レッドクリフ枢機卿「シャリアっ貴様裏切るのか!!」


シャリア「私こそが聖大河。新しい神が誕生したのがまだ解らんのか?」


レッドクリフ枢機卿「なっなんだとっ、皆の者、こやつを取り押さえろっ」


神官たちがシャリアに襲いかかる……が、弾き飛ばされる。


シャリア「アンジュとズシオーを使役する我には何人たりとも手を触れられぬ」


シャリア「あのお方は美しき方、我が奴隷として飼ってやろう。」


レッドクリフ枢機卿「きっ貴様っ」


シャリア「皆殺しにしろっ」


レア「お待ちなさい!!」


シャリア「あ?」


レア「悪逆非道の限りを尽くす者どもよっ。天が許しても私が許しません。」


シャリア「なんだ……おまえか?」


レア「悪はゆるしません。」


シャリア「なんだ、シャルローテは一緒じゃないのか?」


レア「悪に立ち向かう勇者……その名もレア!!」


レア「おもい知りなさい悪者わるものよ。勇者の正義の力をっ」


シャリア「なんだコイツ?頭でも打ったのか?」


レア「原罪の重力よ我に従え!グラビティー・ブラスト!!」


シャリア「なっなに……この娘……なぜフォルトの魔法を……」


黑い重力の塊が生まれ、アンジュとズシオーを地面にひれ伏させる。


レア「オおおおおおーバあああああーブうううううう、ストおおおおおおっ!!」


急に重力の塊が膨れ上がった。


どごおおおおおおおおおおおおおおん。


シャリア「なっなんだとっ?何者だ……この娘?」


アンジュとズシオーが地面にめり込む。


レア「燃え上れ私のマナ!カオス・シャイニング・マキシマム!!」


巨大な光の渦がひれ伏した巨竜に降り注いだ。


レア「極限を越えよ、エクセル・バースト!!」


光の大渦が大爆発を起こす。


レア「はっはあ……どっどうですかっ……シャルちゃんにもらったスクロールの魔法をアレンジして……

   魔法力を全て込めた必殺技ですよっ」


シャリア「なかなかやるな魔法使い。」


アンジュとズシオーが立ち上がる。


レア「そっそんなっ!!」


シャリア「双子竜にダメージを与える魔法が使えるのか……見事だ。」


シャリア「我が元で働けば栄耀栄華えいようえいがは思いのままだぞ。」


レア「悪にくみする気はありません。」


シャリア「悪とはなんだ?シャルローテは正義なのか?」


レア「うっ……いや……それは……微妙な……ような………」


シャリア「私にひれ伏さぬ者などいらん。まあ、死ね。」


シャリア「アンジュ、ズシオー私以外を皆殺しにしろっ」


レッドクリフ枢機卿「なっ……貴様っ!」


レア「ダメっ……魔力がもう……ない」


シャリア「死ねっ」


ロー「ふう、間に合った。」


ストロガ「レア殿、シャルローテ様はっ!?ご無事ですかっ!!」


レア「シャルちゃんは無事です……間に合い……ましたね……でも……私たちじゃ………」


ロー「ははっシャリア……久しぶり」


シャリア「なんだゴミ……生きていたのか?どうでもいいけどな。」


ロー「ふっふふ……ゴミ?我はパラディン・ロー。枢機卿ごときがタメ口を効くなカスがっ!!」


シャリア「なんだとっ!?神に見放されたゴミがパラディンだと?」


シャリア「はっはっは、面白いなオマエ。一切の神の加護を失い、神聖術の全てが使えなくなったカスがっ」


シャリア「土下座までして聖水を買っていたオマエが……」


ロー「ああっ……確かに……聖大河教団のクソ神にアク禁くらったけどね……ふふふふっシャリア……僕は君を……」


ロー「奴隷にしたかったんだよ、ひゃーはっはっは。」


レア「いやいやいや、ローさん、それは……それは……貴方の発言、『勇者パーティー』の勇者としては……」


シャリア「ゴミがっ、神になった我をそんな目で……まあ、ゴミは焼却だな。」


シャリア「アンジュ、ズシオー皆殺しだっ!!」


ローは天罰銃デイタムをアンジュに向ける。


ロー「デイタム固定。コルゴーン、エルフィン・ハープーンうちーかた始めっ。」



【洋上】



アイン「蒼穹王より座標受信、デイタム固定、打ち方始めます。」


どどーーーーん、どどーーーーん、どどーーーーん


赤竜アンジュに空から謎の筒が降り注ぐ。


謎の筒は赤竜の皮膚を破り内部で破裂する。


アンジュ「ぐぎゃあああああああああああああああああ」


レア「なっ!?」


アンジュの腹がはじけ飛び、動かなくなった。


ロー「これが……これが世界最強の力っ……ひれ伏せっ我が元に……ひゃーはっはっははああああああ」


シャリア「なっ…ばっ……ばかなっ………そんな………皇帝竜の側近が………敗れるなぞ………

     くそっあの銃は何だ?」


ロー「シャリア……僕の奴隷になれば生かしてあげるよ!!ひゃーはっはっはあああああああ」


レア「あ、いや……まあ……その…………しかたないですね………そういうのも………」


レアは『そういう事も世の中にはあるのだと』そして見て見ぬふりをしようと決意した。


シャリア「ズシオー、我を守れっ。」


ロー「なんだいシャリア?怯えているのかい?ひゃっひゃっひゃー」


ロー「デイタム固定、エフフィン・トマホークうちーかた始めっ」


ズシオー目掛けて柱が迫る。


シャリア「ズシオー、闇を解放しろっ」


ズシオーから黑いもやもやした物が沸き立つ。


どどーーーーん


ロー「なっ??エフフィン・トマホークが外れた?デイタムは固定していたはずなのに??」


シャリア「ふん、よくもアンジュを殺してくれたなカス。」


シャリア「ズシオーは人類を駆る為に作られしモノ。」


シャリア「さあ、くたばれカスがっ!!」


ズシオーはローに向かい口を開いた。


レア「ローさん逃げてっ……もうダメですっ」


ロー「神々よっ……我が意に沿って力を示せ、我が前に立ちふさがりし全てを滅ぼせ!!」


シャリア「全ての力を失ったお前が魔法?……狂ったかカスが……ズシオーよ、全てを滅ぼせダークブレス撃てっ!!」


ローの周りにオーラが集まる。


ローが手を差し伸べた方向に魔法陣が生まれる。


レア「えっえっえ??ゼロ能力者のローさんが……魔法……しかもコレは……神々の魔法?」


ロー「エクス・マキナ・デス・エクスキューション!」


目を潰される程の輝きがローの指先から放たれ、ズシオーに吸い込まれる。


ズシオー「ごっごぎゃああああああああああ」


ズシオーははじけ散った。


ロー「ひゃっひゃっひゃー我が力を知ったかシャリア!」


シャリア「ばっばかな……ズシオーが……あの……カスに………負けた……一撃で………」


レア「ええええええっ?あのクズ……ゼロ能力者のローさんが……こんな神々の魔法をっ!?」


ロー「以後は奴隷として飼ってあげるよシャリア。この時をどれほど待ち望んだかっ……ひゃーはっはっはああああ」


カーシャ「『エクス・マキナ・デス・エクスキューション』お買い上げ、あざーす!!」


シャリア「はあ?」


カーシャ「ではシャリアはんの魂は回収させてもらいまっせー、あざーす。」


シャリア「なっ何を言ってるんだ……??」


カーシャ「いやいや、コレ契約書でっせー」


カーシャは紙をシャリアに渡した。


シャリア「『エクス・マキナ・デス・エクスキューション』を我が魂により召喚します???」


カーシャ「血判も押してありせー、では魂頂きますわ~」


シャリア「魂?なっ何を言っているんだオマエは??」


ロー「あー契約書はちゃんと書いてあるねー血判も押してあるし……しかたないね!」


シャリア「契約書だと???お前たちは何を言っているんだ???」


ロー「あーシャリア……ひょっとして……うっかり血判押しちゃった??」


レア「あっ……あっ……あああああ………まさか………ローさん………」


ロー「良く確かめもせずに血判押しちゃダメだよ~でも押しちゃったら……

   しかたないよね……ひゃーはっはっははああああああ」


シャリア「なっ何を言っているんだ?」


カーシャ「ではシャリアはん、お命頂きまっせー、ごちっす!!」


シャリア「えっ……あっ……あああああああっ……ぐっ……いき……が………で………き……」


シャリアはもがき苦しみながら息絶えた。


レア「コルゴーンで……気を失っていたシャリアさん……血判……鼻血……契約書……」


ロー「悪は滅びたね。」


レア「うっ……うううううっ………悪は…………悪は…………あなたです。」



【イスナの住居跡】



レア「ミディさんは無事ですか!?」


シャルローテ「ああ、じゃが凄い熱……このままでは……」


ロー「私にお任せ下さい陛下……あっそれとアンジュとズシオー、シャリアは私が倒しましたのでご安心を」


シャルローテ「なんじゃと?……さすがはパラディン・ロー……ミディの傷も直せるか?」


ロー「お任せください。」


ロー「パーフェクト・リザレクション!!」


ローの手から神々しい光が発せられ、ミディを包む。


ミディ「なっ……なおった???」


ミディは起き上がる。


シャルローテ「おおっミディ……よかった……流石はパラディン。凄い力じゃな。」


ロー「有難きお言葉……」


レアは微妙な顔をしている


あの後……ストロガが神官全員を気絶させ、全員に血判を無理やり押させた……


ロー「今のは一般神官、レッドクリフ枢機卿の魂ならばもっと凄い魔法が使えます。」


シャルローテ「ほう……なるほどな………『最も神々に近い男パラディン・ロー』大儀である。」


ロー「陛下あああっ、有難きお言葉っ!!」


ローはボロボロ涙を流しながら膝をついた。


レア「いやっ……それは……それはっ…………まあ、しかた……ないですね………」


レアはだいぶ諦めた、諦める事が大人だと……すこしだけ理解した。



テロップ「イスナの庵」



ウェル「陛下、ご無事でしたか?」


レア「あ……そういえばいましたね……ウェルさん」


シャルローテ「さあ、帰るぞ……イスナ……また会おう。」


イスナ「うん……また……いつか………ママっ。」



テロップ「ラグーン王国王宮 皇王の間」


大臣「猊下げいか……物価が異常な値上がりを見せております。」


大臣「また、シヴァ帝国に物資や食料が流れており……なぜか我が国のは食料が不足する事態に陥っております。」


挿絵(By みてみん)


デュルマ皇王「無敵艦隊の壊滅、物価の高騰、物資の欠乏?」


デュルマ皇王「なるほどな。流石は我が未来の妃、見事だ。」


デュルマ皇王「しかし、読めておるかシャルローテ……次の一手が…………」



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